近頃耳にすることが多くなった「米麹(こめこうじ)」ですが、皆さんは知っていますか?
私は米麹を耳にしていましたが、料理があまり得意でありません…。
そのため「使いこなせないだろうな」「買ってみてもダメにするかもしれない」と思い、手が出ない食品の1つでした。
ところが、書店などへ行くと麹を使った料理のレシピ本がとても多く「はじめての」「定番」などの言葉を目にしました。
本のタイトルやポップを見て、そんなに日常に溶け込める食材なの?と興味を持つようになりました。
米麹について調べてみると「案外簡単に使えるかも?」と思うようになりました。
この記事を読んで、同じように「使ってみたいけど使いこなせるか不安」と感じている方の手助けになればと思います。
ぜひ米麹を日常に取り入れる参考にしてみてください!
米麹は意外と簡単!おすすめの使い方
そもそも米麹とはどのような食品?と思う方もいらっしゃるかも知れません。
米麹は、蒸した米に麹菌を付着させ発酵させた食品です。漢字で書くと「麹」「糀」と2種類ありますが、どちらも指しているものは同じです。
米麹は日本食でよく使われる、味噌や醤油などの調味料を作る時に使われています。
しかし、お家で味噌や醤油は作りませんよね?今回の記事ではもっと簡単に使える方法を紹介します。
米麹を使って塩麹を作ろう!
米麹を加工して作れる調味料の1つに「塩麹」があります。
塩麹は、米麹・塩・水のたった3つの材料で作ることができます。発酵に時間が少しかかりますが、1度作ってしまえば長期間保存することができます。
- 用意するもの米麹200g・塩95g・水400g・蓋付きなどの密閉容器(ガラスやプラスチックがおすすめ)
きちんと計量しましょう。特に塩は少ないと腐りやすくなってしまいます。
- 手順1米麹と塩をよく混ぜる
用意した容器に米麹と塩をいれて混ぜましょう。
- 手順2手順1に水を加える
水を加えた後はよく混ぜる。また水から米麹が出ないようにする。
※時間がたつと、米麹が水分を吸い水から出てしまったら水を足して再度混ぜる
- 手順3発酵させる
室温でOKだが、直射日光があたらないようにする。また室温が60度以上になると酵素が死んでしまう。
発酵期間中は、1日1回必ずしっかり混ぜる。混ぜることで塩が全体に行き渡り腐敗などを防ぐ。
夏場:5日 冬場:10日程度発酵させる
- 手順4熟成させる
発酵後に、米麹がやわらかく甘い匂いがしたら完成
引用:麹屋もとみや
塩麹は、混ぜて発酵を待つだけで簡単につくることができます。でも作ってはみたけど、どうやって使うのか悩む方も多いと思います。
私のおすすめは、鶏むね肉に漬けて焼く・または唐揚げにする食べ方です。
前日の夕に漬けて次の夕食に使ったり、漬けたまま冷凍すればフライパン1つで簡単にごはんをつくることができます。
特にアレンジする必要もありません。そのまま食べても美味しかったです。
米麹に含まれるプロテアーゼという酵素は、肉類等のたんぱく質を分解して柔らかくなるほか、素材の旨味を増す効果があります。
そのおかげか、パサつきやすい鶏むね肉もしっとりジューシーな仕上がりでした。
またつくることも難しい方は、スーパーや輸入雑貨店で塩麹を買うこともできます。
他にも米麹を使って甘酒を作ることも出来ますよ♪
甘酒だって米麹の使い方の1つ!
米麹を使えば、飲む栄養と言われている甘酒を自宅でつくることもできます。
塩麹と比べると馴染みのある飲み物ですが、作り方は塩麹より手間がかかります。
- 用意するものもち米1cup(約160g)・乾燥米麹300g・水7cup/2cup
水は2回使うため、別々に用意する
- 手順1もち米を研ぐ
- 手順2鍋にもち米と水7cupを入れ、5時間前後浸水させる
- 手順3手順2の鍋を中火にかけ、ぐつぐつしてきたら弱火にして20分炊く
- 手順4手順3が60℃くらいになるまで冷ます
- 手順5米麹を手順4の鍋にいれる
鍋に入れるときに、米麹をほぐしながらいれる
- 手順6追加で水2cupを入れ、再度60℃になるまで温める
引用:麹屋もとみや
米麹とは違い酒粕の甘酒も美味しいですよね。酒粕の甘酒は麹を使っていませんが、こちらもおうちでつくることができます。
米麹の甘酒は、美肌効果や便秘の予防・解消が期待できます。
私は小腹が空いた時に甘酒を飲むことがありますが、腹持ちがよくお腹もポカポカになります。
食生活が乱れている時に意識して飲むようにしていますが、体調を崩すことなく乗り切ることが出来ています。
酒粕の甘酒は冷えを改善する効果があるため、体調に合わせて選ぶのも良いかもしれません。
作った甘酒が余ってしまったときは、冷凍で保存することもできます。しかし解凍には注意しましょう。酵素は、60〜80℃以上になると死んでしまいます。
塩麹と甘酒の作り方を紹介しましたが、用意する米麹がが生の米麹と乾燥の米麹と違います。
それぞれどのような特徴があるのか紹介していきますので、自分にあった米麹を使ってみましょう。
乾燥米麹は生米麹と使い方が違うのか
スーパーなどで米麹を見つけたとき、乾燥の米麹と生の米麹の2種類が店頭にならんでいることがあるかと思います。
実際に使おうと考えてみるとどちらが使いやすいのでしょうか?生の米麹と乾燥米麹のメリット・デメリットをまとめました。
種類 | つくり方 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
生の米麹 | 蒸した米に麹菌を 付け発酵させたもの | 香りが良い 発酵が早い | 水分が多く雑菌に弱い 品質の劣化が早い 冷蔵で1週間 冷凍で3ヶ月程度 |
乾燥米麹 | 生米麹の水分を 飛ばし乾燥させたもの | そのままの状態で保管ができる 冷暗所で約6ヶ月 | お湯か水で戻してから使う |
乾燥米麹を戻すのが手間に感じる方は生の米麹を、冷蔵庫のスペースをとらず保管したい方は乾燥米麹を選ぶと良いかも知れません。
初めて使うときは、香りが良い生の米麹を使って素材を楽しむのも良いでしょう。
ひと手間必要な乾燥米麹の戻し方を紹介します。戻し方はとっても簡単!
- 用意するもの乾燥米麹200g・ぬるま湯(50〜60℃)or水100〜250ml
ぬるま湯がおすすめ
- 手順1ぬるま湯or水に乾燥米麹を入れて混ぜる
混ぜるときは、まんべんなく混ぜる
- 手順2ラップを乾燥米麹にピッタリ密着させ1〜2時間おく
途中で1〜2回混ぜる
- 手順3指で軽くつぶれれば完成
戻した乾燥米麹はその日の内に使い切り、使わない場合は冷凍保存する
乾燥米麹のパッケージに戻し方が書かれている場合は、それに従いましょう。
こうして見てみると、意外と簡単に水分で戻せるんだな〜
急に米麹を使うことを思い立ったときには、乾燥米麹があれば買い物に行く必要がありません。
私はそういう日が多く、急に食べたいものが浮かんできたりします。
そのため乾燥米麹のほうが使い勝手が良さそうですが、生の米麹も気になっているので迷ってしまいます。
最初は生の米麹を使い料理のレパートリーを増やしたら、乾燥米麹を使って料理をしようと思っています。
そして、スーパーに行くと意外にたくさんの種類が売られていてびっくりしました。
何が良いのだろうと分からなかったので、米麹の選び方を調べてみました。
米麹の選び方
たくさんある種類から選ぶことは大変です。これを参考に自分に合う米麹を探してみて下さい。
- 生の米麹か乾燥の米麹のどちらか
- 添加物が含まれているかどうか
- 米麹が手作りか機械から作られているのか
1つ目の米麹の種類については、前述のメリット・デメリットをまとめた表を参考にしてみて下さいね。
次の添加物については、米麹を日持ちさせるために保存料などの添加物を含む商品も売られています。
添加物自体が悪いわけではありませんが、できるなら安心な米麹をと思う方は多いはずです。
買う時に裏面の原材料を確認するか、商品のパッケージに無添加と書かれた米麹を買うようにしましょう。
3つ目のつくり方については、最近は米麹の製造を機械で行っている商品もあります。
手作りがおいしいというのは、想像しやすいと思いますが、反対にちょっと価格が高い印象もありませんか?
ところが、米麹は機械が作っていても手作りと遜色ない味わいのものが多いです。
手作りの価格もそこまで高価ではなく、商品によっては機械よりも安く販売されていることもあります。
けれども途中まで機械で作ってから、「麹盛り」という手順で機械から米麹を取り出して手作業に切り替えることもあるのだとか。
その場合商品としては「手作りの米麹」として販売しても理論上良いようです。
もちろん機械に作業を振ることで、人件費の削減や大量生産が可能になることも事実です。
一からの手作りを望む方は、商品の概要や会社のホームページを見てみると安心ですね。
冷凍した米麹の使い方
食材の量が多くて使い切れない、長く保存したいからなどの理由で食材を冷凍することは多いのではないでしょうか。
中には冷凍に向かない食材がありますが、米麹は冷凍保存しても問題ありません。
解凍も常温に2時間ほどおけば使えるようになります。衛生面が気になる方は冷蔵庫で解凍しても大丈夫です。
冷凍のまま調理しても問題はありません。解凍が面倒という方はそのまま使っても良いでしょう。
また冷凍してもカチカチにはならず、パラパラしているため必要な分だけ取り出しやすいです。
ただし冷凍の米麹を何度も解凍→冷凍を繰り返してしまうと、米麹のたんぱく質を分解する力は弱くなり、米麹も悪くなってしまいます。
冷凍する際は、小分けにして冷凍するまたは必要量だけ取り出すようにしましょう。
麹菌は冷凍すると、死んでしまうと聞いたことがある方は冷凍保存が心配になってしまうかもしれませんが大丈夫です。
なぜなら体内に良い効果をもたらしているのは、麹菌ではなく麹によってつくられた酵素だからです。
また冷凍した場合、麹菌は死ぬわけではなく活動を止めているだけです。
冷凍中は活動していなかった酵素も、解凍すれば元通りの働きをしてくれます。
冷凍する前と比べるとたんぱく質の分解力は下がってしまうかも知れませんが、冷凍前と冷凍後も米麹の栄養価に大きな変化はありません。
解凍後調理するときは、温度の管理が大切です。
麹菌は真菌の1種で13〜45℃で増殖しやすく、60℃以上で死んでしまいます。また酵素は60〜80℃で死んでしまうと言われています。
麹菌が体に作用しているわけではないため麹菌の温度はあまり気にしなくても良いでしょう。
けれど体に良い作用をもたらす酵素の温度には注意しましょう。他にも水分に触れていると72時間程度で酵素の力は弱くなってしまいます。
まとめ
- 米麹は塩麹や甘酒に使うことができ、お肉などを柔らかくする
- 米麹には、生と乾燥の2種類があり保存期間などが異なる
- 乾燥米麹は、水で戻すと生の米麹と同じように使うことができる
- 米麹は、種類以外にも添加物の有無や製法によって選ぶことができる
- すぐに使わない米麹は、冷凍で保存するのがおすすめ
- 冷凍した米麹は、常温で解凍し使うことができる
米麹について知っていただけだでしょうか?
意外と簡単に日々の料理に活かせる食品だと思いますし、和洋中でも馴染みやすく使いやすい調味料に変わります。
健康に良い発酵食品の1つである米麹をぜひ生活に取り入れてみましょう♪
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