干し柿って美味しいですよね。ほどよい柔らかさと噛めば噛むほど口の中に甘みが広がって食べているだけで幸せな気分になります♪
自宅のベランダでも作ることができるので、ご自身で作った経験がある方もいるのではないでしょうか。
そんな干し柿ですが、いざ食べようと思ったらカビが生えてる!?なんて経験はありませんか?実は干し柿はカビが生えやすいんです。
干し柿にできるカビには青カビ、黒カビ、白カビといった種類があり、カビと似ているけど実際はカビではないものもあります。
また、干し柿に生えるカビの見分け方を知らずに間違って食べてしまうと食中毒になる可能性もあります。
私も干し柿に生えるカビの見分け方を知らずに食べそうになった経験が…。
そこで今回は、干し柿に生えるカビの見分け方やカビ対策について解説していきます。
干し柿に生えるカビの見分け方は?
干し柿に付着しているものがカビなのか見分け方が難しいときがありますよね。
干し柿に生えるカビの見分け方のポイントは干し柿が変色していないか、変色している部分の広がり方を確認することです。
干し柿に付着しているものがカビなら以下のような特徴があります。
色が青や緑の場合
変色している部分の色が青や緑で、広がり方が干し柿の表面にまだらに散らばった点のようになっていたら青カビが発生しています。
またフワフワした綿のようなものが付着している場合もカビなので注意が必要です。
色が黒の場合
色が黒の場合は少しだけ見分け方が難しくなります。干し柿が全体的に黒くなっている場合はタンニンが空気にふれて変色したものなのでカビではありません。
タンニンとはポリフェノールの一種で抗酸化作用があり、生活習慣病や老化に効果が期待できるなどのメリットがあり、害があるものではないので安心してください。
しかし、青カビのように黒い色がまだらに散らばった点のようになっていたら黒カビの可能性が高いので見分ける際はよく確認しましょう。
色が白の場合
色が白の場合も少し見分け方が難しいのでよく確認しましょう。
なぜなら、白い付着物が「柿霜」と呼ばれる柿の実の糖分が結晶化し、表面に出てきたものの可能性もあるからです。
白カビの場合は白いまだらに散らばった点のようなものが付着していて、触ると綿のようにフワフワしているのが特徴です。
【柿霜】
柿霜とは柿に含まれるブドウ糖が干している過程で表面に出てきて結晶化したもののことをいいます。
ブドウ糖は砂糖の何倍も甘く、柿霜が多く付いていればいるほど美味しい干し柿の証と言われるほどです。
また、見た目の特徴は白色が粉を吹くように干し柿の全体に付着していて、触るとザラザラとしています。
この他にもカビは臭いで見分けることができます。カビにはカビ独特のツーンとした臭いがするので、異臭がしないかも確認しましょう。
干し柿にカビが生えたら食べられる?食中毒の心配はある⁉︎

干し柿にカビが生えているけれど、その部分を取り除けば食べられるのかしら?でも食中毒も心配だし判断に迷うわ…
干し柿にカビが生えていても部分的だったら取り除けば食べられるような気がしますよね。そもそも干し柿にカビが生えたら食べられるのでしょうか?
結論としては、カビの種類によってはカビの付着部分を取り除いてから食べることもできますが、不安が残る場合は食べないほうがいいです。
場合によっては食中毒になってしまう可能性もあります。
青カビの場合
青カビの場合はカビが一部分にしか付着していなければ、その部分を取り除けば食べることができます。
青カビは他のカビよりも毒性が弱いとされているからです。以下でカビの取り除き方の手順を説明していきますね。
【アルコールでカビの付着部分を拭き取る方法】
- アルコールの度数が高い(35度以上)焼酎などのお酒を布やキッチンペーパーなどに浸し、カビを拭き取る。
- 1日〜2日程度空けて、再度カビが生えてこないかを確認する。
- 異臭がしないかを確認する。
【包丁を使いカビの付着部分をそぎ落とす方法】
- 包丁を使いカビが付着している部分を深くそぎ落とす。
- カビが取り切れたかを確認し、異臭がしないかを確認する。
アルコールでカビの部分を拭き取るだけでは心配な方は、包丁を使いカビの付着部分をそぎ落としましょう。どちらの方法も行えばより安心ですね!
白カビや黒カビの場合
白カビや黒カビが生えていたら、食べるのを諦めましょう。
白カビは他のカビに比べ強い毒性をもっており、強い発がん性をもっていると言われているため食べるのは危険です。
白カビは食べ物の風味を落とすとも言われています。
また、黒カビは根を深く奥まで張るという特性をもっているので、表面だけカビを取り除いてもその奥にカビの根が残っている可能性が十分にあります。

もったいないと感じるかもしれませんが、白カビや黒カビが付着していたら食べるのはやめましょう。
食べてしまった時の対処法
カビが付着している干し柿を間違えて食べてしまうこともあると思います。そんなとき食中毒にならないか心配になりますよね。
カビが生えている干し柿を少量食べても、食中毒になる可能性は低いとされています。干し柿に生えるカビはそこまで毒性が強くないことが多いためです。
ですが、白カビのように毒性が強いものや青カビや黒カビでも毒性が全くない訳ではありません。もし以下のような症状が出た場合は注意しましょう。
- 腹痛が継続する
- 下痢
- 吐き気や嘔吐
- 微熱
これらは食中毒の症状の一部です。もし、このような症状が出た場合は水分を多く取り安静にしていましょう。数日以内に治まることが多いです。
ただし、乳幼児や高齢者、妊婦、基礎疾患がある人などは少しでも違和感があったら我慢せずに病院を受診しましょう。
干し柿のカビ対策には熱湯が効く⁉︎

自宅で作っている干し柿にカビが生えないようにするにどうしたらいいんだろう?対策は何があるんだろう…
ご自宅で干し柿を作っているご家庭もあるかと思います。出来るだけカビを生やしたくないですよね。
カビが発生しやすい条件は、25度~28度くらいの温度、65%以上の湿度や糖分などの栄養分と言われています。ここからは具体的なカビ対策について見ていきましょう。
柿を干す前に熱湯に入れる
柿を干す前に、皮をむいた柿を熱湯に入れることで殺菌作用があるとされています。
柿についた汚れやほこりも熱湯で一緒に落とすことができますね。熱湯に入れる時間は短く、5~10秒くらいです。
柿同士が触れないように間隔を空けて干す
干している柿同士の間隔が狭いと風通しが悪くなり、乾くのが遅くなります。水分が多い状態が長く続くとカビが生えやすくなります。
風が吹いても柿同士が激しくぶつからない程度に間隔を空けて干すようにしましょう。
風通しがよく直射日光が強く当たらない場所に干す
干し柿は乾燥させることが重要です。風通しがよく、ほどよく日が当たる場所が良いとされています。
直射日光が当たりすぎると、黒く変色してしまうからです。特に干し始めの数日間は柿の水分が多いため、天気が良い日に干し始められるのかベストとされています。
雨の日や夜間は家の中に入れる
雨の日は湿度も高くなり、柿が雨に濡れて水分が多い状態になってしまいます。柿が水分を含む時間が長いとカビが発生しやすくなります。
また日中と夜の寒暖差が大きい地域は温度差により干し柿に結露が付きやすくなります。雨の日や夜間は干し柿を涼しい室内に移動させましょう。
定期的にアルコールで消毒をする
付着したカビを取り除くときにも有効なアルコール消毒ですが、干している間に定期的に行っても効果があります。
アルコール度数の高い35度以上のお酒を干している柿に吹きかけましょう。定期的にアルコールを吹きかけることによってカビの発生を防ぐことができます。
干し柿にカビが生えにくい保存方法3つ!

干し柿ができあがって食べる前までにカビが生えても嫌だわ。カビが生えにくい保存方法を知りたいわ…
干し柿は説明してきた通りカビが生えやすい食べ物です。きちんと管理して保存する必要があります。保存方法は以下の3つです。
- 常温保存
- 冷蔵保存
- 冷凍保存
常温保存
- 干し柿をキッチンペーパーで一つ一つ包むか紙袋に入れるなどして湿度と乾燥対策をします。
- 風通しがよく、気温が高くない場所で保存しましょう。
冷蔵保存
- 干し柿を一つ一つキッチンペーパーで包むか紙袋に入れます。
- 冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。
干し柿に発生するカビは気温や湿度が大きく関係しています。
常温保存だとその日の天気や気温に左右されますが、冷蔵庫だと温度や湿度が食品が傷まないように設定されています。
注意点はビーニール袋に直接入れて保存すると柿から水分が出てきてカビが生えやすくなるのでやめましょう。保存期間の目安は1週間程度です。
冷凍保存
- 干し柿をラップで一つ一つ包みます。
- 冷凍専用の保存容器や冷凍専用の保存袋に入れて保存しましょう。
保存期間はかなり長く、半年~1年が目安です。食べるときは5時間から6時間かけて自然解凍をすることができます。
まとめ
- 干し柿に生えるカビを見分ける方法はカビの色や色の広がり方、臭いで判別することができる。
- 干し柿に生えるカビは「青カビ」「黒カビ」「白カビ」の3つ。
- カビに似ているが、黒色に変色するタンニンや柿の表面全体が白色になる柿霜はカビではない。
- 干し柿に発生するカビは種類によっては取り除くこともできるが食中毒の心配もあるので食べない方が安全。
- 干し柿を干す前に熱湯に入れると殺菌効果が期待できる。
- 干し柿をカビから守るためには定期的なアルコール消毒や雨の日は涼しい室内に入れるなどの工夫が必要。
- 干し柿は常温保存、冷蔵保存、冷凍保存ができる。
今回は干し柿にカビが発生した場合の見分け方を解説してきました。
日本で昔から愛されている干し柿ですが甘くて美味しいからこそカビが発生しやすく、干し柿を作る際にもカビ対策が必要なことが分かりました。
干し柿を食べる際には解説した保存方法もぜひ参考にしてくださいね♪
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