寒くなってくると欠かせない暖房!エアコンや石油ストーブ、オイルヒーター、ファンヒーターなど暖房器具はいろいろありますよね。
寒い冬に暖かい部屋でぬくぬくと過ごせるのは、幸せの極みではないでしょうか。
個人的には特に日本文化のこたつは冬の幸せの最高峰だと思います!こたつに入って、アイスやミカンを食べるときは至福の時間です!
でも、皆さんが暖かい部屋で快適なわけではなく、中には頭痛を訴えるなど体調を崩される方もいらっしゃいます。
その原因、実は暖房かもしれません。もちろん本当に体の不具合からくる頭痛かもしれないので一概に暖房が原因とは言えませんが、暖房による不調を放っておくと、最悪の場合死に至る可能性もあります。
冬に暖かい部屋で頭痛が起きる方に向けて、原因と対処法を解説していきます。
暖房による頭痛が起こるってどういうこと?
暖房による体調不良は、一般的に暖房病と呼ばれます。
夏にはクーラーによる冷房病を耳にすることが多いと思います。室内外の温度差による自律神経の乱れが原因の不調であることは、冷房病と暖房病で共通しています。
しかし、冷房病と違い、暖房病の原因は他にもいくつか挙げられます。
症状の重い人は、暖房器具を使えない状態に至ることもあるそうです。
そもそも暖房病には正式な病名はありませんが、暖房が原因での体調不良には主に次のようなものがあります。
- 頭痛
- めまい
- 吐き気
- 倦怠感
寝たり安静にしていれば、治まるんじゃないかしら?
頭痛は、薬を飲めば一発で治るよ!
と考えがちですが、暖房による頭痛などの体調不良は、その原因が体内の不調によるものではなく、次に述べる外的要因が大きいのでしっかりと対策が必要となるのです。
暖房による頭痛はなぜ起こるのか
体調不要になる暖房の原因は大きく4つあります。
- 「かくれ脱水」が発生する
- 室内外の温度差
- 室内の温度差(空気の温まり方)
- 一酸化炭素
暖房による頭痛などの体調不良の原因が一つとは限りません。まずは1つ1つ原因を知ることで、対策をしていきましょう!
かくれ脱水が発生する
冬はもともと空気が乾燥しがちですよね。暖房器具を使うことで更に乾燥を感じる人も多いでしょう。
厳密にいえば、暖房器具によって空気中の水分量が減るのではなく、室内の温度が上がることにより空気中の飽和水蒸気量(空気中に存在できる水分量)が増えます。
つまり、空気中の水分量が変わらなくても相対的に湿度が下がるため「乾燥した」と感じるのです。
特にエアコンなどをメインに使っていると、肌や目、喉の乾燥を感じやすいかと思います。
夏のように大量に汗をかくわけでもないので、保湿クリームや目薬、のど飴などで対応する方もいらっしゃるでしょう。
もちろん、それらにきちんとした効果があるので使用してくださって全然OK!!
しかし根本的な体の水分不足を解消しないと、気づかないうちに脱水状態となり、頭痛やめまいを引き起こしてしまいます。
冬の脱水は、汗ではなく皮膚や粘膜、呼吸を通して水分が蒸発する「不感蒸泄」が増えることにより起こります。
人は1日当たり900mlほどの水分を蒸発させているそうです。
気づかないうちに体内の水分が減っているのに水分を補給しないでいると、血液がドロドロで流れにくい状態となり、血栓ができやすくなります。
血流が悪くなり、体調不良へと繋がるのです。体内の水分量が少ない乳幼児や高齢者の方々は特に注意が必要でしょう。
夏に喉が渇くと水分を積極的に摂取しますが、冬に積極的に水分を摂る方は夏よりも大幅に少ないと思います。寒いとトイレへ行く回数が自然と増えますが、大抵廊下やトイレは寒いもの。
寒さに飛び込むのは避けたいなあ…。トイレに行く回数は減らしたいから水分は控える!
でも、気づかないうちに脱水症状に陥り、頭痛やめまいを放っておくと、最悪の場合意識障害や死に至ってしまうこともあります。
脱水症状は夏だけではなく、冬場でも起こる可能性は十分にあるのです。
室内外の温度差
温度差の激しい場所へ移動すると、寒暖差アレルギーの症状が現れます。
寒暖差アレルギーの主な症状は次の通りです。
- 頭痛
- 鼻水
- くしゃみ
- 倦怠感
自律神経が乱れて、温度調節がうまくできなくなることが原因です。
鼻の血管にも影響するため、鼻水などのアレルギー症状が出ます。冬に暖かい部屋に入ったときやアツアツのラーメンを食べてるときに鼻水が出るのは、寒暖差アレルギーの一種と言われています。
日常であまり気にしていませんが、実は寒暖差が生んでいる症状なのです。
私はもともと花粉症で、鼻水などのアレルギー症状はよく出ていたのですが、暖かい部屋や麺類を食べるときも鼻水がでるのは「そういうものだ」としか認識していませんでした。
寒暖差アレルギーだとすると、対処次第で鼻水が出る状況を軽減できるのかな!と明るい発見ができました。
室内の温度差(空気の温まり方)
暖房を使っていると、空気の性質上暖かい空気は上に行き、冷たい空気は下に行きます。そのため、頭部の温度が上がってしまいます。
頭が過剰に温められると、脳の血管が拡張し、次の症状が現れることがあります。
- 頭痛
- 耳鳴り
- 眠気
人間の血の流れは通常頭に流れやすく下半身に流れにくいので、対策をしなければ頭部だけが温まり、下半身が冷え続けることになります。
「頭寒足熱」という言葉があるように、本来頭部を冷やし足元を温めることで、体温を全身均等に保って体調を整えるのです。
しかし、暖房器具によりこれと逆の状態になりやすいので、対策が必須となります。
一酸化炭素
暖房器具の中でも、石油ストーブ・ガスストーブ・ファンヒーターなどの灯油やガスの燃料を燃やして部屋を暖める開放型暖房器具は特に注意が必要です。
これらを使用している方は「一酸化炭素」についても知っておかなければなりません。
開放型暖房器具は、空気中の酸素を使って燃焼し、排気ガスを出しています。
室内の空気は汚染され、酸素濃度が低下し、非常に毒性の高い「一酸化炭素」が増加します。この一酸化炭素により現われる主な症状が次の通りです。
- 頭痛
- 吐き気
- めまい
この一酸化炭素による体調不良は、放っておくとやがて死に至ります。
また、ガスの中毒症状のほか、ガスのニオイ・燃焼時のニオイによって頭痛や吐き気などの症状が出ることもあります。
暖房で頭痛い!という辛い状態でも簡単な対処法を紹介!
一度症状が出ると、対策をしてもすぐに体調回復!とはならないでしょう。
頭痛やめまいなどの体調不良を避けるために暖房を控える、という方もいらっしゃるかもしれません。
でも、寒さに耐えるにも心身共に限界があるかと思います。
過剰に温かさを求める必要はありませんが、暖房器具と並行して、直接体を温めるようにしましょう。対策には主に次のようなものが挙げられます。
- 水分補給をこまめにする
- 加湿器を使う
- 塗れたタオルや洗濯物を室内で干す
- シャワーではなく湯船につかる
- 湯冷めしないようにしっかりタオルドライして髪をすぐ乾かす
- 首・手首・お腹・足首を温める
- マッサージやストレッチをする
- 筋トレをして基礎代謝を上げ、体温を上げる
- 肌着は綿やウール、ポリエステルなど保温性の高いものを選ぶ
- 靴下やスリッパなどを履く、カーペットなどを敷いて直に床に接さない
- 暖房器具だけに頼らず服を脱ぎ気して調節をする
- サーキュレーターを併用する
- 換気をこまめに行う
これらは暖房と並行して行う対処法ですが、即効性の対処法も最後にお伝えします!
水分補給をこまめに行う
喉が渇いていなくても、水分補給をこまめに行いましょう。ただし、なるべく冷たい物ではなく常温もしくは温かい物を飲むことをオススメします。
冷たい飲み物は、胃腸の働きを悪くしてしまいます。温かい飲み物で、体を芯から温めましょう!
ただし、温かいといってもお酒やコーヒー、紅茶などは利尿作用によって脱水を促進してしまう事をお忘れなく!
また、ただ水を飲めばいい!というわけでもなく、飲むタイミングもポイントです。
大量に水を一気に飲んでも吸収しきれずに、逆に胃腸に負担をかけます。
コップ1杯を目安に、起床直後や就寝前、運動中や運動前後、入浴前後など体内の水分量が大きく変動する前後・最中のタイミングで摂りましょう。
加湿器を使ったり洗濯物を室内で干して湿度を上げる
湿度が低いと肌や喉の粘膜が乾燥するだけでなく、ウィルスに対する抵抗力が下がることに加え、逆にウィルスにとっては活動しやすい環境となります。
感染症予防のためにも、湿度は40~60%で調整しましょう。
湯船にしっかり浸かって湯上りはしっかり拭く
熱いシャワーを浴びるだけでは、表面は温まっても体の芯からは温まりにくいです。芯から温まることで、浴室から出た後の体温維持に繋がります。
また、湯上りに体に水滴がついたままだったり髪が濡れたままだと、せっかく温まった体を急速に冷やすことになります。
しっかりと水分をふき取って、クリームやリキッドなどでしっかりと保湿を行い、髪を早く乾かしましょう。
保湿対策と髪をすぐに乾かすことで、体の表面の乾燥を防ぎ、体の表面も内部も温かい状態を長く保つためです。
首・手首・お腹・足首を温める
昔から3つの首「首・手首・足首」を温めると良いと言われてきました。これはこの3か所が血流の多い血管(動脈)が皮膚の近くを通っているからです。
この3か所をしっかりと温めることで、温まった血液が全身をめぐり、指先やつま先まで温まります。
逆のこの3か所を冷やすと、冷えた血液が全身をめぐり、全身の体温が下がってしまうので要注意です。
そして近年、この3つの首に加えて4つ目の「くび」が登場しました。体の中心「くびれ(お腹)」です。
お腹を温めることで腸内細菌が活発になり、代謝の向上に繋がります。代謝が良くなる=エネルギーが消費のため熱が発生する=体温が上がるのです。
首はマフラーやネックウォーマー、スカーフ。手首は手袋やアームウォーマー、足首は靴下やレッグウォーマー。お腹は湯たんぽや40℃前後の低温の回路、腹巻がオススメです!
マッサージやストレッチをしたり筋トレで基礎代謝UP!
マッサージやストレッチをすることで血流を良くしたり、体温を上げることができます。
体全体を伸ばし足りするだけでなく、毛細血管の通っている指を揉んだりするだけでも効果はあります。
くびれ(お腹)を温める方法として、マッサージがあります。おススメの方法として、両手でお腹を揉みほぐし、おへそを中心に時計回りに円を描くように指で押したりさすったりします。
これは便秘にも効きます!これは大腸がおへその右側から「の」の字を書くように位置しているので、大腸に沿って揉みほぐして便を出口へ運ぶ「ぜん動運動」を促すからです。
体が温まる上に、便通も良くなるなんて体に良いことばかりです!
また体温を上げるために、基礎代謝を上げることがカギです。基礎代謝とは、仰向けに寝て、食事をせず(消化器官の活動は行わない)、適温でリラックスした状態で消費されるエネルギーのこと。
つまり、ごろんと寝転がってるだけで自然と消費するエネルギーです。
一般的に、体温が1℃上げると基礎代謝は13%上がると言われています。基礎代謝があると脂肪が燃焼するので、ダイエット効果もあります。
厳密にいうと体温が上がると基礎代謝が上がるのではなく、基礎代謝が上がることで体温が上がります。
基礎代謝を上げる方法として効率的なのは、筋肉をつけることです。
なぜなら、エネルギー代謝量の比率は次の通りだからです。
骨格筋 | 22% |
脂肪組織 | 4% |
肝 臓 | 21% |
脳 | 20% |
心 臓 | 9% |
腎 臓 | 8% |
その他 | 16% |
脳や内臓を鍛えることはなかなか難しいので、筋肉量を増やすことが一番基礎代謝を上げやすいのです!
筋トレとしては、全身筋肉の70%を占める下半身を鍛えるのが最も効率的です。
もちろん、筋肉量が偏らないように全身万遍なく鍛えるのが理想ですが、基礎代謝UPへの近道は下半身の筋肉強化です!
初心者向けとしては「ワイドスクワット」がオススメです。通常のスクワットよりも多くの筋肉を鍛えられる方法です。
- 肩幅の2倍程度の広さで足を広げ、つま先を外に向ける(背筋はまっすぐ伸ばす)
- 膝を外側に向けるように意識しながら、太ももが地面と平行になるくらいまで、しゃがむ(膝がつま先より前に出ないように注意)
肌着や靴下などで調節して床にはカーペットを敷く
近年、夏は特に涼しく、冬は保温性の高い機能性肌着が広く浸透していますよね。
一番素肌に近いものとして、肌着の素材は大事です。季節に応じた素材のものを選びましょう!
冬には保温性・保湿性があるものとして、綿・ウール・ポリエステルがオススメです。肌質や好みに合わせて選んでください!シルクなどは保温性に加えて肌触りも良いですよね。
また、冷たい床などに直接触れていると、急激に体が冷えてしまいます。
床暖などで床そのものが温かい場合は素足でも大丈夫ですが、そうでなければ靴下やルームシューズなどを履くことや、カーペットなどを敷くことがオススメです。
また、よく寝るときに靴下を履くか履かないかは長く論争が起こっているかと思いますが、結論から言うとどちらでも良いんだとか。
履かずに快適に寝られるのであれば履かなくてよいし、特に足に汗をかきやすい人は履かないほうが良いし、そもそも冷えている人は靴下を履いたからといって汗をかくまでもないそうです。
室内外の急激な温度変化を避けるため、家の中でも暖かい部屋から暖房がついていない廊下や部屋に行く際には服などで調節しましょう。
ショールやカーディガンを羽織ったり、外に出る前に暖房を切り、厚着をして徐々に寒さに体を慣らすと良いですね。
逆に寒い部屋に暖房をつけるときには全開で温めるのではなく、しばらく弱めの設定で徐々に温め、厚着をすることで直接体を温めるようにしましょう。
サーキュレーターを併用する
「部屋の中の温度差」でも述べたように、暖かい空気は上へ、冷たい空気は下へ行きます。室内の上下の温度差を無くすために、サーキュレーターを使って空気を循環させましょう。
これは夏のエアコンでもよく聞く話ですよね。冷房効率するために、サーキュレーターや扇風機を同時に回すことで均一に部屋を冷やすことができます。
暖房も同様です。サーキュレーターは一年中大活躍ですね!
換気をこまめに行う
寒い空気が入ってき室温が下がってしまうので抵抗を感じてしまうかもしれませんが、一酸化炭素が滞留したりするなど、命の危険につながることもあります。
1時間に1回、5分以上を目安に窓を開けたり、換気扇を回したりしましょう。
換気の仕方も、一か所の窓をあけるのではなく対角線上に窓をあけたり、窓をあけて換気扇も回すなど風の通り道を意識することがポイントです。
私はよく職場で、上半身は温かいのに下半身に冷えを感じることがよくあります。その状態が続くと、頭部でドクドクと脈打つ感じが強くなり、めまいを起こすことがあります。
ですが、職場にサーキュレーターなどが無く、室内全体をムラなく暖めることが難しいです。そのような時は換気を行い、極端の室内の上部だけが暖かくなるのを防げます。
室内の空気の循環が難しい職場や学校では、換気で空気を循環させることも重要な役割となるのかもしれませんね。
暖房による頭痛への即効性のある対処法
頭部のほてりや脈をズキズキと打つような頭痛を感じる場合は、おでこやこめかみなどをタオルで包んだ保冷剤などで軽く冷やすと、痛みが和らぎます。
ただし、冷やし過ぎると冷やされた血液が体内に巡り全身の体温が下がってしまうので、冷やし過ぎには要注意!
以上多くの対処法を述べましたが、これらは体調不良が生じていなくても、安全と健康の観点から暖房をしながら行うことが良いと思います。
まとめ
- 暖房により頭痛などの体調不良が生じる
- 暖房による頭痛などの体調不良の原因は主に4つ(かくれ脱水、寒暖差アレルギー、部屋の中の寒暖差、一酸化炭素)
- 暖房による頭痛などの体調不良を放っておくと、最悪の場合死に至ることがある
- かくれ脱水、寒暖差アレルギーなど、気づかないうちに症状が現れる
- 空気の性質上、暖かい空気は上に行き、冷たい空気は下に行くので、何も対策しないと頭部が温まりやすく体調不良を起こしやすい環境になる
- 燃料を燃やして温める暖房は一酸化炭素という中毒性のあるガスを発生する
- 暖房による頭痛などの体調不良が生じた時は、乾燥対策・寒暖差への対策・部屋の温度を均一にする対策・換気を行う
- 体調不良が生じていなくても、安全と健康のため対策を行う
暖房による頭痛は、たまに起こる頭痛よりも慢性的で頻度が高い場合が多いです。鎮痛剤などを多用すると胃にも負担ですし、薬の効き目も弱くなってしまいます。
また、脱水による頭痛ですと、鎮痛剤では改善せずに倒れてしまったり、最悪の場合死に至ることも。
薬で対応することにより素早く痛みが和らいで快適にすごせるかもしれませんが、安易に薬に頼ることで本当の原因が見えなくなってしまうこともあります。
まずは水分補給をしながら体全体を温め、様子を見てください。
もし今まで述べた対処法で頭痛などの体調不良が改善しない場合、必ず病院を受診してください!片頭痛であったり、病気的な頭痛の可能性があります。
寒い冬は、暖かい家の中でゆっくりとくつろぎたいものですよね。適切な暖房の方法で、しっかりと体調不良への対策をして、安心安全な冬の快適ライフを送りましょう!
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