学校や職場で食べるお昼ご飯に持って行くお弁当。
健康的な食生活をするためや彩をよくするために、きゅうりやレタスなどの生野菜を入れているという人も多いのではないでしょうか。
私も家族のお弁当を作る時、調理の簡単なきゅうりやミニトマトをよく入れることがあります。
唐揚げやウインナーなどの茶色っぽくなりがちなお弁当に彩を添えてくれるので、我が家のお弁当には必需品です。
しかし暑い夏の時期は、食中毒も心配ですよね。生野菜は傷みやすく菌が繁殖しやすいため、お弁当に入れる際は気をつけなければいけません。
きゅうりも基本的に生の状態でお弁当に入れることが多いので、特にこの暑い時期は注意が必要です。
きゅうりをお弁当に入れる時の注意点や便利なレシピなどもご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
夏のお弁当にきゅうりを入れても大丈夫?
お弁当に彩を加え、隙間に入れるのにも一役買っている便利なきゅうりですが、暑い夏もお弁当に入れて大丈夫なのでしょうか。
結論から言うと、基本的にはきゅうりをお弁当に入れても大丈夫です。
きゅうりは95%が水分ですが、カリウムやビタミンCといった栄養素も含まれています。
カリウムは、腎臓でナトリウム(食塩)を尿中に排出してくれる働きを持ち、塩分の摂りすぎによって起こるむくみや高血圧を予防する効果が期待できます。
また、ビタミンCは抗酸化作用としての働きを持つため、老化や生活習慣病の予防に役立つといわれています。
ただし、きゅうりは他の野菜に比べても水分が多く傷みやすい食材です。
暑い場所で保管する場合や長時間持ち歩く場合など、お弁当の温度が高くなりやすい状態の時にはなるべく入れないようにした方が安心でしょう。
お弁当にきゅうりを入れたい!夏のお弁当作りで気をつけるポイント
きゅうりをお弁当に入れる時は何に気をつけたらいいのかな?
お弁当の作り方や入れ方次第で、食中毒などのリスクも増加してしまいます。
厚生労働省や農林水産省のホームページでは、食中毒予防として三大原則を掲げています。
引用:農林水産省HP
この三大原則を踏まえ、きゅうりなどの生野菜をお弁当に入れる時に気をつけるべきポイントを解説していきましょう。
調理器具や食材をしっかり洗い、水分を切る
まず、使う調理器具やお弁当箱は洗った後しっかりと乾燥させ、清潔な状態で使うようにしましょう。
お弁当箱の蓋にパッキンがついているものも多く、パッキンの隙間に汚れがたまりやすくなっています。
パッキンは使用の度に外し、きれいに洗って乾かしておきましょう。
野菜は、洗っても土壌菌が残っている可能性もあり、水分が多くなると菌が繁殖しやすい状態です。
きゅうりも味付けによって塩分から水分が出やすくなります。
水で念入りに洗った後は水分が残らないようにしっかり拭くようにしましょう。いぼの部分に菌が残りやすいので、皮をむくのもおすすめです。
注意が必要なのはきゅうりだけではありません。お弁当の定番ミニトマトはヘタに雑菌がつきやすいので、お弁当に入れる前にヘタを取ることを意識しましょう。
お弁当の仕切りとしても使いやすいレタスも、きゅうりと同じように水分が出やすく傷みやすい野菜です。
レタスから出た水分から菌が繁殖してしまうので、お弁当の仕切りには市販されているカップやバランを使う方が安心ですね。
水分が出やすいものをお弁当に持って行く場合は、別の容器に入れるなどの工夫をしましょう。
手で直接触れるのはNG
お弁当におかずを盛りつける際、意外と素手で食材に触ってしまうということもあるのではないでしょうか。
しっかりと手を洗っていても、手には目に見えない菌がたくさんついています。
手から食材についた菌がお弁当の中で繁殖してしまうこともあり危険です。
盛り付ける時に手で直接触るのは避け、箸や清潔な使い捨て手袋などを使うようにしましょう。
おかずの水分をしっかりと拭き取る以外にも、水分を吸ってくれる海苔や鰹節、とろろ昆布などの食材を使うのも良いですね。
加熱調理がおすすめ
生で食べることが多いきゅうりですが、実は炒めたり茹でたりしてもおいしく食べられます。
他の野菜や肉類とも相性が良いので、お弁当に入れる時はひと手間加えてみるのもおすすめです。
厚生労働省の食中毒予防マニュアルによると、75℃以上で1分間以上の加熱が目安とされています。しっかりと加熱することで、殺菌効果も期待できますよ。
加熱後はきちんと冷ましてからお弁当に入れるようにしましょう。
作り置きした冷凍おかずは一度加熱してから入れる
手作りのおかずを小分けにして冷凍しておくと、お弁当に入れる時にも便利ですよね。
市販の冷凍食品には、レンジでのあたためいらずで自然解凍OKのおかずも売られています。
同じように保冷の代わりになるからと、手作りして冷凍したおかずをそのまま入れるという人もいるのではないでしょうか。
しかし、家庭用の冷蔵庫は食材を凍らせるまでの時間が長く解凍時に水分が出やすくなってしまうため、その方法はあまりおすすめできません。
手作りおかずはお弁当に入れる前にレンジで加熱し、冷ましてから入れるようにしましょう。
練り物など要冷蔵の食材にも注意
生野菜だけでなく、練り物や食肉加工品なども、お弁当に入れる時に注意しなければならないもののひとつです。
ちくわやハムも気をつけないといけないの?
ちくわの真ん中にきゅうりを入れる『ちくわきゅうり』や、きゅうりにハムを巻いた『ハムきゅうり巻き』はお弁当の隙間おかずとしても便利ですよね。
しかし、要冷蔵と記載されている食材も、お弁当に入れる時は注意が必要です。
そのままでも食べられるので便利ですが、夏の暑い時期はなるべく加熱して入れる方が安心でしょう。
お弁当に入れるなら漬物よりも酢漬けやピクルスがおすすめ
暑い夏の時期は、手軽に塩分がとれる漬物などをお弁当に入れるという人も多いと思います。
しかし、漬物は水っぽくなりやすく傷みやすいので、あまりおすすめはできません。
お弁当に入れるなら、殺菌作用や防腐作用のあるお酢を使った酢漬けやピクルスがおすすめです。
お酢に含まれている酢酸には殺菌力があり、食中毒の予防にも効果が期待できます。夏のお弁当には、お酢を少量混ぜておにぎりを作るのもおすすめですよ。
お酢以外にも、殺菌作用のある食材はたくさんあります。
梅干しには抗菌・滅菌作用や整腸機能として働くクエン酸やカテキンが豊富に含まれています。
梅干しはご飯だけでなくきゅうりとも相性抜群。つぶした梅肉ときゅうりを和えてもおいしいですね。
刺身のツマとしても使われている大葉。シソの独特の香りの成分でもあるペリラアルデハイド、リモネンに、強い殺菌作用や防腐作用が期待できます。
大葉もきゅうりと相性の良い食材のひとつ。シソの香りで食欲も増進され、暑い夏の時期でもさっぱりと食べられそうですよね。
生姜にはジンゲロールという成分が含まれていて、加熱に関わらず強い殺菌効果が期待できます。食材の臭い消しにも便利です。
ニンニクのにおい成分アリシンにも殺菌作用があり、O-157に対しても効果が期待できます。
しかしニンニクをお弁当に入れるとなると、においが気になりますよね。
お弁当に入れる場合はニンニクの量を少なめにしたり、唐揚げなどの下味に少し付け加える程度など、入れる分量にも工夫をしましょう。
少し手間はかかってしまいますが、殺菌作用のある食材と組み合わせることで少しでもお弁当を安全に食べられるようにぜひ工夫してみてください。
お弁当はしっかり冷ましてから蓋をしめる
食中毒などの菌が繁殖しやすいのは、約20~40℃といわれています。
ごはんやおかずが熱いまま蓋をしめるのはNG。蒸気がこもって水分になり、おかずが傷んでしまいます。
食材はしっかり冷ましてから蓋をしめるようにしましょう。
保存の仕方にも注意
お弁当はなるべく涼しい場所に保管し、早めに食べるようにしましょう。
暑い時期は保冷剤や保冷バッグを利用するのがおすすめです。
お弁当用にも便利!きゅうりの加熱料理レシピ3選
きゅうりは夏が旬の野菜でもあり、お弁当に入れるのにも便利です。
しかし夏は傷むのが心配…。そんな人にもおすすめのきゅうりを加熱して作るレシピをご紹介します!
加熱したら食感が変わっちゃうんじゃない?
きゅうりのシャキシャキ感が好きなんだけどなぁ
きゅうりは生で食べることがほとんどなので、加熱するイメージが湧きにくいですよね。
せっかくのみずみずしいきゅうりの食感が、加熱することで損なわれてしまうのではないかと思う人もいるのではないかと思います。
私もきゅうりは加熱するものではないという潜在意識があったので最初は抵抗がありました。
しかし意外にもきゅうりの食感はそのままでとてもおいしく食べられましたよ!
加熱すると青臭い風味が抜けるので、きゅうりが苦手な人にもおすすめです。
肉や他の野菜との相性も良いので、ぜひ試してみてください。
きゅうりとちくわのオイスターマヨネーズ炒め
きゅうりと、相性の良いちくわを一緒に炒めて作る簡単レシピです。マヨネーズとオイスターソースの組み合わせが食欲をそそります。
材料 | 分量 |
---|---|
きゅうり | 1本 |
ちくわ | 2本 |
オイスターソース | 適量 |
マヨネーズ | 適量 |
塩・こしょう | 適量 |
- ①きゅうりとちくわを食べやすい大きさに切る
きゅうりは塩もみ洗いをしておく
- ②フライパンにマヨネーズを熱し、きゅうりとちくわを入れて炒める
- ③しんなりしてきたらオイスターソースを入れて混ぜ炒める
鍋肌から入れるのがポイント
きゅうりの豚肉巻き
きゅうりに豚肉を巻いて焼くだけのお手軽メニュー。ケチャップベースで子どもも食べやすく、お弁当にもピッタリです。
材料 | 分量 |
---|---|
豚ロース薄切り肉(豚バラでも) | 100g程度(7~8枚) |
塩こしょう | 少々 |
きゅうり | 1本 |
★ケチャップ | 大さじ1 |
★しょうゆ | 大さじ1/2 |
★みりん | 大さじ1/2 |
★酒 | 大さじ1/2 |
- ①★の材料を混ぜ合わせておく
豚肉にも軽く塩こしょうを振っておきましょう
- ②きゅうりは粗目の細切りにする
- ③豚肉できゅうりを巻き、巻き終わりを下にしておく
- ④中火で熱し、油を少量しいたフライパンにきゅうりの豚肉巻きを並べる
巻き終わりを下にした状態で並べるのがポイント
- ⑤こんがり焼き色がついたらひっくり返し、転がしながら火を通す
火加減は中弱火で!
- ⑥豚肉に火が通ったら、★のたれを回し入れて転がしながら煮詰める
- ⑦たれが煮詰まって豚肉につやが出たら完成
きゅうりのきんぴら
ごはんのお供にもお弁当にもピッタリのきんぴら。お弁当用に少し濃いめに味付けすると、ご飯がすすみます。
材料 | 分量 |
---|---|
きゅうり | 3本 |
砂糖 | 大さじ1 |
しょうゆ | 大さじ1 |
白ごま | 大さじ1 |
七味 | 少々 |
塩 | 少々 |
ごま油 | 大さじ1/2 |
- ①きゅうりは2mm程度のうす切りにし、塩もみしておく
- ②フライパンにごま油を熱し、強火できゅうりを炒める
- ③さっと炒めたら砂糖としょうゆを入れて炒め、水分を飛ばす
- ④仕上げに七味と白ごまを入れて完成!
まとめ
- きゅうりはお弁当に入れても大丈夫!しかし夏は注意が必要
- きゅうりには水分以外にもカリウムやビタミンCも含まれている
- 調理用具やお弁当は清潔に。盛りつける際は直接手を触れないことも大切
- お弁当には水分が大敵!水分は拭き取り、おかずは冷ましてから詰めよう
- きゅうりなどの生野菜だけでなく、練り物や食肉加工品にも注意
- 殺菌効果が期待できるお酢や梅干しなどと組み合わせるのがおすすめ
- きゅうりは加熱するのもおすすめ!炒めたり煮たりアレンジしてみて
お弁当おかずには欠かせない存在のきゅうりですが、傷みやすいため夏の暑い時期は特に注意が必要です。
しかしきゅうりはさまざまな食材と合わせやすく、加熱してもおいしく食べられるのでさまざまなアレンジができます。
お弁当はおいしく安全に食べられることが大切。ひと手間加え栄養も満点のお弁当を作って、暑い夏を元気に乗り切りましょう。
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