YouTubeって著作権あるの?誰でも使えるクリエイティブコモンズとは?

Youtube

たくさんの動画が楽しめるYouTube。エンタメ動画の鑑賞や、最近だと勉強用に講義動画や、子供向けのアニメーションなども豊富に揃っていて利用する機会が多いですよね。

そんなYouTubeですが、動画をダウンロードして自身の創作活動などに利用できるのはご存知ですか?

しかし、どの動画も全て勝手に利用できるわけではありません。

クリエイティブコモンズというライセンスで許可された動画だけ使用できます。

クリエイティブコモンズを理解するとこんなことができるようになります!

  • YouTube動画を自身の創作活動で使用できる
  • 著作権侵害のリスクを減らせる
  • クリエイティブコモンズを利用して自分の創作物を広めることができる

YouTubeのクリエイティブコモンズとは

クリエイティブコモンズ(Creative Commons)とは、著作権に関するライセンスの一種です。CCライセンスと呼ばれたりもします。

著作権を持つ人(オリジナルの動画を公開した投稿者)が他の人が自由に作品を利用したり共有や改変することを許可する場合に利用されます。

つまり、動画の投稿者が「この条件を守れば私の作品を自由に使ってもいいですよ!」と意思表示するためのシステムです。

インターネット上の作品は基本的に著作権法によって保護されているので、勝手に利用したり転用することは出来ません。

しかし、インターネット上に作品を公開することで投稿者本人が「自分の作品をもっと流通させたい!」と思っている場合、自分だけで普及するのには限界があり手間もかかります。

著作権を放棄して自分の作品を他の人にも使用してもらうことは拡散される機会を増やして、注目を浴びるきっかけになるというわけです。

YouTubeにも、クリエイティブコモンズライセンスによって利用を許可された動画があります。

身近なYouTubeから動画をダウンロードできると便利ですね!

クリエイティブコモンズライセンス

クリエイティブコモンズのライセンスは全部で4種類あります。

この4種類を組合せて全6パターンのライセンスを定めることができます。

4種類のライセンス

引用:クリエイティブコモンズ ジャパン
  1. 表示(BY):著作者名・出典元などの著作物に関するクレジットの明記が必須。
  2. 非営利(NY):著作物を収益などの営利目的での使用が不可。
  3. 改変禁止(ND):改変せず、そのままの状態であれば著作物の使用が可能。
  4. 継承(SA):改変可能だが、改変後の著作物を流通する場合には元のライセンス付与が必須。

著作権を完全放棄するCC0とパブリックドメイン

上記4種類のライセンスは著作権の一部を放棄するための表示ですが、一部だけではなく全ての著作権を放棄することを意味する「CC0」というライセンスもあります。

著作権の保護期間は基本的には著作物が創作された日から著作者の死後70年です。

著作権が相続等されずに70年が経つと著作権は消滅して「パブリックドメイン」と言われる著作権が発生していない誰でも利用できる状態になります。

6パターンの組合せ

6パターンすべて「表示(BY)」との組合せなので、著作者名・出典元などの著作物に関するクレジットの明記が必須となります。

YouTube動画は基本的に下記で説明する「1.表示(CC BY)」ライセンスとなります。

  1. 表示:著作者名・出典元などの著作物に関するクレジットの明記が必須。改変や営利目的での使用が許可されるので最も自由度が高い。
  2. 表示・継承:著作者名・出典元などの著作物に関するクレジットの明記が必須。改変した場合は元のライセンスと同じ「表示・継承」で公開することを主な条件に、営利目的での二次利用も許可される。
  3. 表示・改変禁止:著作者名・出典元などの著作物に関するクレジットの明記が必須。元の作品の改変はできないが営利目的での利用が許可される。
  4. 表示・非営利:著作者名・出典元などの著作物に関するクレジットの明記が必須。非営利目的であることを主な条件に、改変・再配布が許可される。
  5. 表示・非営利・継承:著作者名・出典元などの著作物に関するクレジットの明記が必須。非営利目的の場合のみ使用可能。
    改変を行った際は元ライセンスと同じ「表示・非営利・継承」で公開することを主な条件に、改変・再配布が許可される。
  6. 表示・非営利・改変禁止:著作者名・出典元などの著作物に関するクレジットの明記が必須。非営利目的の場合のみ使用可能。元の作品を改変しないことを主な条件に、作品の再配布が許可される。

引用との違いは?

他人の著作物を自分の作品上でに使用・参照するといえば「引用する」という方法があります。では引用とクリエイティブコモンズの違いはなんでしょうか?

著作権法では、引用について下記の注意事項を定めています。

(注5)引用における注意事項

他人の著作物を自分の著作物の中に取り込む場合,すなわち引用を行う場合,一般的には,以下の事項に注意しなければなりません。

(1)他人の著作物を引用する必然性があること。
(2)かぎ括弧をつけるなど,自分の著作物と引用部分とが区別されていること。
(3)自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確であること(自分の著作物が主体)。 (4)出所の明示がなされていること。(第48条)

引用:文化庁

引用は自分の作品の補足として使うといったイメージですね。

クリエイティブコモンズはルールに従うことで、他人の作品を補足ではなくメインで利用することも可能なので、引用よりも自由度が高くなります!

YouTubeのクリエイティブコモンズ動画のメリットは?

クリエイティブコモンズコモンズを利用する上で利用する側と発信する側、双方のメリットを確認してみましょう!

利用する側のメリット① 著作権侵害のリスクを減らせる

YouTubeに投稿された動画を使用する際に、クリエイティブコモンズ動画を選ぶことで、著作権侵害のリスクを減らすことができます。

クリエイティブコモンズライセンスが設定されている作品であれば、ルールを守って使用することで著作権法に違反するものではなくなります。

胸を張って利用することができますね!

YouTube動画はクリエイティブコモンズのライセンスが付与されたもの以外は著作権法にて保護されています。

勝手に利用・改変・再配布を行うと著作権法に違反するので気をつけましょう。

利用する側のメリット② 無料で高品質な動画を利用できる

YouTubeに投稿されているクリエイティブコモンズ動画は、一般的なフリー素材などよりも高品質なものが多いです。

通常だと有料級の作品を自分の創作物へ使用する事ができるので、作品の質が向上します。

発信する側のメリット① 自身の創作物を広める手段になる

クリエイティブコモンズのライセンスを利用して著作権の一部を放棄することで、自分(製作者)以外の人が動画を使用することが出来るようになります。

その結果、きちんと著作権者のクレジットが入っている状態で作品が拡散されることになるので、ある意味での宣伝としての効果が期待できます。

YouTubeのクリエイティブコモンズ動画のデメリットは?

YouTubeのクリエイティブコモンズ動画を利用・投稿する際にはメリットだけではなく、もちろんデメリットもあります。

誤った認識のまま利用すると、著作権法違反になってしまう場合もあるのできちんと確認しておきましょう!

利用する側のデメリット① 完全フリーではなく制限はある

クリエイティブコモンズのライセンスに従って使用する必要があるため、ライセンスによっては編集や改変が制限される場合があります。

ライセンスの種類と内容を理解して、自分の用途にあった動画を探すようにしましょう。

YouTubeに投稿されているクリエイティブコモンズ動画は基本的に全て「表示(CC BY)」です。

利用する側のデメリット② 誰でも利用できるので独自性が薄くなる

クリエイティブコモンズ動画は誰でも使用できるため、他の人が同じ動画を使用している場合があります。

YouTubeのクリエイティブコモンズ動画を使用する場合は、他の工夫を凝らしたり内容をオリジナリティの強いものにするなど工夫をしなければ、印象の薄い作品になってしまう可能性があります。

発信する側のデメリット① 一度設定すると変更できない

クリエイティブコモンズのライセンスは、一度設定すると他のライセンスに変更したり、単順に外したりといったことが出来ません。

比較的自由度の高い「表示」で公開してから、いざ転載された動画の使い方などをみてから思っていたのと違う…となっても取り返しがつかないのは覚えておきましょう。

発信する側のデメリット② 非営利・改変禁止の判断基準が曖昧

クリエイティブコモンズでは営利目的の使用を禁止する非営利と作品の編集などを禁止する改変禁止がありますが、どちらも明確に定義されておらず曖昧です。

そのため、利用する側が「お金儲けのつもりじゃなかった」とか「これなら編集のうちに入らないだろ!」と著作権者の認識とは違った価値観で使用してしまうこともあります。

万が一、ライセンスの条件に違反した形で利用されてしまったらまずはこちらを確認しましょう。

YouTubeでのクリエイティブコモンズ動画の探し方は?

YouTubeでクリエイティブコモンズの動画の探し方は2通りあります。

検索したあとフィルタリングをかける

検索バーにキーワードを入力し、検索結果ページでフィルタリングオプションを使います。

フィルタリングオプションの中で、使用許可の種類を「クリエイティブコモンズ」に設定すると、クリエイティブコモンズのライセンスを持つ動画だけが表示されます。

フィルタリングを設定するだけの探し方だと失敗がなくて安心♪

検索バーに直接入力する

検索バーにキーワードを入力する際、末尾に【,creativecommons】と入力します。これで検索結果にはクリエイティブコモンズの動画が検出されます。

この探し方で利用する際は念の為、クリエイティブコモンズ動画なのか再度確認しましょう。

YouTubeの場合は動画の概要欄の下「ライセンス クリエイティブ・コモンズ著作権表示必須ライセンス(再利用を許可する)」という表記があるとクリエイティブコモンズ動画で間違いないです。

YouTube以外のサイトもある

クリエイティブコモンズライセンスで許可された動画や画像はYouTube以外のサイトでもダウンロードできます。

まとめサイトなども複数ありますが、ここでは公式サイトでも紹介されているopenverseというサイトをご紹介します。

YouTubeだと「表示(CC BY)」の動画が基本となっていますが、こちらのサイトではCC0を含む全7種類のライセンスで許可された動画や画像を検索できます。

YouTubeのクリエイティブコモンズ動画の使い方は?

ここまでで「クリエイティブコモンズとはどんなものなのか?」がなんとなくイメージできたと思います。

では、実際に自分が使用するとしたらどのような手順で使うと間違いないのか使い方を確認してみましょう!

STEP① クリエイティブコモンズのライセンスを確認する

YouTubeに投稿されているクリエイティブコモンズ動画は基本的に全て「表示(CC BY)」です。

YouTube以外のサイトから動画や画像をダウンロードする場合は、先に利用目的を明確にしてから、どのライセンスの動画が当てはまるか確認して選びましょう。

動画の編集や改変をしたい場合は、下記の4つから選ぶことになります。

  1. 表示
  2. 表示・継承
  3. 表示・非営利
  4. 表示・非営利・継承

動画の編集や改変をしてさらに営利目的で使用する場合は下記の2つのどちらかです。

  1. 表示
  2. 表示・継承

動画の編集や改変をして営利目的で使用、自分の動画は他の人に使われたくない場合は、表示のみしか使えません。

自分がどのような使い方をしたいのかによって利用できる動画も変わるので、先にどのライセンスの動画が自分にとって使いやすいのか、ライセンスの詳細を確認しましょう。

STEP② 動画をダウンロードする

YouTubeで動画をダウンロードするには、YouTubeの有料プランであるYouTube Premiumへ加入する必要があります。

その他のダウンロード方法は、YouTubeの規約違反になる可能性が高いので注意しましょう。

STEP③ 使用する時はライセンスを明記する

YouTubeのクリエイティブコモンズを使用する場合、使用した自分の作品には著作者名・出典元などの著作物に関するクレジットの明記が必須です。

具体的には下記の項目を分かる範囲で明記します。

  1. 著作権表示©
  2. 著作者名
  3. 公表年
  4. 作品のタイトル
  5. 指定されたURL
  6. 改変された作品の場合は原著作物の利用を示すクレジット

明記する方法は「合理的であればどんな方法でも行うことができる」とされています。

また、タイトルなどについては「タイトルが示されている場合は、そのタイトルを表示」とされています。

したがって、元の作品に表示されていない項目については必ずしもすべて揃わなくても大丈夫です。

詳細は一度クリエイティブコモンズの公式サイトで使い方を確認してから投稿するようにしましょう。

クリエイティブコモンズライセンスの設定方法

YouTubeへ自分の動画をアップロードする際に、クリエイティブコモンズのライセンスを設定することもできます。

動画をアップロードする際に「所有するライセンスと権利」の項目で「クリエイティブコモンズ」を選択するだけでOKなので簡単です♪

「所有するライセンスと権利」の項目は「標準のYouTubeライセンス」と「クリエイティブコモンズ」の2つから選べるようになっています。

「クリエイティブコモンズ」を選択するとアップロードした動画には「表示(CCBY)」のライセンスが設定されます。

YouTube以外のサイトへ動画や音声、画像などをクリエイティブコモンズライセンスを付与して発信したい場合はライセンスのURLを取得して設置します。

ライセンスの設定は簡単で、クリエイティブコモンズの公式サイトからURLを取得することができます。

まとめ

  • クリエイティブコモンズ動画はルールを守れば自分の創作に使用しても良い
  • クリエイティブコモンズのライセンスは全部で4種類、6パターンの組み合わせがある
  • 引用を使うよりも自由度が高い
  • 利用する側と発信する側、それぞれにメリットとデメリットがある
  • YouTubeでクリエイティブコモンズの動画を探すにはフィルタリング機能を使うと簡単
  • クリエイティブコモンズで許可された動画や画像を使う際は、ライセンスの詳細を先に確認したほうが良い
  • YouTube動画をダウンロードするにはYouTube Premiumへ加入する必要がある
  • 許可された動画を使用する際はクレジットの明記が必要
  • YouTubeでは動画を投稿する際に標準ライセンスかクリエイティブコモンズライセンスか選べる

著作権やクリエイティブコモンズの概念は少し難しいところもあるかと思いますが、正しく理解することで安心して素材を利用し、自分の創作物の品質向上に繋がります。

イラストや写真のスライドショーを作成するための背景動画やBGMに使ったり、自分が演奏したピアノやギターの音源に合わせて動画を流したり。

最近は一般の家庭でも動画編集をして家族の思い出を楽しむ人も多いのだとか

他にもいろいろなシーンで活用できますよ。ぜひ参考にしてください!

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