暑い夏が終わると涼しい秋がやってきて、楽しい行楽の時季を過ごすと、あっという間に冬。12月に入ると、ふと頭をよぎりませんか?
年末の大掃除しなきゃ!
でも12月ってやることも考えることも山積み!やっと来た冬休みや年末年始の休みに、寒い中掃除して何の意味が?とついつい腰が重くなりがち。
「お正月に間に合えばいいよね」と思って重い腰を上げて年末ギリギリに終わらせたり、終わらずに掃除も年を越している方!
大掃除が「いつまで」ということ、実はとても重要なんです。
なぜ大掃除をやるのか、なぜ「いつまで」という概念があるのかを知ることで、きっと掃除への考え方が変わって、今年の年末大掃除は張り切って行うことができるはず!
大掃除はいつまでするのか実は決まっている!
そもそも大掃除は義務ではありません。やらなくてもいいし、好きな時に好きなようにしていいのです。
でも「年末」にする大掃除には意味があるのです。いつまで、ということにも答えがあります。
なぜかを知ったうえで、年末の大掃除をするのかしないのか、いつまでにするのかを判断してみてください!
スッキリすることはわかるし、新年を気持ちよく迎えたいけど、正直時間も気持ちの余裕もない!どうしたらいいの!?
私ははじめこう考えていました。そう感じてらっしゃる方も少なくないはず。
そのうえ「いつまで」なんて期限まであるの!?と驚かれるかもしれませんね。
結論から言うと、年末の大掃除は12月の13日から28日までに行うのが良いと言われています。
今回、大掃除の意味の説明と、限られた時間で終わらせるための年末大掃除の極意をお伝えするのでご安心ください!
大掃除はいつまで?年末でしょ!という認識が日本人に浸透している理由
まずは大掃除の意味からお話ししていきます。もともと掃除をすると、心身共に健康的な生活環境を手にすることができますね。
年末の大掃除は、それに加えて神事的な意味と風水的な意義があります。
神事的な意味から大掃除を辿っても、風水的な意義から大掃除を辿っても、大掃除することで運気UP!幸運ゲットのチャンスに繋がるという結論になるのです。
え?宗教的な感じ?怪しい勧誘とかあるのかしら?
心配しないでください!大掃除の歴史的背景と今まで受け継がれてきた日本の風習を改めて振り返るだけの話なのです。
本来の意味を知って、年末の大掃除を丁寧に、大事にすることができると思います。
大掃除は神事として始まった
日本の「年度」という区切りは、通常4月から始まり3月で終わることが大半ですよね。でも、大掃除と言えば年末。
なぜ大掃除が年度末ではなくて年末なのかは、平安時代まで遡ります。
そう、大掃除の起源はなんと平安時代と言われているのです。
年末の大掃除の由来となったのが平安時代の宮中行事の「煤払い(すすばらい)」です。現代では当たり前の電気は、もちろんこの時代にはありません。
暖房や炊事、お風呂を沸かすのも炭や薪を燃やし、明かりはろうそくや行灯(あんどん)が使われていました。
燃えるときに出る「煤(すす)」で壁や天井は黒く汚れたそうです。
そして、ただ単に宮中をキレイに掃除するというだけではなく、悪い霊や厄を落とし、「歳神様(としがみさま)」をお迎えする、という神事として捉えられていたそうです。
歳神様は、農耕・田の神様で、その年の豊穣を願ってお迎えしていたようです。
新年に来て1年間その家を守ってくれる幸せの神様と言われており、失礼がないように、年末に1年の汚れを落し、キレイな状態でお迎えすればたくさんのご利益をもらえると信じられていたのです。
煤払いは、室町時代には神社仏閣を中心に仏像や本堂を清める行事となり、江戸時代に庶民の間に根付き始めたそうです。
当時の人々は、半月ほどかけて行われるお正月の準備の最初に行うのが「煤払い」だったとのこと。
煤と一緒に厄を払い、キレイになった家で門松やしめ縄といった縁起物の用意をして新年を迎えることが、当時の人々にとってとても大事な行事でした。
電気が普及し始めたのが明治時代中ごろ。150年位前までは家が煤で汚れるのは当たり前だったのですね。
個人的には、スタジオジブリのアニメ映画「となりのトトロ」の「まっくろくろすけ」を想像してしまいます。トトロの話は確か昭和の時代で、お風呂で薪を使っていたような記憶が・・・。
年末の大掃除は12月13日の煤払いから始まる!
家の中に溜まった汚れを落とすのが、煤払い。起源は平安時代と言いましたが、日にちに関して遡るとすると、江戸時代です。
江戸時代には、旧暦の12月13日が「鬼宿日(きしゅくにち)=鬼が宿(家)に泊まる日で、鬼が外を出歩かないので、鬼に邪魔をされず何事をするにも良い吉日」とされています。
唯一してはいけないのが婚姻に関すること。婚姻=家に入ることなので、家にいる鬼と鉢合わせしてしまうそうです。
この12月13日の吉日に、江戸城中をキレイにする風習があり、庶民もこれに倣って、同じ日に家中の煤払いを行うのが慣例となりました。
12月13日は「お正月こと初め」とも呼ばれています。歳神様を迎える準備を始めるのにふさわしい吉日とされ、正月準備に取り掛かる日として定着してきました。
年末の大掃除は12月28日までに済ませよう!
始まりは12月13日として、いつまでに終わらせるの?と疑問に思いますよね。
答えはズバリ12月28日。なぜなら、12月13日のようにしたほうが良い日があれば、しないほうが良い日があるからです。しないほうが良い日から考えると、28日がふさわしいという結論に至ります。
大掃除をしないほうが良い日は、29日、31日、1月1日。
29日は、「9=苦」を連想させ、31日は歳神様を迎える大晦日にバタバタと掃除するのが失礼に当たるという理由。
1月1日は、元旦に大掃除をするということは、福を掃除してしまい、福が逃げてしまうので縁起が悪いとされています。
1日は、大掃除同様に洗濯も避けたほうが良いとされています。服=福を洗い流す、とされているようです。
ちなみに、正月飾りも29日と31日は避けることをオススメします。お正月飾りは、歳神様を迎えるために飾る特別な飾りです。
29日に門松を飾るのは「九松=苦待つ=苦しみを待つ」と連想してしまいます。
31日は、年末最後の日なので、歳の始まりの1日前で、「一夜飾り」として「葬儀の準備と同じ」として縁起が悪く、神様に失礼だとされています。
ちなみに30日に終えたり、正月飾りを飾ることもあるかもしれませんが、30日は旧暦だと大晦日にあたります。
このようなことから、お正月飾りを飾る日を考えると、年末の大掃除はできれば28日までには済ませておくことをオススメします。
日本の大掃除と外国の大掃除
年末になると、大半の人が「大掃除」という言葉を思い浮かべると思います。外国の方々からすると、不思議に感じるかもしれません。年末大掃除は日本独自の風習だからです。
よく比較されるところでいうと、ヨーロッパやアメリカ、中国があります。
ヨーロッパでは冬が厳しいので、暖かくなる春先に行う大掃除「Spring cleaning(スプリング・クリーニング)」が一般的。
アメリカではヨーロッパと同じく春先や、もしくはクリスマス前に行うそうです。
中国では元旦より盛大に盛り上がる1月下旬から2月上旬にある旧正月「春節(しゅんせつ)前」に大掃除をするそう。
面白いところだと、アフリカ大陸にあるルワンダ共和国。
「ウムガンダの日」と呼ばれる毎月最終土曜に国民で大掃除をする日と決まっているそうです。
もっとも、掃除の内容は今回のテーマのように家の中の大掃除ではなく、家の前の道路の清掃や草刈り、公共の掃除らしいですが。
昔は掃除をしない人は逮捕されていたらしいです。さすがに逮捕は無くなったそうですが、現在は罰金になったそうです。
店も閉め、公共交通機関もストップし、国家のためにそれぞれが何かをするとのこと。歴史的背景があるそうですが、世帯で1人(18歳から65歳)出し、それ以外の人は自宅待機!
ゴミ一つ落ちていない国は、必然的に治安もよくなります。
外務省の海外安全HPを見ると、アフリカでは危険レベル3(渡航中止勧告)やレベル4(退避勧告)の国々が多い中、ルワンダは危険レベル1(注意)でとどまっているそう。
明らかな結果として出ていて、凄いですよね。
次は、大掃除をする風水的な意義と28日までに大掃除を終わらせるための極意を説明します!
大掃除はいつまでやるのかを風水の意義から考える!
風水とは、中国で発祥した「気」の力を利用した環境学のことです。
衣・食・住・行動など自分を取り巻く環境で運を開いていくというものですが、昨今多くの書籍が発売されるなど、「風水」の認知度は高いかと思います。
風水の由来に「大地の気は風によって散り、水によって集められる」という一説があります。悪い「気」を避けて良い「気」を取り込むために風と水を操る、というものです。
風水で幸運を呼び込む基本は、掃除をしてキレイな家にすること。水回りは特に重要なポイントと言われています。
水回りの中でも、風と水療法にかかわるのがキッチン。換気扇が汚れていると、排気能力が下がり、汚れた空気が排出されにくく、電気も無駄に消費します。
幸運を呼び込むには、きれいな空気を取り入れ、きちんと循環させると健康運がよくなります。
同様に、排水溝をきれいにすることで汚れた水を流して悪い運気を流し、キレイな水で財運を呼び込みましょう!
また火元のコンロは、キレイなら元気を呼び込み、汚れていれば争いや浪費を招きます。
玄関は金運・成功運を呼び込みます。玄関はあらゆる運気が家の中に流れ込む大切な場所なので、靴の整頓や掃き掃除はもちろん、水ぶきで浄化することも大切です。
窓はキレイにすることで良い気をとどまらせますし、鏡は気を増幅させるので、水垢などの汚れをしっかり落としましょう!
年末の大掃除は、1年の汚れと厄を落とし、良い「気」を取り込む大チャンスです!
大掃除をいつまでに終わらせるかは段取り次第!
「段取り八分」という言葉をご存知でしょうか?物事は、段取りが八割を占め、良い段取りをすれば上手くいく、ということです。
仕事やテストだけに当てはまることではありません。大掃除にもしっかりと当てはまります!
- STEP1いつまでに終わらせるのか
12月28日
- STEP2どこを掃除するのか
キッチン、玄関、リビング、寝室、ベランダ、バスルームetc.
- STEP3細分化
STEP2でリストアップした掃除箇所をさらに細かく分ける
キッチン シンク、コンロ、冷蔵庫、換気扇、レンジ etc. 玄関 シューズクローゼット、タイル etc. リビング 床、カーペット、窓、カーテン、天井 etc. etc. - STEP4時間配分
STEP3でリストアップした箇所の掃除にかかる時間を見積もる
換気扇 60分 トイレ 30分 玄関 30分 etc. - STEP5必要な道具の確認
すでにある物と購入するものを洗い出す
掃除機、ほうき、軍手、ゴム手袋、中性洗剤、アルカリ性洗剤・塩素系洗剤、重曹、クエン酸、消毒用エタノール、スプレーボトル、メラミンスポンジetc.
- STEP6スケジューリング
優先順位を決め、カレンダー作成。ゴミの収集日もチェック!
月 火 水 木 金 土 日 1 2
掃除箇所のリストアップ3
細分化のリストアップ
時間配分のリストアップ4
必要な道具の確認
道具の買い出し5
持ち物の整理6
道具の買い出し7 8
持ち物の整理9 10
不用品の処分11
キッチン
押し入れ12 13 14
持ち物の整理15 16 17
浴室
不用品の処分18
トイレ
各部屋19 20
持ち物の整理21 22 23
持ち物の整理24
不用品の処分25
玄関
リビング26 27 28
掃除完了
正月飾りを飾る29 30 31 - STEP7調整
掃除を進めながら、発生するイレギュラーなこと(思ったより時間がかかった、追加の場所を見つけたなど)に対処し、カレンダーを変更する
やるべきことを見える化すると、その多さに少し二の足を踏んでしまうかもしれませんが、1日で終わらせるのではなく、時間や日数をかけてこなしていくのです。
もしくは、1日でできる最低限(優先順位)をつけて、絞り込んでいくこともできるでしょう。年末の大掃除と称して家を丸ごとキレイにするのは至難の業かと思います。
私は日常の掃除をこまめにすることが理想と思っていますが、仕事と育児などに追われて思うようには出来ませんでした。そして気が付けば年の瀬。
12月に入ってからの行動ですので、手を付けたくても時間が無くて手をかけられなかった押し入れと、風水的に考えて水回り・玄関を重点的に、掃除箇所を絞り込むことを計画しました。
換気扇などは漬け込みして汚れを落としたりするので、漬け込んでいる間に他の作業をするなど、効率化を意識しながら掃除に取り組みます。
土日を中心に、カレンダーに書き込んで進めていこうと気合が入っています!
28日に目立つように印をつけ、実際のカレンダーには、年賀状用の「福」モチーフのシールを貼って幸運が入ってくるように気持ちを込めています。
ゴミの収集日のチェックもお忘れなく!大掃除をすることによってゴミや不用品がたくさんでても、それを処理できなければ、結局ゴミと一緒に年を越してしまうことになります。
クリーニング業者に依頼する方も増えているようです。部分的に依頼したり、水回りセットなど、サービスは様々なようです。
ただし、年末は繁忙期なので、早めに依頼するか掃除の時期を10・11月にしておくと良いでしょう。
やらなければ!とストレスを溜める必要はありません。段取りの手順にしたがってまずは計画を立ててください。
掃除する箇所を挙げたら、する日や誰がするのが、どれがするのかを検討し、年末にするのか年末以外にするのか、自分でするのか業者に頼むのか判断をして、無理なく・無駄なく時間を有効に使いましょう。
まとめ
- 大掃除は12月13日から12月28日までに行うことが良いとされている
- 年末の大掃除は義務ではないが、昔から行われてきた意味がある日を守って大掃除を行うことで歳神様を迎え、幸運を呼び込むと言われている
- 大掃除の起源は平安時代の煤払いで、キレイに掃除をすることのほかに、神様を迎える神事的な行事として行われていた
- 現代でもその意味は引き継がれて、年末に大掃除を行う慣習が続いている
- 風水的にも大掃除は気の流れを良くし、幸運を招くと言われている
- 限られた時間で大掃除をするためには、段取りを大切にすること
掃除をすると、心も整いますよね。もちろん環境が整うことで、健康面にもプラスです。
汚れたり整っていないと、「少し散らかっていてもまあいいか」、「どうせ汚れているなら、別に更に汚れても気にしない」なんて段々横着してしまいそうになりますよね。
ですが、汚いと無意識にイライラしてしまうもの。精神的にも良くないですし、物を紛失したり壊したり、何かと経済的に負担になることも多々あります。
福や縁起なんて目に見えないから気にしない!という方もいらっしゃるでしょう。もちろん信じる信じないは人それぞれです。
でも、多くの人は何か嫌なことがあった時に「運が悪かった」とぼやいてしまうもの。
せっかくですから古くからの日本の習わしを大事にして、1年間溜めたものをリセットして新年を気持ちよく迎えるための大掃除をしましょう!
大掃除の意味や行う日について意識して丁寧に掃除することで、ぜひ幸運を呼び込みましょう!
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