春から大学入学が決まり、一人暮らしをするという方は少なくありません。
新しい土地での新生活は期待で胸がいっぱいですね。その反面で、初めての一人暮らしに不安を抱える方も多いのではないでしょうか?
私も大学入学の際に、一人暮らしを始めた経験があります。
初めは「賃貸契約の手続きにかかる費用はいくらかかるんだろう」「生活費は毎月いくら必要なの?」と、とにかく分からないことだらけで不安でした。
学生の一人暮らしは費用のことが気がかりですよね。今回は大学生の一人暮らしにかかる生活費や初期費用、仕送り事情について疑問を一緒に解決していきたいと思います!
一人暮らしの費用はいくらかかる?学生の1か月の生活費の内訳
一人暮らしをする大学生の多くは、ご両親から仕送りをしてもらう場合が多いと思います。
限られた収支の中でやりくりできるのか、初めは不安ですよね。毎月どのくらいの生活費が発生するのでしょうか?
独立行政法人日本学生支援機構の「令和2年度学生生活調査」によれば、下宿やアパートで一人暮らしをしている大学生(昼間部)の1年間の生活費の平均額は、110万8,400円でした。
月額に換算すると、全国の大学生の1か月にかかる生活費の平均は、約9万2,300円です。
あくまでも全国平均の金額なので、住む地域によって家賃の相場や物価は変わってきます。
また、同調査をもとに、生活費の内訳を下記にまとめてみました。
【毎月かかる生活費の内訳】
- 食費 約22,780円
- 住居・光熱費 約41,480円
- 保健衛生費 約3,500円
- 娯楽・嗜好費 約11,350円
- その他 約13,200円
「どの項目にいくらくらいかかるのか」把握しておくことはとても重要になります。それでは各項目をそれぞれ詳しく解説していきます!
食費
だいたい、1か月2~3万円を食費にかける学生が多いようです。
例えば、1か月2万5000円におさえたい場合、1日約830円、1食あたり約270円という計算になります。
結構シビアな金額になりますね。毎食をコンビニやスーパーで買うとすぐに予算オーバーしてしまいます。
自炊をうまく取り入れることによって、節約することができます。
私ははじめ、料理のレパートリーも少なく、もやしを放置して腐らせてしまったこともあります…(汗)
料理本を読んだり、スマホでレシピを調べて徐々に覚えていきました。
料理がそんなに得意でなくても、ご飯をまとめて炊いて小分けにして冷凍しておいたり、簡単なおかずからチャレンジしてみましょう!
また、ペットボトルを買わずに水筒を利用することで、大幅に節約できます。
住居・光熱費
- 家賃(管理費や共益費含む)
- 光熱費(電気代・水道代・ガス代)
家賃の金額に、光熱費としてプラス1万円と考えておくとよいでしょう。
家賃は住む地域によって大きく相場が異なるため、全国的にみると、家賃が5万円以下というところも多いですが、家賃相場が高い東京では5万~7万円で探す方が多いようです。
光熱費に関しては、季節や個人のライフスタイルによっても変動するものなので一概には言えませんが、トータル5000円から1万円でおさまる場合が多いようです。
- 電気 1,500円~5,000円
- 水道 1,000円~3,000円
- ガス 1,000円~4,000円
入浴は基本シャワーで済ます、冷暖房の使用頻度を減らすなどの工夫をすることによって、節約できる項目です。
まずは毎月どのくらい光熱費を使用しているか、把握するところから始めてみましょう。
保健衛生費
- 病院や市販薬
- 美容院(数か月に1度)
- コンタクトレンズ
- シャンプー、リンス
- 化粧品
保健衛生費の全国の平均金額は約3,500円です。保健衛生費とは医療費や薬代、美容院代などが含まれます。歯医者や病院は我慢せずに行くようにしましょう。
化粧品なども含まれるため、女子大学生は費用を少し多めに見積もっておきましょう。
娯楽・嗜好費
- 趣味
- 友人や恋人との交際費
- サークルやイベントでの飲み会
- 嗜好品(お酒やたばこ、お菓子)
勉強が本業とあっても、たまの息抜きはとても大切です。趣味や交際費にだいたい1万円弱使う学生の方が多いようです。
今はコロナ禍で、色々と制限も多いかと思いますが、交際費はなにかとかかる費用です。
また、成人してからは、行動が自由になる分、お酒やたばこをたしなむ人もいるかと思います。羽目を外して過度に摂取しすぎないよう、自己管理が苦手な人ほど注意しましょう。
その他
- 通信費
- 日用品
- 洋服代
- 交通費
その他の項目の平均金額はおよそ1万3,000円程。スマホの料金やインターネットの使用料などの通信費や日用品や洋服代などが含まれます。
どれも欠かせない費用ですが、スマホは格安スマホを使うなどして価格を抑えることができます。
洋服が好きだったりすると、たくさん買いたくなってしまうのではないでしょうか?
「今月はピンチ」とならないよう、予算内で楽しむことを心がけましょう。
一人暮らしを始めるための費用は最低いくら?初期費用について
一人暮らしに必要なのは、毎月の「生活費」の分だけではありません!
一人暮らしを始めるにあたって、必ず「初期費用」というものが必要になります。この「初期費用」は大きく3つに分けられます。
-
- 部屋を借りるためにかかる初期費用 25万~30万(家賃5~6万円の場合)
- 引っ越し業者を利用する費用 3万~8万円(荷物量・距離による)
- 家具家電・生活用品を購入する費用 15万~20万円
初期費用は最低でもいくら必要なのでしょうか?目安として初期費用は50万円程度だといわれています。
かなり高額になりますね。ただし、費用を抑えるポイントもあるので、「何にいくら必要なのか?」各項目について見ていきましょう!
賃貸契約にかかる初期費用
部屋を借りるために不動産会社へ支払う費用のことです。
初めての賃貸契約の場合、「最低いくら用意すればいいの?」と、疑問ですよね。
賃貸契約にかかる初期費用の総額は、およそ家賃の5~6倍程度だといわれています。
例えば、家賃5万円であれば、約25万円は必要といえます。
賃貸契約の時に支払う費用の各項目は以下の通りです。それぞれの項目について、費用が抑えられるポイントなど解説していきます。
【賃貸契約にかかる初期費用】
- 敷金 1~2か月分
- 礼金 1~2か月分
- 前家賃 1か月分+日割り家賃
- 仲介手数料 0.5~1か月分
- 保険会社利用料 0.5~1か月分
- 火災保険料 1~2万円
- 鍵交換費用 1~2万円
敷金・礼金
敷金とは、大家さんが借主から預かるお金のこと。借主が不注意で部屋に傷をつけてしまった場合の修繕に充てられたり、家賃の滞納などのトラブルが発生したときのために充てられます。
退去時には、清掃にかかる費用などをこの敷金から差し引いて返金されるケースが多いです。
一方礼金は、大家さんへのお礼として支払う費用のこと。お礼の意味合いが強いため、礼金は退去時に返金されません!
昔と比べると敷金1か月、礼金1か月の場合が主流のよう。また最近では、敷金礼金のいずれか、または両方がないという物件も珍しくはありません。
少しでも初期費用を抑える方法は、礼金がかからない物件を探すということも手です。
敷金がないという場合は少し注意が必要です。その分、家賃滞納者へ厳しい取り決めを設定していたり、部屋の修繕費やクリーニング代が高額に設定されているなどの場合もあるからです。
敷金がない物件の場合は、入居前にしっかりと確認しておきましょう。
仲介手数料
仲介手数料とは、契約の仲介をしてくれた不動産会社に支払う手数料のこと。
宅地建物取引業法によれば、仲介手数料の上限は「家賃1か月分以内」と定められています。そのため、不動産会社によっては、無料~家賃0.5か月分に設定しているところもあります。
前家賃(日割り家賃+翌月分の家賃)
前家賃とは、入居する翌月分の家賃(共益費・管理費込み)を先払いすること。
月の途中で入居した場合には、入居日から月末までの日割り家賃と翌月分の家賃を合わせて支払います。
例えば【1か月31日だとして、3月15日に入居するという場合】3月15日から31日までの日割り家賃と来月4月分の家賃を支払います。
入居日が月末に近いほど、そのぶん日割り家賃の費用を抑えることができますよ。
保証会社利用料
保証会社の初回利用料は家賃の0.5~1か月分が相場です。その後は1~2年毎に「更保証料」がかかります。
部屋を借りる際には、万が一、借主が家賃を滞納した場合に備え、代わりに支払い義務を負う「連帯保証人」を立てることが一般的です。
学生の場合であれば、親が連帯保証人となる場合が多いと思います。事情があって両親に頼めないという時には、代わりに保証会社を立てることができます。
また、保証人がいる時でも、物件によっては保証会社に入ることが決められている場合もあります。
火災保険料
万が一、火災などを起こしてしまった場合に備えて保険に加入します。物件の材質などにもよりますが、1~2万円が相場です。
鍵交換費用
防犯上、前の入居者と同じ鍵を使用するわけにはいかないため、鍵を交換します。
入居する側が負担しなくてはなりません。物件にもよりますが、相場は1~2万円の物件が多いよう。
引っ越し業者を利用する費用
さて、無事に部屋の契約が終わったら、いよいよ引っ越しの準備です!引っ越し費用はなるべく安く済ませたいですよね。
比較的実家から近い場所に新居がある場合は、両親の車で必要最低限のものだけ運んでもらい、家具・家電は新しいものを買い足すのがいいでしょう。
また、運ぶ荷物が少ない場合、ゆうパックなどの宅配便を利用すれば、安く済みます。
荷物が多い場合は、やはり引っ越し業者に頼んで運んでもらうのがよいでしょう。
引っ越し業者に頼む場合、相場は3~8万円程度とされていますが、引っ越しの距離と荷物の量により料金が大幅に変動します。また、繁忙期には10万円近くかかってしまう場合も。
【安く依頼するためのポイント】
- 価格が高くなる引っ越しシーズン(3~4月)を避ける
- 複数社の料金を比較して決める(ネットで簡単一括見積もり)
- 曜日や時間にこだわりがなければ、予定を調整する。
- 学生向けのプランやキャンペーンを利用する
家具家電・生活必需品を購入する費用
部屋を借りた後は、自分で必要な家具や家電を購入し揃えていきましょう!
自分の好きなインテリアを選ぶことができるのは一人暮らしの醍醐味でもあります。
新しく家具や家電揃えるという場合、買うものがとにかく多いので、最低でも15万円程はかかります。
まずは家電!冷蔵庫や洗濯機、オーブンレンジ、炊飯器、照明、テレビなど生活する上で欠かせないもの。
家電量販店にあるような、「新生活応援の家電セット」を選ぶとお得です。
また、大学生であればパソコンの購入も必要ですね。
次に、ベッドやテーブル、テレビ台、座椅子などの家具類!意外と忘れがちなのがカーテンです。防犯のためにも引っ越し初日からあった方がいいですよ。
そして、買うものが多いのが生活用品!フライパンや包丁などの調理道具から、トイレットペーパーやティッシュなどの消耗品。洗濯に使う洗剤や柔軟剤など、多岐にわたります。
初めてだと勝手がわからず、「あれもこれも買わなきゃ!」と焦ってしまいがちですが、そうなると不必要な物まで買ってしまったり…。
無駄な出費を防ぐためにも、優先順位を考えて買うことが大切です。
引っ越し初日ですべてを揃えるというのは難しいもの。まずは必要最低限のものだけ購入し、細々したものは徐々に揃えていけば問題ありません。
とにかく費用を押さえたいという場合は、家具家電備え付けの物件を探すのも手です。
一人暮らしにかかる費用は仕送りなしだと難しいのか?
ここまでで「毎月の生活費」と「初期費用」についてまとめさせていただきました。一人暮らしをするにはまとまった費用が必要になります。
「仕送りの金額はいくらくらい?」などの仕送り事情は、なかなか周囲の人に聞きずらかったりするものですよね。
全国大学生協連の「第56回学生生活実態調査」によると、1か月の仕送りの平均金額(2020年)は7万410円でした。
仕送りで生活費が全額賄えるという学生から、家賃分だけ仕送りをしてもらっているという学生もいます。
各家庭の事情は様々ですので、仕送りなしで一人暮らしを検討しているという方もいるでしょう。家庭に負担をかけたくないという場合、一人暮らしは難しいのでしょうか。
結論から言うと、仕送りなしの一人暮らしは、かなり厳しいといえます。
なぜなら、同調査の大学生の平均アルバイト代は3~4万円(月)であり、かなり生活を切り詰めたとしても、アルバイトだけで生活費を賄うというのは困難であることがわかります。
それでも、仕送りなしで一人暮らしをする方法はないのか考えていきましょう。
奨学金制度の利用を考える
奨学金制度は、家庭の経済負担を軽くするための制度のこと。現在、約半数近くの大学生が何らかの奨学金を利用しているという現状があります。
指定の条件を満たせば、誰でも奨学金を利用できるチャンスがあります。
様々な団体がこの制度を設けていますが、一番多く利用されているのは、日本学生支援機構の奨学金。
奨学金は返済不要の「給付型」と返済がいる「貸与型」の2種類があります。
まずは「給付型」の奨学金が受けられないか確認し、受けられない場合や金額が足りない場合は「貸与型」の給付金を利用することを検討しましょう。
「貸与型」の奨学金は、利子がないもの、利子が有るものがあります。
詳しい条件はこちら独立行政法人日本学生支援機構を確認してみてください。
奨学金は利用するにあたり、リスクもしっかりと考える必要があります。「貸与型」の奨学金であれば、将来的に本人が返済するということ。
返済は大学卒業後の長い期間に影響が出るものなので、慎重に考えて決めましょう。
また、令和3年の4月からは、新しい給付型の奨学金の制度が開始されています。成績にかかわらず、世帯収入の条件がクリアできれば支援が受けられます。
詳細については、文部科学省ホームページを確認しましょう。
アルバイトをする
仕送りなしの場合、収入源は奨学金とアルバイト代になるかと思います。
あくまでも本業の勉強に支障が出ない範囲で、取り組む必要があります。時給が安いと、その分自分の時間を削ることになるため、少しでも高めの時給で探すようにしましょう!
家賃は無理のない範囲で選ぶ
生活費の中でも家賃は一番高額になるので、どれくらい抑えられるかが大きなポイント!無理のない範囲で選ばないと、後々負担に…。
例えば、5万円の家賃の物件と6万円の物件。1か月の差額は1万円ですが、年間だと12万円の差額が生じます!
もちろん家賃金額だけを見て決めてしまうのはおすすめしませんが、譲れないポイントを見直して探すなど、支払いに無理がない範囲で自分に合う物件を選ぶことを心がけましょう。
固定費の見直しをして支出を減らす
通信費や光熱費、食費などの毎月の固定費に関しても節約を心がけることが大切です。
「月にいくら使っているか」はあいまいになってしまいがちです。まずは便利な家計簿アプリなどを活用して、毎月の支出額を把握するようにしましょう!
まとめ
今回は大学生の一人暮らしにかかる生活費や仕送りについてなど、費用にまつわる疑問をまとめてみました。
- 生活費と初期費用が必要。
- 学生の1か月の生活費の平均額は約10万円
- 初期費用は50万円が1つの目安
- 仕送りなしの場合の一人暮らしは、不可能ではないが厳しい。
- 家賃は無理のない範囲の金額で選ぼう。
- 固定費を見直しして節約を心がけよう。
- 家計簿アプリを利用して支出を把握する。
改めて一人暮らしをしながら大学に通うにはこんなにお金がかかるんだな、と考えさせられました。
仕送りなしで一人暮らしが可能かどうかは、正直かなり厳しいと感じました。
しかし、毎月の支出額を極力下げ、奨学金をうまく活用できれば不可能ではありません。
これから新生活を始める方は、少しでも安心して生活できるように、利用できる奨学金がないかしっかり確認しておきましょう。
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