猫舌さんはなぜ熱い食べ物が苦手なのか!?克服法はこれだ!

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季節を問わず、温かな食事には、心がほっとしますね。

けれど熱々のお鍋やスープ、入れ立てのお茶など、温度の高い食べ物や飲み物が苦手な人もいます。

そう、いわゆる「猫舌」の人たちです。一方で、「熱い食べ物はまったく平気」「むしろ得意!」という人もいます。

冷められるまで食べられない猫舌さんと、熱々でもガンガン食べて平気だという人。

なぜこんなにも違うのでしょうか?「猫舌」の人とそうでない人には、いったいどんな違いがあるのでしょう?

この記事では、猫舌の克服法と、そもそもなぜ猫舌になるのかという疑問も解けますよ。

熱い食べ物が苦手で…という人は、ぜひ参考にしてくださいね。

 

 

猫舌はなぜなるのか?克服方法はあるの?

猫舌を克服するには、皮膚や粘膜の「感覚点」をごまかす、食べ方を工夫する、という2つの方法があります。詳しく見ていきましょう。

 

感覚点をごまかす

猫舌の人が熱いものを食べるときは、冷たい食べ物、飲み物と一緒に摂ると良いでしょう。

猫舌の人が熱いものが苦手な理由、これには感覚点深く関わっています。

人間の皮膚や粘膜には、痛覚、触覚、温覚、冷覚の4つの感覚を知覚するための感覚点と呼ばれる感覚が備わっています。

  • 痛点 → 傷み
  • 触点 → 物が触れた圧力
  • 温点 → 温かさ
  • 冷点 → 冷たさ

これらの感覚点が機能することで、人間的は様々な感覚を知覚することができ、舌や口の中にもこの感覚点は分布しています。

ですから、人間は温点や冷点を通じて、食べ物の熱さ冷たさを感じることができるわけです。

たとえば子どもの頃、注射が苦手で泣き出してしまう子もいれば、全然平気で何ともない子もいましたよね。

注射を痛いと感じさせているのは痛点という感覚器官ですが、実は、感覚点の敏感さや分布の数などは、人によって異なるのです。

ですので、人よりも痛点が敏感だったりその数が多かったりすると、人よりも強く痛みを感じるということになります。

では、話を温点に戻しましょう。温点は4つの感覚点の中で、最も分布の少ない感覚点です。

その数少ない温点への温度刺激が強くなると、許容量を超えた熱さによる刺激は温点だけでなく、痛点を働かせます。

つまり、熱さに敏感な温点を持つ「猫舌」の人たちは、そうでない人よりも熱さを痛みとして知覚しやすいのです。

ですので、冷たい飲み物を併用しながら食事をすると、冷点が働いて温点・痛点への刺激を抑えることができます。

また、猫舌の人は温点への刺激が痛点を刺激して痛みを感じてしまうことが多いので「刺激を与えて慣らす」ような無理なチャレンジはやめましょう。

基本的に、痛覚は慣れて麻痺するよりもより警戒して痛みが増す性質があるので、より熱い食べ物が苦手になってしまうからです。

 

食べ方を練習する

舌を奥へ引っ込める食べ方を練習して、熱さを感じなくなると、警戒心が薄れてより熱さや痛みを感じなくなります。

その成功を積み重ねると、食べ物の温度を予測しやすくなります。

予測イメージと実際の温度とのギャップを感じずにすむようになって、予想を裏切られたが故の過剰な熱さと痛みに驚くこともなくなります。

その食べ方については、以前NHKの「チコちゃんに叱られる!」で紹介されましたので、詳しく見ていきましょう。

 

 

猫舌が食べ方下手なのはなぜ?チコちゃんは知っている

猫舌の人とそうでない人の間には、明確な違いがあることがわかっています。それは、食べ方です。

猫舌の人とそうでない人を集めて、熱い物を飲食する時の口の動きをMRIで調べた研究によると、舌の動きに大きな違いがあることがわかりました

この違いは、NHKの人気バラエティ番組「チコちゃんに叱られる!」でも紹介され、話題を呼びました。

まず、猫舌の人は、熱い食べ物を口に含む時、舌先から、食べ物に触れてしまいます。

しかし、猫舌ではない人は、舌をのどの奥の方に引っ込め、舌先を熱い食べ物から遠ざけると同時に、口内に熱い物を受けるためのスペースを作ってから、喉に流していたことがわかったのです。

舌先には、味を感じるための気管である味蕾などの感覚器が集中しています。

熱い食べ物が得意な人は、その感覚器が集中して敏感な舌先を逃がすことで、熱さを感じにくくしていたのです。

「チコちゃんに叱られる!」では「アールタベール法」というトレーニングが紹介されていました。

これは「アールタベール」と言った時の「ル」の時点の舌の位置をキープして食事をする方法です。

「チコちゃんに叱られる!」での「猫舌の理由」放送回をご覧になりたい方はこちらからどうぞ。

また人間は食事をする時、その風味や温度、硬さなどを予測をしています。口に運ぶまでの間に、食べるための準備をしているのです。

その予測イメージと実際に知覚したものとにギャップがあればあるほど、混乱が生じます。

口にした食べ物が予想以上に熱いと、まず驚きを感じ、予想していた場合に比べ、過剰に「熱い!」と感じます。

そして、驚きから苦手意識を持ってしまいます。

経験を積むことでこのギャップは解消されるのですが、苦手意識が影響すると敬遠しがちになり、ギャップは解消されないままだと熱いものが苦手な猫舌になってしまうのです。

 

 

猫舌は遺伝するのかどうか

 

医学的には猫舌は遺伝しないと言われています。けれど、猫舌の人の家族にはやっぱり「猫舌」が多いように感じるのではないでしょうか。

これは「文化的な遺伝」なのではないかと考えられます。つまり育った環境によるものです。

子どもは家族の習慣や生活、文化に大きな影響を受けて育ちます。

家族が熱い物を上手に食べていると、子どもも無意識にそれを真似して上手に食べることができるようになります。

もし、家族が猫舌だと、子どもも熱いものの上手な食べ方を体得できず、猫舌になりやすいというわけです。

 

 

猫舌と呼ばれる由来について

 

猫舌という呼び方の始まりは、江戸時代だと言われています。ちょうど家庭での猫の飼育が広まった頃です。

当時の猫は、専用のキャットフードなどあるわけもなく、人間の残飯を餌にしているのが主流でした。

人の食べ物を与える内に、猫は熱い物が食べられないという認識が人々に広まり、これが猫舌の語源になったと言われています。

ちなみに、英語には「猫舌」に該当する言葉はありません。あえて表現するなら「sensitive tang」とするくらいでしょうか。

フランス語で「猫の舌」というと「langue de chat(ラングドシャ)」です。

これは、薄く焼き上げたクッキーに似た焼き菓子のことですので、熱い食べ物を苦手とすることを「猫舌」と呼ぶのは日本人特有の表現ということですね。

 

 

まとめ

  • 熱さに敏感な「温点」を持つ「猫舌」の人たちは、「熱さ」を「痛み」として知覚しやすい。
  • 冷たい飲み物と併用して食事することで舌への刺激を抑えることができる
  • 猫舌の人は、熱い食べ物を口に含む時、敏感な舌先から食べ物に触れるが、そうでない人は、熱さを感じないよう舌先を口の奥へ逃がしている。
  • 「アールタベール法」のように熱さを感じにくい食べ方を練習する
  • 猫舌は遺伝しないが、生まれ育った生活環境によって家族が猫舌だとなりやすくなる
  • 猫舌という呼び方は江戸時代に広まったと言われており、日本独特の表現になる

猫舌の人、そうではない人の違いは感覚点と食事の食べ方にあったのですね。

ラーメンや鍋など、ある程度熱い方が美味しく食べられる料理が多いのはご存じの通り。

熱いものを熱いまま、はふはふ言いながら食べるのは見ているこちらも「美味しそうだな~」と食べたくなってしまいます。

最初は意識して気を付けながら食事をする必要がありそうですが、猫舌の方はぜひ一度試してみて下さいね。

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