虫さされ、かゆいですよね。気づいたら赤くなり、掻かずにはいられない!
でも搔きむしってしまったら、血が出たり、跡も残るし、熱がこもってますますかゆくなってしまいます。
大人でもなかなかかゆみが我慢できない虫さされ。その虫さされが、大事な赤ちゃんにできてしまったら?

赤ちゃんには「掻いちゃダメ」は通用しません!
薬を塗っても、空気に触れないようにパッチを張っても、気になって触ったり、はがしてしまうかもしれません。
一番大事なのは、予防です!予防と言えば、虫よけグッズ。
でも、気になりませんか?「この虫よけって、赤ちゃんの肌に使えるの?」
そのような心配を抱えている方々が赤ちゃんの肌を守れるように、安心して使える虫よけの成分と種類、塗り方のお話をしていきます。
虫よけ商品は赤ちゃんに使っても大丈夫?
赤ちゃんの皮膚は厚さが大人の約2分の1、皮脂の量は約3分の1。
肌表面は大人は弱酸性に保たれていますが、赤ちゃんは中性に近い状態で、かつ大人の2~3倍も汗をかくと言われています。
つまり、皮膚が薄くて皮脂も少ないのでバリア機能が低く、中性に近いため細菌が増えやすく、汗をかくと不衛生な状態になりやすいのです。
「赤ちゃん肌」はうるうるプルプルの代名詞となっていますが、実は赤ちゃんの肌は皮膚トラブルのリスクが高いのです!
そのような赤ちゃんの肌に、大人が使っている虫よけグッズは安心して使えるの?と不安になりますよね。
安心できないから極力虫よけ商品は使わずに、さされたら対処する、という方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、ここで気にかけていただきたいことは、虫さされを軽く見ないでいただきたいということです。
肌に害をなす虫としては、蚊、蜂、ブヨ、アブ、マダニなどたくさんいます。
「日常生活で気を付けるのなんて蚊くらいでしょ?」と思われるかもしれませんが、蚊の媒介する感染症をご存知でしょうか?
蚊媒介感染症として、日本脳炎やデング熱、ジカ熱などが挙げられます。
治療薬がほとんどないとされているので、刺されないようにすることが重要とされています。
日本は湿気が多く蚊が発生しやすい気候であると同時に、近年の地球温暖化で亜熱帯地域が広がるとともに熱帯地域で生息していた病原菌も広がり、その病原菌を広める要因が蚊とされているのです。
赤ちゃんや子供は体温が高く虫が寄ってきやすいですし、感染症にならないとしても、刺されたものをきれいにかゆみが落ち着くまで気にせずに待つのは至難の業と言えるでしょう。
実は私も「子供は新陳代謝が良いから、多少の傷や虫刺されもキレイに治るだろう」とタカをくくっていました。それを後悔しています。
私の子供は、赤ちゃんの頃から虫に刺されたり転んだりと些細な傷をよく作っており、虫刺されを掻きむしってしまいました。
血が出て、かさぶたになり、かさぶたをはがし、血が出て、かさぶたになり…これを延々と繰り返してしまい、跡に残っています。それも何か所も!
刺された後の薬や対処では、追いつかなかったのです。ですから、今赤ちゃんの虫よけについて関心を持っていらっしゃる方に向けて、安心安全に予防を行っていただきたいのです。
虫よけ商品の中には「大人から子供まで使える」、「赤ちゃんにも使える」と宣伝されているものが増えてきましたね。
赤ちゃんが使えるものと使えないものなのか、その違いが具体的に何なのかご存知でしょうか?
答えは「成分」です。それくらいわかる!と思われるかもしれませんね。
赤ちゃんにも使える成分とは、ずばり「イカリジン」なのです。
「イカリジン」のほかにも、「ディート」、「天然成分」を紹介しますが、それぞれメリット・デメリットがありますので、次で詳しくお伝えしていきましょう。
ご自身の求める基準に合わせてご覧くださいね!
虫よけを赤ちゃんに使う時はイカリジン配合のものが安心!
虫よけ効果のあるものとして、「イカリジン」と「ディート」と「天然由来のハーブ」の3つを挙げていきます。
虫よけ成分「イカリジン」
虫よけは「ディート」という成分が配合された商品が多かったのですが、効果はあるものの、その刺激の強さから年齢に応じて使用制限があり、大人でも肌の弱い方や顔には使用できませんでした。
そんな中、日本で2015年「イカリジン」が承認されたのです。このイカリジンは、1986年にドイツで開発・販売された成分で肌に優しく、赤ちゃんでも使えます。
※イカリジンの効果は濃度5%で約6時間、濃度15%で約8時間。
虫よけ成分「ディート」
「ディート」は日本で最初に承認され、50年以上使用されている実績があります。
1回の使用で効果が10%濃度で約3時間、30%濃度で約6時間持続するとされています。
ディートの対象害虫は、蚊・ブヨ・アブ・マダニ・ノミ・イエダニ・サシバエ・トコジラミ・ツツガムシ・ヤマビルなど幅広く効き目があります。
アメリカでは使用制限も濃度制限もなく使用されているそうですが、日本では、刺激が強いため、厚生労働省より下記の表のように使用制限がかけられています。
濃度 | 年齢 | 使用目安 |
濃度12%以下
|
6か月以下 | 使用不可 |
6か月~2歳未満 | 1日1回 | |
2歳~12歳未満 | 1日1~3回 | |
濃度30% | 12歳未満 | 使用不可 |
引用:厚生労働省HP掲載国立感染症研究所「蚊媒介感染症の診療ガイドライン(第5版)」
ディート成分を配合されているものは、濃度12%以下のものが販売されていましたが、先に述べたデング熱やジカ熱などの感染症への対策のため、2016年に濃度30%まで認可されました。
ハーブなどの「天然成分」
虫が嫌うハーブを成分とした虫よけ。ハッカ、ゼラニウム、ペパーミント、ユーカリ、レモングラスなど。手作りもできますし、天然由来なので赤ちゃんや肌の弱い方も使うことが出来ます。
ただし、虫よけ効果はディートやイカリジンよりも弱いというデメリットもあります。
また、手作りなどの際、経口すると毒となるハーブものもありますので、取り扱いには注意してください。
虫よけ商品を適切に使い分けて赤ちゃんも安全に快適!
今は、クリーム、ジェル、スプレー、シート、シールなど、いろいろなタイプの虫よけグッズがありますよね。
私の子供はとても敏感で、特にクリーム系のものが苦手。少量でもダメでした。

赤ちゃんの時はじたばたと暴れ、少し大きくなってからは塗ろうとすると逃げ回り、決して塗らせてはくれませんでした…。
大人でも、使用タイプに関して合う合わないはもちろんあるので、使う場所・タイミング・状況に応じて使い分けるのが良いでしょう。
商品別の特徴と使い分けの仕方のアドバイスをさせて頂きます!
使用タイプ | 良い点 | 悪い点 | |
クリーム | ・しっかり肌に定着できる | ・塗るのに時間がかかる。 ・べたべたした感じが残る。 |
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ジェル | ・しっかり肌に定着できる ・クリームタイプより肌なじみ が良く、サラサラ |
・塗るのに時間がかかる。 ・べたべたした感じが残る。 |
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シート | ・汗拭き、冷感効果もある ・クリームやジェルのように 手がべたべたにならない |
・持続効果が低い ・露出部分のみの効果 |
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シール、リング | ・手間がかからない ・肌に負担がかからない |
・肌に塗るものよりも格段に 効果が薄い ・外したりはがしたりして口に 入れてしまうリスクがある |
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スプレー
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エアロゾル | ・広範囲に短時間で塗れる ・塗りなおしが簡単 |
・目に入ったり吸い込んだりする
・屋内など狭い場所では使用 しにくい ・体にかかる以外にも空気中に拡散 し、効率的ではない |
ミスト | ・広範囲に短時間で塗れる ・塗りなおしが簡単 ・エアロゾルタイプより、 吸い込むリスクは少ない |
私の場合は、子供が赤ちゃんの時にはジェルタイプとシートとシールを併用。
少し大きくなってからはそのラインナップにリングを加え、ある程度大きくなってからは、子供の好みでスプレータイプを使うようになりました。
エアロゾルタイプはどうしても親子ともにむせてしまうので、ミストタイプを選びました。
吸い込みや目に入る危険があるので、使い方については子供に説明し、私がかけてあげるようにしていましたが、ある程度慣れてくると、子供が自分で玄関の外でスプレーするようになりました。
余談ですが、日焼け止めも塗るタイプとスプレータイプを併用しています。スプレータイプですと、意外と見落としがちな髪や頭頂部にもスプレーできるので、重宝しています。
本題に戻りますが、虫よけ対策は、虫よけ商品だけに頼るのではなく、服装に気を付ける、草むらなどでは露出をしないことを注意しなければなりません。
「赤ちゃんは大人の2~3倍汗をかく、と言っていたのに、暑い夏に長袖長ズボンをはかせるの?」と心配になるかもしれませんが、山に行く時に大人が肌を露出しないのと同じです。

私の子育て経験では、レッグウォーマーやアームウォーマーが活躍しました。
虫よけ対策のほかにも、寒暖調節にも役立ちました。夏場は特に施設に入ると寒すぎたり、夕方思ったよりも冷え込んできたな、と感じた時にさっと着脱させやすかったです。
可愛いものも多いので、見た目を楽しむこともできます♪
虫よけ対策のグッズは、種類も多く悩みますが、ニオイや使い心地もありますし、対策をするのに負担の少ない方法、商品を試してみてご自身と赤ちゃんの好みを探ってみてください。
まとめ
- 赤ちゃんに使える虫よけは、成分と使用タイプによって使い分けると良い
- 効果が強く肌に優しい虫よけ成分「イカリジン」は赤ちゃんにも使える
- 効果が強く対象害虫が多い虫よけ成分「ディート」には年齢と濃度により使用制限がある
- 肌への安全性が高いハーブなどの「天然成分」は無添加など安全性は高いが、虫よけ効果は「ディート」や「イカリジン」に劣る
- 使用タイプはクリーム、ジェル、シート、シール、スプレーなど様々な種類がある
- それぞれ使用タイプごとにメリット・デメリットがあるので、目的・好みなどで使い分けるようにしよう
感染症のリスクを避けるため、そして日々の生活を快適かつ赤ちゃんへの肌の負担を減らすため、虫よけ対策は必須です。
当然ですが赤ちゃんは、自分の身をまだ自分で守れません。保護する立場の方が状況や危険を把握し、適切に対処する必要があります。
山や植物の多い場所に行く時には「ディート」成分が入ったもの、日常的には「イカリジン」成分が入ったもの、家やちょっとしたお出かけなら「天然成分」のものなど、使い分けをおすすめします!
1つの虫よけ商品に固執しては、本来の目的「赤ちゃんを害虫から守る」ことは叶いません。
使用する目的や場所、赤ちゃんの状態によって、成分と使用対応を使い分けることで、赤ちゃんを害虫から守ることができます。
日焼け止めと一緒で、塗ったら落とすまで持続します!というものでもありません。
どれくらいの時間、どれくらいの強さの効果が欲しいのか、それに応じて塗りなおしが必要なら、成分に注意して肌に優しいもの、塗り直しやすいタイプのもの、など基準や考え方も様々です。
肌に優しく体への負担が少ないものを選ぶこと、または強いけどしっかり効果を得るために正しく使用する方法を選ぶこと。
何が大事かを考えることは、赤ちゃんにとってだけではなく大人にとっても有益なことです。
昨今「マダニ」もニュースなどで目や耳にする機会が増えてきたようにも感じます。刺されてかゆくなるレベルでは済まない害虫も多いのです。気を付けなければいけないのは、赤ちゃんも大人も同じ。
どこにどういった危険が潜んでいて、それに対処するためには何が必要なのかを知ることは、赤ちゃんを守るだけではなく、自分自身も守ることにつながります。
大事な赤ちゃんのために、そして自分自身のために、正しい情報と適切な商品を使って、安心安全な環境を作っていきましょう!
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