引っ越しにおすすめな時期っていつなのかご存知ですか?
実は引っ越しにおすすめな時期は引っ越しの理由や引っ越しをする人の状況によって変わります。
適切なタイミングや時期がわからないままだと、無駄な労力を費やしてしまったり、納得の物件に出会えず妥協して契約…なんてことになりかねません。
この記事では下記の内容を解説しています!ぜひ参考にしてください!
- 引っ越し理由別 物件探しにおすすめなタイミング
- 優良物件に出会うためのポイント
- 安くお得に引っ越し出来る時期
賃貸不動産仲介営業歴10年、現役宅建士の私が裏話や経験談も交えてリアルにお話していきます!
引っ越しにおすすめの時期っていつ?
引っ越しにおすすめの時期は、引越しの理由や事情によって変わります。
不動産業界の1年は引っ越しをする人が多くなる繁忙期と、逆に引っ越しをする人の少なくなる閑散期に分かれます。
それぞれにメリットとデメリットがあるので、自分にとってはどちらが良いのか考えてみましょう!
優良物件が多い繁忙期は春と秋!
不動産業界で「繁忙期」と言われる、探す人の数も流通する物件の数も両方が増える時期は年に2回あります。
【春の大繁忙期】1月〜4月:新生活に向けて物件探しをする人が増える
【秋のプチ繁忙期】9月〜10月:転勤に合わせて引っ越しが増える
1月〜4月頃は年間で1番引っ越しや物件探しが多い時期です。
就職・進学なで新生活を始める人はもちろん、この時期に人事異動を行う会社も多いので転勤に伴うファミリーや単身赴任の引越しも増えます。
それに伴い今住んでいる物件から退去をする人も増えるので空室の数が増えるというわけです。
さらに新築物件が建築されて入居者の募集を始めるのもこの時期が年間で最も多いです。
お客さんが増える時期に向けて売り物を仕入れているわけですね!
9月〜10月の秋は転勤シーズンと言われます。
人事異動に伴う転勤は年度初めに行われる事が多く、日本の企業では3月・9月・12月を決算月としている企業が多いです。
決算月の翌月=4月・10月・1月が新年度にあたる企業が多くなるので転勤による引っ越しはこの時期に増える傾向があります。
現場の声としては秋はプチ繁忙期といった感覚です!
繁忙期のメリットはズバリ物件数の多さと質の高さ!
繁忙期は空室も新築も増えて、選べる物件数が年間で最も多いのが最大のメリットです。
さらに、他の物件よりも条件の良い優良物件が空く確率が最も高い時期です。
これには単純な数の問題だけではなく、きちんと理由があります。
優良物件というのは、みんなが欲しい条件が揃っている物件で、なおかつ相場よりも家賃の安い物件です。
- 築年数が浅く、最新設備が整っている
- 類似条件の他の物件よりも広くて日当たりが良い
- 駅やスーパーが近いなど周辺環境が便利
「良い条件」とは人によって違うので、あくまで例ですが上記のような条件が揃っていて相場よりも家賃が低いとなればみんなが住みたい好条件です。
実際にこのような物件は、ネットに掲載した時点で問合せの嵐。内覧する前から「もうここに決めたいんですけど!」なんて電話も来ます。
なんなら店頭で紹介すると高確率で即決になるので、ネットに掲載すらしないときもあります!
このような優良物件に住んだ人は、住替えを検討しても「今より良い条件」の物件が見つからないことが多いので長く住む人が多くなり、なかなか退去しません。
ですが繁忙期には転勤や就職など、自分の意思に関係なく退去する人が増えます。どんなに良い物件でも、引っ越しをしなくてはいけないので泣く泣く手放すのです。
このような背景から、繁忙期には普段お目にかかれないお宝物件がゴロゴロ出てきます!
つねに理想の物件を探して年中部屋探しをしているような人も居ますが、そういった場合は春の繁忙期に注力するのがおすすめですね!
繁忙期のデメリットは忙しなさと費用面
一見繁忙期に物件探しをするのが良さそうな感じですが、本当にそうでしょうか?
繁忙期の物件探しは良いことばかりではありません。具体的には下記のようなデメリットがあります。
- のんびりじっくり考えていると他の人に取られる
- 不動産会社が忙し過ぎて対応が簡素なときがある
- 優良物件や新築物件は内覧できないことが多い
- 全体的に費用が高くなる場合が多い
それぞれ解説していきますね!
のんびりじっくり考えていると他の人に取られる
繁忙期は物件数も多いですが、探している人の数もとても多いです。そのため、ゆっくり考えていると良い条件の物件からどんどん他の人が契約していきます。
内覧中に他の業者さんとお客様が入って来てバッティング!お店戻った頃にはもう申込されていた…。こんなのが繁忙期だと本当にあります。
解決策としては、担当営業マンへ相談して物件を仮押さえしてもらいましょう。
仮押さえは出来る物件と出来ない物件があるうえ、出来ても2〜3日が限界であることが多いです。
そのため完璧な対策とはいえませんが、相談するだけならタダなのでどんどん聞いてみましょう!
不動産会社が忙し過ぎて対応が簡素なときがある
繁忙期はお客様の数が増えるため、不動産会社も忙しくなります。本来なら1組のお客様にたっぷり時間を割いて対応したいところですが、繁忙期はそうもいきません。
そのため、積極的に問合せや予約をしてくださるお客様の対応に精一杯なので、待ちの姿勢だと優先的に情報を貰えないかもしれません。
解決策としては、こちらから積極的に不動産会社へ問い合わせや相談をして、自分が見込み客であることをアピールしましょう。
忙しいからといって、営業マンからのプラスαのアプローチが減るだけであって、こちらから問合せや相談をするとちゃんと対応してくれますよ!
優良物件や新築物件は内覧できないことが多い
上記「繁忙期のメリット」でも解説したような優良物件は、早いもの勝ちでかなりの激戦になります。新築物件に関しても、「新築」という条件だけで人気物件となります。
新築物件の場合、建築中から入居者の募集を開始する場合が殆どです。新築以外の物件も、基本的には今住んでいる入居者さんが退去予告をしたらすぐに募集を開始します。
そのため、募集が始まった最初の頃は「建築中」または「入居中」なので実際のお部屋を内覧することが出来ません。
しかし競争率の高い人気物件は、内覧をせずに条件だけで決めてしまう人というのが必ず現れます。
ネットが普及してお部屋の室内写真がより具体的に確認できるようになったので、内覧せずに決める人は年々増えている印象です。
ある程度競争率の多い地域や時期は人気物件は退去を待って決めるのは不可能、条件の良い新築は完成時にはもう満室です。
解決策としては、類似物件の内覧は出来ないか?と担当営業マンへ相談してみましょう。
大抵の物件が、同じ施工会社によって建てられた同シリーズの物件が存在しています。または目的の物件と同じ建物内の他のお部屋が内覧できる状態の可能性があります。
内装や雰囲気はかなり具体的にイメージが出来るのでおすすめです。
日当たりや周辺環境は、実際の物件を見に行きましょう。
お部屋の中へ入れないだけで、建物を外から眺めて窓の位置などを確認するだけでも得られる情報やイメージは案外多いです。
全体的に費用が高くなる場合が多い
繁忙期に引っ越しをすると、閑散期に比べて費用が高額になる可能性が高いです。
値引きをしなくても引っ越しをする人がたくさんいる時期なので、大家さんも不動産会社も引越し業者も強気になります。
解決策としては、事前にどのくらいの費用がかかるのか下調べをして備えておくこと。または少しでも引越し業者の安い時期を選ぶことです。
お部屋の契約金はあまり大きく変えられませんが、引越し業者は工夫次第でかなり費用を削れます。
4月から入居する場合、3月末頃に引越し業者を利用したい人も多いはず!でも、みんながそうだからその時期は高いのです。
家賃を1ヶ月分多く支払ってでも、早めにお部屋を契約して1月や2月に先に引越し作業をしてしまうほうが、総額お得な場合もあります…!
他にも、人気のない夜の時間帯に引っ越しをするとか、土日ではなく平日にする、時間指定をせずに引っ越し業者の都合に合わせるなどで割安になることもあります。
実は狙い目!閑散期は夏と冬
夏と冬は物件探しをする人が減り、閑散期と呼ばれる時期になります。
5月〜8月:ライバルが少ないのでじっくり探せるチャンス
11月〜12月:春に向けて物件数は増え始めるが、引っ越しは少ない
物件もだいたいは繁忙期の間に埋まってしまうので、繁忙期に比べて流通する数が少なくなります。そんな閑散期ですが、実はメリットもたくさんあります。
閑散期のメリットはズバリ費用の安さ!
閑散期に入ると大家さんは空室対策の為に入居費用の値引きやキャンペーンを始めることがあります。引っ越し業者の利用料も繁忙期と比べると桁違いに安くなります。
キャンペーンの内容はその時の状況や地域柄によっても内容は変わりますが、具体例をいくつかあげると
- 初回保証料オーナー負担(通常だと家賃の0.5ヶ月〜1ヶ月分の額)
- 火災保険料のみで入居可能(契約金が約20,000円の火災保険料だけになる!)
- フリーレント1ヶ月(たまに2ヶ月、3ヶ月のキャンペーンも見かけます…!)
閑散期にはこのようなキャンペーンを行う物件が増えます。さらに、繁忙期に比べて家賃交渉も通りやすくなります!
閑散期は少ないお客様を取り合いをするような感じになります。なのでいろいろな形で付加価値を付けてアピールします!お金はその手段の1つ!
ちなみに、大家さんの性格や考え方にもよりますが、家賃交渉よりも初期費用の交渉のほうが通りやすい場合が多かったりします。
なぜかというと、家賃を下げてしまうと建物自体の資産価値が下がるからです。
アパートやマンションを所有する大家さんは、この建物がいくらの価値を産み出すかという考えで経営をしているので、目先の数万円値引きよりも毎月入ってくる金額のほうが気になるんですね。
キャンペーンを行っていなくても交渉可能な場合もあります!担当営業マンと相談して無理のない範囲で大家さんへ交渉してもらいましょう!
閑散期のデメリットは物件数の少なさ
閑散期は、繁忙期に比べると物件の数が比較的少ないです。
また、上記「繁忙期のメリット」解説したように「転勤など事情があってやむを得ない引っ越しをする人」というよりは「じっくり考えて住替え」をする人が増える印象です。
そのため、お宝物件が空く確率は繁忙期に比べると低くなります。
どんな理由や事情でお部屋の空きが出るかはケースバイケースなので、あくまで確率です。
引越し理由別!おすすめのタイミングとポイントを解説!
ここまでで、繁忙期と閑散期のイメージがなんとなくできたのではないかと思います。
それではいざ「この時期に物件探しを始めよう!」「◯月までには引っ越しを完了したい!」と決まったところでいつから行動に移すのが良いでしょう?
基本的な目安は引越し日の1ヶ月〜2ヶ月前くらいになります。
しかし、引っ越しの理由や状況によってはおすすめのタイミングが変わることもあります。
通常のタイミングと変わる場合の具体例を解説していきます!
春から新生活が始まる学生さんの場合
就職や進学をきっかけにひとり暮らしを始める新社会人さんや学生さんは2ヶ月前とは言わず早めのタイミングで3ヶ月前4ヶ月前から情報収集をするのがおすすめです。
理由は例年12月や早ければ11月頃から、学生さん・新社会人さんだけの特別なキャンペーンを行う「スライド物件」の募集が始まるからです。
春から新生活の場合、期限までに物件を決定しなくてはいけないのでギリギリスタートだと心の余裕がなくなります。余裕がないと焦りも出て判断力も鈍ります。
気に入った物件が見つからずに、お店で泣いちゃう学生さんが居たり、親子喧嘩が始まってしまうなんて状況も毎年恒例です。
そんなことにならないように、余裕を持って物件探しを始めるようにしましょう!
物件を決定する時に心から「気に入った!」と思えたお部屋で入居中に不具合があっても、多少ならば「それでもここが好き!」という気持ちで過ごせます。
しかし妥協して決めたお部屋で何か少しでも嫌なことがあると「やっぱりここにしなければよかった。」とマイナス化感情は大きくなるものです。
「妥協して決めた部屋に不満がいっぱいで、もう引っ越したい…。」といった相談も毎年何人かはいらっしゃいます。
転勤で引越しをする場合
転勤でお引越しの場合は会社にもよりますが、正式な内示が出るのは赴任するかなりギリギリのタイミングであることが多い印象です。
そのため、内示が出る前だと安易に契約はできない...
でもどんどん目星を付けた物件が無くなっていく...
そんな状況でタイミングが難しく、やきもきする人も多いです。
解決策としては、内示が確定する前でも早めに物件の目星を付けて、仮押さえしてもらえないか担当営業マンへ相談しましょう。
大手企業の転勤で法人契約だと、大家さんからすると優良客なので特別に仮押さえをしてくれることがあります。
肌感としては5日〜10日くらいだと仮押さえの相談に乗ってもらえることが多い感じがします。
期限の決まっていない住替えの場合
期限の決まっていない住み替えの場合は、引っ越しをしたい時期の1ヶ月〜2ヶ月前に探し始めましょう。
気に入った物件を見つけてから、その物件へ3ヶ月4ヶ月後に入居したいとお願いしても断られることが多いです。
希望の物件がなかなか見つからない場合、一度来店した不動産会社へ定期的に「私に良さそうな物件の新着はでていませんか?」と問合せをするのがおすすめです。
一度来店した時に対応してくれた営業マンだと、お客様ごとに条件を控えているので再度伝えなくてもすぐに探してくれることが多いですよ。
引っ越しにおすすめな不動産会社と業者の選び方!費用に違いはあるの?
どんな時期にお引越しをするとしても、なるべく引っ越しにかかる費用は安く済ませたいですよね。
物件探しをしてくれる不動産会社、荷物を運んでくれる引っ越し業者、それぞれたくさんの会社があって、迷ってしまいます。
不動産会社と引っ越し業者、それぞれ会社ごとに費用の差はあるのでしょうか?おすすめの選び方を解説していきます!
不動産会社の選び方!基本的にはどの会社も同じ⁉
物件を募集をしている会社はたくさんあります。大手だとアパマンショップや、エイブル、ミニミニとかですね。
その他にも地域密着の全国展開していないけれど地元では有名な不動産会社や個人で経営している街の不動産屋さんもあります。
地域柄によって違いがあるので一概にはいえませんが、個人経営の街の不動産会社以外はその地域の全物件を取り扱いできる可能性が高いです。
つまり、その地域のアパマンショップもエイブルも紹介できる物件は基本的に同じです。
大家さん(管理会社の場合も)が幅広く募集を行う為に全仲介業者へ同じ情報を渡して、募集を依頼しているからです。
大家さんと仲の良い会社が、その会社だけで専任募集というのを稀に行いますが、そんなに数は多くないです。
そうなると違いは何なのかと言うと、下記の3つです。
- 担当営業マンとの相性
- 仲介手数料の額
- 会社ごとのキャンペーンやサービス
新人営業マンよりもベテランさんのほうが物件知識が豊富なので良い物件を紹介してくれて、上手に交渉をしてくれることが多いです。
大家さんも「この会社からの申込だから交渉に乗ろう。」よりも「〇〇さんが言うなら良いよ。」といった感じに営業マン個人と関係が深い場合が多いです。
このあたりは会社の違いではなく、担当者個人の人柄や営業テクニックによる部分が大きいです。
いくつかの会社に問合せをして「この人仕事できそう…!とか信用できそう…!」と直感的に印象の良かった人にお願いすると当たりが多いかもしれません。
契約の費用に関しては、どの会社を選んでも「仲介手数料」以外の費用に差は出来ません。
「敷金」や「火災保険料」などは大家さんに払うお金なので、どの会社を通しても同じ項目、同じ金額を請求されます。
会社ごとのキャンペーンはちょっとしたプレゼントや抽選で何か当たるなど、おまけのようなもの。1番重要なのは営業マンとの相性だと思います…!
同じ市内で2回目の引っ越しをする時は、前回と同じ会社にお願いするとリピーター割引など設けている事が多いので安くなる可能性がありますよ!
引越し業者の選び方!引越し業者は複数見積がおすすめ
引っ越し業者を選ぶ際は、特にこだわりがなければ複数見積がおすすめです。
それぞれの引っ越し業者特有のサービスなどもあるので、もし気になるようなら先に確認をして目星をつけましょう。
例えばアート引越センターならダンボール以外にも靴や食器をそのまま運べる専用ボックスがあったりします。
引っ越し業者の場合は交渉次第で引越し費用が下がる幅も大きいです。
いくつか見積もりを取った上で本命の会社に交渉してみるのがおすすめです。
「他社ではこの金額だったのですが、本当は御社にお願いしたいです。この金額でなんとかお願いできませんか?」と相談するとOKもらえる確率も高いですよ!
ポイントは【具体的な金額を提示すること】と【金額で迷ってはいるけど、本当はあなたの会社が良いんです!お願いします!】といったニュアンスで伝えることです。
「安ければ安いほどいい」とか「どこでも良いから安いとこに決めたい」とかは担当者によっては気分を害してしまう地雷ワードです。
伝え方を間違えると「そんな事言うなら他でやってください」とあちらから断られてしまうリスクがあります。
まとめ
- おすすめな時期は引っ越しの理由や引っ越しをする人の状況によって変わる。
- 引越し時期は春夏秋冬それぞれに特性があるのでどの時期が自分にあっているか検討する。
- 物件数を重視するなら繁忙期の春か秋おすすめ。
- 費用を重視するなら閑散期の夏か冬がおすすめ。
- 新入学生さんと新社会人さんはスライドキャンペーンで余裕を持って引っ越しできる可能性がある。
- 転勤で引っ越しをする際は、タイミングについて担当者と事前に相談すると良い。
- 不動産会社は基本的には違いがないので、フィーリングの合うところにお願いするのが良い。
- 引っ越し業者は見積金額に差が出る事が多いので、複数見積がおすすめ。
引っ越しにおすすめの時期は人によって変わることがわかりました。
今回お伝えした内容はあくまで目安なので、お住まいの地域の特性や相場によっては変わる可能性があります。
不動産会社への相談は、物件探しを始めてからでなくてはいけないという決まりはありません。
どう探していくのがおすすめか、お住まいの地域の不動産会社へまずは相談だけして検討するのもおすすめです!ぜひ参考にしてください!
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