スーツの寿命はいつまで?見極め方法と正しいお手入れの仕方とは

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ここ数年の間に働き方も多様化して在宅ワークの方も増えた印象がありますが、まだまだビジネスシーンではスーツが必要不可欠ですよね。

私は社会人になってからずっとサービス業だったため、日常的にスーツを着る機会は少なかったですが、たまに着る機会があると何だか背筋が正されるような気がして好きでした。

毎日スーツを着る方は何着も持っていたりするかと思いますが、一着一着が比較的高価なものでもあるのでなかなか頻繁に買い替えることも難しいかもしれません。

そもそも一着のスーツをどのくらい着るのが通常なのかスーツの寿命ってどんなところで見極めればよいのか、気になりませんか?

今回はその見極め方と寿命を縮めない正しいお手入れ方法までご紹介していきます。

スーツの寿命を見極める方法

今のスーツ、いつ頃買ったものだったかな?

細目にクリーニングに出しているしまだまだ着られると思うけど…

一般的にスーツの寿命は、夏用スーツで3~4年・冬用スーツで4~5年と言われています。

ただしもちろん使用頻度や素材、お手入れの状況などで持ちは変化しますから、早いもので半年ほどだったり、長いものでは10年ほどだったりします。

ではどんな点を見て買い替えを検討すればよいのでしょうか。大きく分けて以下の4点をチェックしてみてください。

⒈ 生地にテカリが出ていないか
⒉ シワが伸びにくくなっていないか
⒊ 肘や膝の型崩れがないか
⒋ デザインやサイズが合っているか

①生地にテカリが出ていないか

スーツの生地にテカリが出るということは摩擦によって繊維が潰れているということです。例えば座るときに摩擦するお尻の部分や、歩くときに摩擦する内腿辺りなどです。

長く着用しているとこのテカリは避けられないことですが、軽いものであればブラッシングをしたりスチームアイロンをかけたりすることで治ります。

それでもテカリが取れない場合は、完全に繊維が潰れてしまっているので買い替えを検討するべきでしょう。

②シワが伸びにくくなっていないか

スーツは日常着と違って伸縮性が少ないため、1日中着ていると色々なところにシワがよりますよね。

通常ウール製のスーツなどは復元性があるため、脱いだ後ハンガーにかけておけばある程度のシワは伸びて直ります。

これが朝になってもあまりシワが取れていなくて、そのまま着用しなければいけない頻度が高くなってくると買い替えのサインです。

特に夏用スーツは薄いからかシワが取れにくい気がするわ。

またスーツの素材によってもシワのでかたはかなり変わってきます。

  • 綿・麻・シルク等の天然素材…かなりシワができやすい
  • ウール…シワになりにくい
  • ポリエステル…シワになりにくく強度も高い

最近ではウールにポリエステルを混合して作ったものを “シワになりにくいスーツ” として販売しているのも多く見かけるようになってきました。

また強撚糸(きょうねんし)という通常より強い糸を使っているスーツは、ウール100%でもシワになりにくいとして販売されていたりもします。

購入の際にこれを知っているとお手入れも楽になりますね。

③肘や膝の型崩れがないか

肘や膝は着ているときに圧がかかりやすい部分なので、型崩れが起こりやすいです。

これもシワと同様に素材によっても差が出てきますが、やはり一晩ハンガーにかけておいても型崩れが取れない場合伸びてしまった繊維は修復ができないので、買い替えを検討するほうが良さそうです。

④デザインやサイズが合っているか

スタンダードに見えるスーツにもデザインの流行があります。色やデザインだけでなく着丈・肩パッド・袖回り・裾の形状・ボタンの数などなかなか奥が深いです。

引用 Global Style

毎年流行にのる必要はありませんが、あまりに古臭いデザインだと見ている側が違和感を感じることもあるでしょう。

過去を見ても大まかにスーツの流行も5年ほどで変化していくので、ちょうどスーツの消耗が気になってくる時期と同じかもしれませんね。

また体形が変化するとフィット感も変わってきたりします。多少のサイズ変更はお直しがききますが、大きなサイズ変更は難しいため、買い換えたほうがいいです。

スーツの寿命は着た回数によるのか?

普段は在宅ワークだからスーツを着る回数はそんなに多くないし、まだまだいけるよ!

もちろん同じスーツを毎日着続けた場合と、週に1~2回着る場合では消耗の仕方は変わってきます。できれば1日たスーツは3日ほど休ませてから着るのが理想的です。

毎日スーツで出勤する方の場合は、シーズンごとに少なくとも3着ほどはスーツを持っておくと安心ですね。

ただし例え半年に1回の着用回数であったとしても、先述の通りサイズ感やデザインが合っているかという点は確認してから着用することをおすすめします。

スペアパンツを購入しておく

スーツセットを数着持っておくことで、一着に対する負担は少なくなりますから消耗は少なくなります。

ただ、中には新社会人で最初からそんなに何着も買えないという方もいらっしゃると思います。

スーツは上下セットで着ていても消耗が激しいのはパンツ側であることがほとんどです。

購入の際にスペアパンツがセットになっているスーツをツーパンツスーツといいますが、これを選ぶことでスーツの寿命を延ばすことができるのでおすすめです。

またオーダースーツの場合だったら、2本目のパンツのデザインを少し変えたものにしておくと、着るときに気分を変えられたり用途を分けられるので良いですよ。

例えば股上を浅めと深めにしたり、タックの有無を変えたりなどといったことです。ただし以下の注意点も確認しておきましょう。

・上下のクリーニングの回数を合わせないと色の変化が出てしまう
・あとからスペアパンツを購入することは難しいので購入時に伝えよう
・座り仕事がメインであったり、着用回数が少ない方はパンツの消耗も少ないため向かない

スーツの寿命を10年まで延ばす!?正しいお手入れの仕方

せっかく購入したスーツですから、できればきれいな状態で長く着用したいですよね。

スーツの持ちは日常のお手入れの仕方でかなり変わってきます。もちろんスーツ自体の生地や質にも左右されますが大切にケアすれば10年持ったという声もあります。

日々のルーティンにしてしまえばどれも簡単なことばかりですので是非参考にしてみてください。

ポケットの中身を全部出す

まずは帰宅してスーツを脱ぐ際にポケットの中身は全部出しておきましょう。

ハンカチやペンといったもの以外にも財布や小銭をポケットに入れているという方もいるのではないでしょうか。

できれば着用時もあまり重いものはポケットに入れないほうが良いですが、せめて脱いだ後は出しておいてください。

そのままにしておくと型崩れの原因になってしまいます。

脱いだらハンガーにかける

脱いだスーツをそのままソファに置いたりしていませんか?それではシワがついてしまったり型崩れの原因になってしまいます。

脱いだスーツは必ずハンガーにかけましょう。ハンガーもクリーニング店などでもらえる細いハンガーでは肩パッドが変形してしまう恐れがあります。

ジャケットはジャケットハンガーに、パンツはボトムス用ハンガーにかけるとなお良いです。

パンツは二つ折りにハンガーにかけるのが一般的ですが、上のようなクリップ付きのボトムスハンガーに裾を挟んでかけておくと変な織りジワも入らないのでおすすめです。

ブラッシングする

スーツは1日着ている間に、目に見えないほこりや汚れがついてしまっています。

日常着のように気軽に洗濯できませんから、放っておくと汚れが繊維の間に詰まって傷みや虫食いの原因になってしまいます。

脱いだ際には軽くブラッシングをして、ほこりや汚れを落とすようにしましょう。

ブラッシングは生地の繊維を整えて毛玉を防止することにも役立ちますよ。ちなみにブラシは安価なものだと化学繊維のものも多いですが、逆に静電気でほこりを集めてしまうことに繋がります。

適度なハリのある天然毛を選ぶとよいです。中でもスーツ用としては大きめの豚毛が使いやすくてお勧めですよ。

正しいブラッシングのポイント

・ハンガーにかけたまま行う
上から下に向かってブラシを滑らせるようにする
・汚れやすい部分は重点的に行う
・毛羽立ちを防ぐため優しく行う

コロコロとかエチケットブラシで代用してもいいのかしら?

コロコロやエチケットブラシでは繊維間の汚れまでは落ちないし、繊維も整えられないからあくまで応急処置で使うほうがいいね。

陰干ししてから収納する

一見わからなくても、1日着たスーツには汗がしみ込んでいます。もちろん2~3日休ませることが大切ですが、すぐにクローゼットにしまわずに陰干しして風を通しましょう。

こうすることでカビや臭いが付くことを防いでくれます。その際直射日光の当たる場所だと色焼けしてしまうので、室内で陰干しするようにしてくださいね。

頑固なシワにはアイロンをかける

基本的にシワを伸ばすためには、軽く霧吹きをしてハンガーにかけておけばOKです。繊維の復元力で大概のシワは伸びてしまいます。

スチームアイロンなどの蒸気が出るタイプを使用するのも良いです。蒸気には消臭効果もあるので一石二鳥ですね。

ですがもしも頑固なシワが入ってしまった場合はアイロンを使ってシワを伸ばしてください。

少し面倒に感じますが、これをしておくとクリーニングに出す頻度をぐっと下げることができます。

毎日5分でできるアイロン術

①ジャケットとパンツはそれぞれハンガーにかけた状態で行う
②アイロンのスチームをかけていく
※シワの多い部分は念入りに、折り目を残したいセンターラインは避けてかけていく
③手でいろんな方向に引っ張りシワを伸ばす
④ハンガーにかけたまま乾くまでそのままにしておく

休日など時間があるときにしっかりアイロンをかけてみようかなという方向けに、スーツをアイロンがけする際の基本操作もご紹介しておきます。

用意するのはアイロン・アイロン台・あて布・霧吹き・丸めたタオル等です。まずは生地ごとの設定温度を確認しましょう。

素材の種類アイロンの設定温度
ウール140-160℃
綿・麻180-200℃
ナイロン・アクリル110-130℃

あて布は必ず使いましょう。そのままアイロンがけしてしまうと生地が熱でダメージを受けてしまいます。あて布はハンカチやタオルなど綿素材のものなら何でも大丈夫です。

ジャケットのアイロン順序
  • 袖の中に丸めたタオルを入れて、外側に縫い目に合わせて優しくプレスしていく

  • 後ろ身頃(背中)

    アイロン台にジャケットを着せるようにして上から下へ

  • 前身頃

    肩パッドの部分はアイロン台に着せるようにするとやりやすい

  • ラペル(下襟)

    形を崩さないように優しくかける

  • 首に沿って丸く作られているので、裏側から角度を変えながら少しづつかける

パンツのアイロン順序
  • 腰回り

    アイロン台にパンツをはかせるようにして前側と後ろ側をそれぞれかける

  • 腰~裾

    片側ずつアイロン台に乗せて腰から裾に向かいセンターラインもプレスする

  • 裾は内側からかける

シーズンごとのスペシャルケア

まずクリーニングはシーズンごとに1~2回程度がおすすめです。クリーニングでは業務用の洗剤を使用するため、あまり頻繁に出しすぎると生地の負担が大きくなってしまいます。

ただし夏物から冬物への切り替え時など、長期間しまっておく前にはクリーニングに出してから防虫カバーに入れて保管するのが良いです。

今日は雨に濡れてしまったけどスーツはどうすればいいんだろう…

確かに日常生活を送っていると、雨に濡れたり、シミができてしまったりとイレギュラーなトラブルはつきものですよね。そんなときの応急処置方法もご紹介しておきます。

雨に濡れたり泥はねしてしまったとき

・水滴を軽くふいて風通しの良い場所のかけておく(ゴシゴシ拭かない)
・泥は乾いてからブラシで払い落とす

シミがついてしまったとき

・水溶性のシミは水をしみこませ布で軽くたたく
・油溶性のシミは中性洗剤をしみこませ布で軽くたたく
・シミの度合いによっては早めにクリーニングに出す

臭いがついてしまったとき

・アイロンのスチームを当てる
・シャワー後の浴室にしばらくかけておいて乾かす

こうしてみると難しいことはないですが、応急処置方法を知っておくといざというとき慌てずに済むので覚えておきましょう。

まとめ

  • スーツの寿命を見極めるには、生地にテカリが出ていないか、シワが伸びにくくないか、肘や膝に型崩れがないか、デザインやサイズが合っているかを確認する
  • スーツの寿命は着用回数に左右されるが、たまにしか着ていなくても買い替えが必要なこともある
  • 1日着用したスーツは2~3日休ませる
  • スーツの寿命は日頃のお手入れの仕方で大きく変わる
  • スーツ用のハンガーとブラシを使うのがおすすめ
  • スーツのアイロンがげをマスターすればクリーニングの頻度を減らせる
  • クリーニングは1シーズンに1~2回出すのが良い
  • 雨に濡れたりシミができた時はすぐに応急処置を行おう

スーツの寿命の見極め方はお分かりいただけたでしょうか。お手入れ次第で寿命を延ばすことができるというのはうれしいですよね。

私は昔同窓会で久々に再会した学生時代の友人が、スーツを着ていたせいか3割増しでかっこよく見えたことを思い出しました。

スーツってスリムに見せてくれたり、キリッと見せてくれたりして、ことビジネスシーンにおいては第一印象にかなり大きくかかわってくるものかもしれません。

そう考えるとスーツ1着1着を大切にしたくなりませんか?

これからも正しいお手入れ方法で毎日気持ちよく、かっこよく着こなしていきましょうね。

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