秋になると公園のあちらこちらに落ちているどんぐり。
子供と公園に行くと宝物を見つけたようにキラキラ目を輝かせ、ポケットいっぱいに詰め込んで大切に持ち帰ってきますね。
家に持って帰ってどんぐりに顔を書いたり、やじろべえやコマを作ったり。
最近では100均のアイテムと拾ってきたどんぐりや松ぼっくりでクリスマスのリースをDIYする方もいらっしゃいますね。
子供が大量に拾ってきて置き場所に困る!もうこれ以上拾わなくていいのでは?と、大人になると「ただのどんぐり」と思ってしまいがちですが、侮るなかれ!
どんぐりは大昔から食べ続けられ、今ではデトックス効果も期待される注目のスーパーフードなんです!
今回はどんぐりの栄養価や食べ方をご紹介します!
どんぐりは食べることが出来る⁉

どんぐりは食べる事が出来ると知っていますか?木の実の中でも栗や松の実は普段から料理に使われたりと馴染み深いですね。
昔では椎の実は子供のおやつ替わりだったと聞いたことがあるので、年配の方は椎の実は食べられることを知っている方もいらっしゃるかもしれません。
しかしどんぐりを食べることができる事を知っている方は少ないのではないでしょうか?
どんぐりは栄養価の高い食品で、近年スーパーフードとしても注目されています。
実はスーパーフード!どんぐりは栄養豊富!
どんぐりは栄養価がとても高く、スーパーフードとして注目されています。
- 抗酸化作用の高いビタミンCの含有量が多く、アンチエイジングの効果が期待できる
- 不足しがちな必須ミネラルのカルシウムと、マグネシウムが吸収されやすい理想の比率で含まれている
- マグネシウムが多く含まれており、イライラ解消につながる
- ポリフェノールの含有量がブルーベリーより多い
- アスコニック酸という成分が、体内に蓄積された重金属などの有害物質を体外に排出するデトックス効果がある
どんぐりを食べる事で不足しがちな栄養素を摂取でき、デトックス効果も期待できるならうれしいですね。
どんぐりの種類は?どんぐりという木は無いって知ってた?
みなさん「どんぐり」という木は存在しないことを知っていましたか?
私たちが普段「どんぐり」と呼んでいるのは椎や樫、水楢(ミズナラ)などのブナ科木になる木の実を総称してどんぐりと呼んでいるのです。
公園や散歩道で落ちているどんぐりに大きなものや小さいもの、丸かったり細かったりと様々な形があるのはそのせいです。
- ブナ
- イヌブナ
- クリ
- コナラ
- ミズナラ
- アベマキ
- クヌギ
- カシワ
どんぐりってこんなにも種類があるんです!柏餅で使われるカシワの実も、よく食べられる栗も同じどんぐりの仲間なんですね。
どんぐりの木には1年成と2年成という種類があります。
1年成とは春に咲いた花が、その年の秋に実ります。2年成は花が咲いてから1年半後の秋に実を付けます。
去年ここでどんぐりを拾ったのに今年は無い!という経験がある方もいらっしゃるかもしれませんが、その場合は2年成の木の可能性が高いです。
どんぐりを食べるのは大昔から⁉

どんぐりを食べる文化は縄文時代にもありました。
縄文時代は稲作がまだ始まっておらず、縄文人にとってどんぐりは貴重な食糧だったのです。
縄文人は狩りをして肉や魚をたくさん食べていたと想像する方も多いかもしれませんが、食料調達の不安定さがある狩猟だけでは獲物を捕れなかった際に食糧難に陥ってします。
縄文時代の遺跡からは木の実を保管する貯蔵穴が発見されており、どんぐりやクルミ・トチ・ナラ・カシなどが発掘されています。
縄文人はどんぐりやクルミ・カシの実を採集し貯蔵穴に保管し食料確保の不安定さを補ってきました。
貯蔵穴に集められたどんぐりやクリ・トチ・クルミは縄文人の主食にあたるものだったと考えられています。
縄文時代には広葉樹林が広がり、大量に採取できるどんぐりを食べる事で安定した食生活を送っていたのですね。
縄文人を支えたどんぐり食とは?
縄文人に主食として重宝されていたどんぐりですが、「渋み」がありそのまま食べるには問題がありました。
スダジイやマテバシイなど、一部のどんぐりは渋みがありませんが、ほとんどのどんぐりには「タンニン」という渋み成分が含有されています。
タンニンとはポリフェノールの一種で、抗酸化作用と収れん作用があり、口にすると強い渋みを感じます。
どんぐりは水にさらすことで渋みを取り除き、食べることが出来ます。
縄文時代の遺跡には水さらし場という場所があり、川の水を使ってどんぐりのアク抜きを行っていました。
アク抜きをしたどんぐりは殻を剥き、石で粉状にしお粥や団子、クッキーのようにして食べていました。
どんぐりを食べるには下処理が必要!下処理方法をご紹介!

公園や散歩道で拾ってきたどんぐりも食べることが出来ますが、まずは下処理をしましょう。
先ほど紹介したように、スダジイやマテバシイなどは渋みが無いため、虫の食っていないキレイなものを選びそのまま食べて大丈夫です。
椎の実は他のどんぐりよりも殻が柔らかいので、指で強くつぶすと殻が割れます。
殻を割ったら薄皮を剥きそのまま食べてみましょう。フライパンで乾煎りすると香ばしくなり美味しくいただけます。
椎の実はそのまま食べる事ができますが、ほかのどんぐりは食べる前の下処理が必須です。
そのままでは渋みが強く食べられませんし、タンニンを大量に摂取すると下痢や便秘になる可能性もあります。
- どんぐりの選別作業
殻の汚れていないキレイなものを選んで拾いましょう
殻斗(どんぐりの帽子の部分)は取りましょう - 大きなボウルに水を張ってどんぐりを水に浸して選別
虫食いがあるもの、古いものは水に浮かびます
水に沈んでいるどんぐりのみを使いましょう - どんぐりの殻割り作業
どんぐりの殻は固くて手では割れないので、ペンチやハンマーなどを使って割り、殻と薄皮を剥がします
- アク抜き作業(渋み成分を取り除くため)
渋みの強いどんぐりを食べるために一番大切な作業
たっぷりのお湯を沸かして10分程茹でて、お湯を切った後によく水洗いする
重曹を入れて茹でるとよりアクが抜けます - どんぐりを粉状にする
そのまま使っても良いけれど、粉状にすると料理の幅が広がります
フードプロセッサーなどを使って粉状にする
茹でて水洗いした後、少し食べてみてまだ渋みがあるようならば、もう一度沸騰したお湯で茹でてみましょう。
渋みが気になる方は何度か茹でこぼしを繰り返しましょう。
どんぐりを食べるための下処理は大変に感じるかもしれませんが、栗なども生のものを買ってくると下処理が必要ですよね。秋の味覚を味わうために頑張りましょう!
どんぐりを食べるならどんぐり粉を使ってみよう!

どんぐりの下処理の仕方をお伝えしましたが、やはり下処理が大変!
どんぐりを食べてみたいけど、拾ってきたどんぐりを食べるにはちょっと抵抗がある!

下処理中に虫が出てきたらイヤ!
そんな声が聞こえてきそうですね。そんなあなたに!どんぐりを食べるならどんぐり粉を使ってみましょう。
Amazonや楽天でどんぐり粉と検索するとトドリムックというどんぐりの粉が販売されています。

これは韓国の食材です。日本同様、昔からどんぐりを食べる習慣のあった韓国ではどんぐり粉は今でも伝統食品で食べられています。
有名なのはトトリムク。どんぐりの粉を水に溶かして沸騰させた後、冷やして固めたものでカロリーが低いことからダイエット食品として人気です。
ゼリーのような食感で味はあまりないようですが、少し苦みがあるそうです。
野菜とソースで和えたり、だし汁に入れて食べるそうです。
どんぐり粉を使ったレシピ①トトリムク
- どんぐり粉 1カップ
- 水 5カップ
- 塩 ひとつまみ
- サラダ油 小さじ1/3
(タレ調味料)
- 醤油 大さじ2
- 砂糖 大さじ1
- すりおろしニンニク 大さじ1/2
- ごま ひとつまみ
- 水 大さじ1/2
【作り方】
- タレの材料を全て合わせておく
- 鍋にどんぐり粉・水・サラダ油を入れ、火にかける
- 泡立て器でよく混ぜながら中火で加熱
- 火が通ってくると少しずつゼリー状になるので、焦げないように混ぜ続ける
- 全体がゼリー状になったら弱火にして5分程加熱する
- 火からおろしてすぐに容器に移し替え、冷蔵庫で冷やす
- しっかり冷えたら食べやすい大きさに切って、タレをかけて出来上がり
どんぐり粉を使ったレシピ②どんぐり粉クッキー
- どんぐり粉 200g
- 小麦粉 50g
- 砂糖 30g
- 牛乳 100ml
- オリーブオイル 大さじ1
- 塩 小さじ1
【作り方】
- どんぐり粉と薄力粉を合わせてボウルにふるい入れる
- 粉の入ったボウルに砂糖・牛乳・オリーブオイル・塩を入れゴムベラで混ぜる
- 一塊になったら手でこねる
- めん棒で薄く伸ばしてお好みの大きさにカット
- フライパンにオリーブオイルを薄く引き、両面を弱火でじっくりと焼いて出来上がり
どんぐり粉を使ったレシピ③どんぐりパン
- 強力粉 150g
- どんぐり粉 20g
- 椎の実 適量
- 牛乳 100ml
- バター 大さじ2
- 砂糖 大さじ2
- 塩 小さじ1/3
- ドライイースト 小さじ1
【作り方】
- 大きめのボウルに材料を全て入れよく混ぜる
- ひとまとめになったらボウルから出し、台の上でこねていく
- 全体的にだまがなくなり生地が滑らかになったら丸くまとめ、ボウルに入れて温かい場所に置き倍の大きさまで発酵させる
- 生地を6等分に分割し、ガスを抜き一度丸めて乾燥を防ぐため濡れ布巾をかぶせ休ませる
- ガスをもう一度抜き丸め直し、温かい場所で生地が倍くらい大きくなるまで再度発酵させる
- 180℃に予熱したオーブンで15分程焼いて出来上がり
どんぐりを使った代表的なレシピをご紹介いたしました。
どんぐり粉を自分で作るのは大変なので、どんぐりを食べるときはどんぐり粉を活用しましょう。
まとめ

- どんぐりは食べることが出来る!
- ビタミンやカルシウムなど豊富に含まれるスーパーフードである
- アコニック酸という成分が重金属などの有害物質を浄化して体外に排出するので、デトックス効果が期待できる
- どんぐりという木は無くブナ科木の木の実の総称
- どんぐりは縄文時代から食べられ、主食として重宝されてきた
- タンニンが含有されているため下処理をしないと渋くて食べられない
- 椎の実など一部そのままでも食べられる
- 料理に使いやすいどんぐり粉が販売されている
涼しくなってくると公園や散歩道で秋の訪れを知らせてくれるどんぐり。
普段ならどんぐりを拾ったり、工作につかったりするどんぐりですが、今回はどんぐりを食べる方法をご紹介いたしました。
栄養豊富などんぐりを食べる事で不足しがちな栄養素を摂取でき、デトックス効果も期待できます。
どんぐりを食べたことが無い方も、今年は新しい秋の味覚としてどんぐりを食べてみましょう。
コメント