秋から冬にかけてはさつまいもの収穫時期ですが、甘さにばらつきを感じたことはありませんか?
実際の食べごろは収穫した2~3か月後頃といわれています。しかし食べてみないと分からないことも多いのではないでしょうか?
品種の違いで甘さや水分量には差がありますが、どんなさつまいももできるだけおいしく食べたいですよね。
ほんのり甘い、さつまいもを味わいたい
さつまいもに砂糖を加えずにさつまいもを食べたい
時間をかけて熱が通ることによって、でんぷんが糖化することで甘くなるさつまいも。
しかし、さつまいもの甘さを引きだせていないと感じたことはありませんか?
そこでより甘く仕上げるための調理方法や保管方法をご紹介します。
さつまいもを甘くするメカニズムとは?工夫次第でもっと甘くなる
実は、さつまいもは収穫した時点ではそれほど甘くありません。
そのため、収穫されたサツマイモは一度保管されます。自然に水分が抜けて糖度をアップさせた状態でスーパーに並んでいるのです。
基本的にすぐに美味しく食べられる状態ですが、さらに自宅で追熟することも可能。
また調理方法を工夫することで甘みを強くすることもできるでしょう
デンプンは、水と60〜75℃の熱を加えるとのり状になり、「アミラーゼ」という酵素が働きやすい状態になります。
またアミラーゼは80℃を越えると壊れやすくなるため、60〜75℃を目安に時間をかけて加熱すると甘味の強い仕上がりになるでしょう。
たとえば、石焼き芋は60〜75℃を長く保つよう加熱されています。
石焼き芋が自宅で調理するのとはちがう、ねっとりと甘い仕上がりになるのも納得ですね。
さらに丸ごと加熱することで、中までゆっくりと熱が伝わり、アミラーゼがより活発に働くのです。
しかし同じ熱を加えても、その調理方法によっても甘さの感じ方が変わります。
蒸し芋にすると甘みが薄く感じやすかったり、焼き芋は甘みがより感じやすくなったり、レンジは水分が抜けやすいなど、調理方法の特徴をつかむことがポイント。
そこでさつまいもを甘くする働きから調理方法、調理前後の保存方法をご紹介しましょう。
さつまいもを甘くする7つの調理方法!自宅の調理器具を活用しよう
さつまいもの甘みを作りだしている仕組みをもとに、より甘さを引き出せる調理方法を手軽な順に紹介していきます。
ご自宅にある調理器具で一番おいしくなる方法を探してみてくださいね。
レンジ
さつまいもは電子レンジで加熱すると甘くなる温度にすぐに達してしまうので、甘くなりにくいです。甘く食べたいときは丸ごと調理がオススメ。
- 洗ったさつまいもを丸ごとキッチンペーパーで包んでから、水で濡らす
- 上からラップで包む
- 電子レンジで、600 Wで約1分30秒温める
- 200Wへ変更し、約10分さらに温める
- 竹串やフォークなどで刺し、すっと通れば完成
酵素が活性化する温度を保つよう、じっくり加熱して甘味を引きだすために2段階に分けて加熱してください。
またキッチンペーパーで包んで水にぬらすことで、パサパサせずにしっとり仕上がります。
200Wの設定がない場合、2回目は解凍モードで試してみてくださいね。
フライパンで焼く
- 洗ったさつまいもを丸ごと、アルミホイルで二重に包む
- フライパンにのせ、底に1㎝程度の水を入れたらフタをする
- 弱火で約20分焼く
- アルミホイルで包んださつまいもを裏返し、さらに約15分焼く
- 竹串やフォークなどで刺し、すっと通れば完成
フライパンは熱を伝えやすいので、さつまいもが焦げないように注意しましょう。
トースターで焼く
- 洗ったさつまいもをアルミホイルでピッタリ包む
- トースターに入れ、800Wに設定して約15〜20分焼く
- その後しばらく置き、粗熱がとれたら裏面に返し、さらに約15〜20分焼く
- 竹串やフォークなどで刺し、すっと通れば完成
トースターで焼く場合もじっくり時間をかけて焼きましょう。
大きさにもよりますが、焼き時間はそれぞれ約15〜20分ずつ、トータルで約30~40分程度を目安としてください。
アルミホイルに包んで焼くことで、しっとりと甘い仕上がりになります。
茹でる
茹でるときも60〜75℃の間がより甘く仕上げられる条件です。
水から加熱することで、さつまいもの外側にだけ先に火が通ることなく、徐々に甘みを引きだしてくれるでしょう。
1本丸ごと茹でる方法
- 洗ったさつまいもを鍋に入れる。
- さつまいもが浸るくらいの水を注いで加熱する。
- 弱めの中火にかけ、沸騰直前で弱火へ変える。
- 弱火で約30分茹でる。
- 竹串やフォークなどで刺し、すっと通れば完成。
切ってから茹でる方法
- さつまいもを好みの大きさに切る。
- 鍋に入れ、さつまいもが浸るくらいの水と塩ひとつまみを入れる。
- 弱めの中火にかけ、沸騰直前で弱火へ変える。
- 弱火で約15分茹でる。
- 竹串やフォークなどで刺し、すっと通れば完成。
サツマイモを切る場合は、水から茹でることで型崩れを防げるでしょう。
途中でアク抜きをすると、渋みや苦味が出ることを防ぎ、調味料も浸透しやすくなるのでオススメです。
蒸し方
同じ熱を加えても、蒸し芋にすると甘みが薄く感じたことはありませんか?
蒸し芋は水分量が増えることによって、甘みがぼやけてしまうことがあります。
焼く方が水分が抜けることで甘みを感じやすくなりますが、蒸したときより少し乾燥してしまいます。
たとえばお菓子づくりに使用したい場合は、蒸すことで水分がより多く残りしっとりと仕上がるでしょう。
- 洗ったさつまいもを丸ごと蒸し器に入れる。
- 弱火で約60~75℃を長く保ちながら、約40分~1時間程加熱する。
- 竹串やフォークなどで刺し、すっと通れば完成。
水分量の少ないさつまいもを調理するときも、蒸し器で調理することでしっとり仕上がるのでオススメです。
オーブン
- 洗ったさつまいもをアルミホイルで包む
- 160〜170℃に設定したオーブンで約80〜90分加熱する
- オーブンの庫内に、粗熱がとれるまで置いておく
- 竹串やフォークなどで刺し、すっと通れば完成
オーブン調理はじっくりと温度が上がり酵素が活性化しやすいため、余熱機能を使う必要はありません。
焼き終わった後、そのまま粗熱がとれるのを待てば、さらに甘さが増すでしょう。
さつまいもの品種や大きさ、オーブンの機種によって温度設定や時間は微妙に異なります。様子をみながら適切な設定を見つけてみてくださいね。
炊飯器
- 洗ったさつまいもを炊飯器に入る大きさに切る
- さつまいもが半分つかる位まで、水を入れる
- 通常の炊飯モードで炊く
- 竹串やフォークなどで刺し、すっと通れば完成
炊飯器の大きさに合わせてさつまいもをカットして炊くと、約50分でできあがります。
炊飯器によってはお米以外の調理をすすめていない場合があるため、取り扱い説明書を確認しておきましょう。
次にさつまいもの調理前・調理後の保存方法を紹介していきます。
さつまいもを甘くする保存方法は?調理後にオススメな方法もご紹介
購入してもすぐに調理しなかったり、追熟したかったりすることもあるでしょう。
また調理後に食べきれなかったさつまいもを保存したいときもありますよね。おすすめの保存方法をまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。
調理前の保存方法
さつまいもは収穫からしばらく保存することで追熟し、甘さが増します。現在では貯蔵し甘みを引き出してから出荷するケースがほとんどのため、行う必要はありません。
しかしあえて試したい場合、スーパーで購入してから2週間の保管が目安です。
一定の温度や湿度で保存する際のポイントをご紹介しましょう。
保存条件
- 14℃前後の場所に置いておく。
- 2週間程度熟成時間をおく。
- 新聞紙にくるんだり、段ボール箱にいれたりして保管する。
保存温度をコントロールできる場合、約13~14℃が適温です。
さつまいもは寒さに弱く、10℃を下回ると変色や腐敗がおこり、20℃を超えるとさつまいもが発芽する可能性も。
温度管理ができない場合、冬場であれば暖房器具の前や日当たりが良すぎる場所は避け、冷暗所へ保管してください。
また水で濡ぬれたり、ビニール袋で密閉したりすると腐る可能性があります!
調理後の保存方法
基本的にさつまいもやジャガイモなどはパサパサしてしまうため、冷凍保存に向いていません。
しかし量が多すぎて食べきれない場合もありますよね。そんな時はマッシュして潰してから、冷凍保存するとよいでしょう。
解凍した後も調理しやすく、300g程度ごとに保存袋などへ小分けにすると使い勝手も良いのでオススメです。
冷凍方法
- 皮をむいてマッシャーでつぶす。
- 冷凍用保存袋に入れて平らにする。
- 保存袋からできるだけ空気を抜いて冷凍する。
冷凍庫で約2週間保存可能で、使用するときは、自然解凍やレンジの解凍モードを使用しましょう。
ポタージュにしたり、お菓子作りに使用したり、サラダのトッピングなどに使用できて便利です♪
まとめ
- さつまいもはじっくり熱を通すことで、アミラーゼが活性化する
- アミラーゼの働きは60~75℃の間で活発になり、糖化しやすくなる
- オーブン調理が一番じっくり火を通すが、無い場合はフライパン・トースター・蒸し器など家庭の調理器具でもじっくり温めて甘くできる
- 調理前は冷暗所で新聞紙などに包み、濡らさないように保管する
- 調理後はさつまいもをマッシュして冷凍保存できる
さつまいもは焼いたり蒸かしたりするだけで、とてもおいしいスイーツになります。
以前は涼しくなってきた秋の食べ物でしたが、最近は冷やし焼き芋もはやっており、夏でも楽しめるようになりました。
春夏秋冬、ヘルシーでおいしいさつまいもをご自宅でも楽しんでみてください。
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