新生活が始まり冷蔵庫を新しく設置する場合、冷蔵庫の下のマットを使用したほうが良いのか必要ないのか、迷う人も多いと思います。
冷蔵庫の下って何か敷いたほうがいいの?
私は賃貸不動産の仲介営業を長くしていますが、家具家電のへこみ対策はお客様からよく頂く質問の一つです。
賃貸の場合、傷やへこみがついたらどうなるのか?対策はどの程度必要でどんな場合は必要ないのか?持ち家の場合も、せっかくの新しいお家に傷をつけたくない!
冷蔵庫マットは傷やへこみ対策が出来てさらに、冷蔵庫の振動音を軽減する効果もあります。
この記事では、冷蔵庫マットのメリット・デメリットとおすすめ商品をご紹介させていただきます。
冷蔵庫マットは本当に必要ないのかな?と、迷っている方はぜひ参考にしてください!
冷蔵庫下のマットは必要ないのか?
冷蔵庫下にマットの設置を検討する理由は、傷やへこみが気になる場合と稼働音が気になる場合、またはその両方だと思います。
結論からお話すると、賃貸の場合は原則として「家具や家電を設置しただけによるへこみや跡」の原状回復は原則貸主(大家さん)負担になります。
そのため、ちょっとしたへこみが心配という程度なら冷蔵庫マットは必要ないかもしれません。
しかし、設置しただけによるへこみだけではなく、清掃や管理不足による汚れや腐食は原状回復の対象となってしまいます。
冷蔵庫マットは使い方によっては日々の清掃を手軽にしてくれたり汚れを防ぐ効果も期待できるので、お手入れに不安がある人は検討すると良いですね。
賃貸でつけてしまった傷やへこみに対する修繕費用
賃貸の場合、傷やへこみが原因で退去時に張替え費用を請求されるのでは…と不安に思う人も多いと思います。
ですが、原則として「家具や家電を設置しただけによるへこみや跡」の原状回復は原則貸主(大家さん)負担になります。
「原状回復」とは、賃貸物件を借りる際は借りたときと同じ状態にして返してね。という賃貸借契約の基本的なルールのこと!
そのため、入居時に存在しなかった損耗や破損があると、元通りにするための費用を請求されます。それが「原状回復費用」です。
しかし、時間の経過によって設備が壊れる等の「経年劣化」や、普通に住んでいるだけで発生する「通常損耗」に関しては基本的に貸主(大家さん)負担になります。
例えば「カレンダーを貼った壁の日照による壁紙の変色」は通常損耗ですが「雨風が吹き込み濡れた床を放置して出来たフローリングの色落ち」は通常損耗とは認められません。
家具等を設置した後の「手入れ等、賃借人の管理が悪く、損耗が発生・拡大したと考えられるもの」に関しては現状回復義務が発生する可能性があります。
原状回復の考え方の基本にはガイドラインがある
どのようなものが「通常損耗」にあたるのかの区別は、国土交通省が提示する「原状回復のガイドライン」に記載があります。
ただし、このガイドラインは絶対的な決まりや法律ではありません。
あくまで賃貸借契約締結時や、退去時に契約書に記載のない内容の原状回復に関するトラブルがあったとき等に参考にするために作られたものです。
そのため、賃貸の契約をする際はまずは契約書の条文や特約をしっかり読んで理解することが大切です!
ガイドラインによると、家具や家電を設置しただけによるへこみや跡は入居者負担ではありません。
ですが、契約書に入居者負担と書いてあればそちらが優先される可能性が高いので気をつけましょう。
契約書に書いていないことに関しては管理会社に問い合わせたり、ガイドラインを参考に生活するのが良いと思います。
管理会社や大家さんも退去時のトラブルは避けたいので、入居中に絶対にしてほしくないことは契約書にちゃんと書くことが多いです。
よくある特約の例としては下記の内容が多いです!
- 喫煙が発覚した場合のクロスのヤニ汚れによる張替えは経年劣化を考慮せず全額入居者負担
- 結露を放置したことによるクロスの損傷は経年劣化を考慮せず全額入居者負担
- ペットの飼育に起因する汚損・破損に関する清掃・修繕費用は入居者負担
契約書によっては「国土交通省のガイドラインを参考にしてください」と書いてあるものもあるので、その場合はこのガイドラインが基本になります。
ちなみにですが、私は今までに賃貸物件の住み替えを4回経験しています。
過去4件では全て冷蔵庫マットは必要ないかな…と思い直置きしていましたが、一度も原状回復費用を請求されたことはありませんでした。
そのため、冷蔵庫マットは必要ないと思い生活をしていました。
賃貸の原状回復が不安という理由だけであれば、全面タイプの冷蔵庫マットの購入は必要ないかもしれませんね。
かえってマット下にカビが生えたり掃除の手間が増えたりと、デメリットが増えてしまう可能性もあります。
脚の下に設置するタイプの小さなマットだと、掃除の手間などのデメリットが少なく済みます。
冷蔵庫マットにはへこみ防止以外にもメリットがあるので、そちらが気になる場合は購入を検討しましょう!
冷蔵庫マットを使用するメリット
冷蔵庫マットを検討する上でのメリットを確認していきましょう。
床の傷や腐食を防ぐ
冷蔵庫マットを敷くことで床に傷やへこみがつかないように対策することが出来ます。
先程ご説明したとおり、原状回復のガイドラインでは設置しただけによるへこみは貸主負担です。
しかし、特約がある場合や一般的なへこみ以上のものがつくと原状回復費用を請求されるおそれがあります。
心配な場合は冷蔵庫マットで予防するのがとても効果的です。
また、冷蔵庫の株はモーターが発する熱によって湿度が高い環境になることがあります。
特に、1階部分の部屋に冷蔵庫を設置するなど、床が冷たい場合は結露が起きてフローリングが腐食する可能性があります。
この場合も、冷蔵庫マットを敷くことによって結露を防止できるようになるメリットがあります。
床の汚れを防ぐ
冷蔵庫近くは、食べ物や飲み物をこぼしてしまうことも少なくありません。
そういった時に、冷蔵庫下は掃除がし難いですが、掃除が不十分だと床にダメージを与え、原状回復の対象になる可能性が高いです。
更には、掃除が行き届かないと害虫にとっても住みやすい環境を作ってしまうことに繋がります。
冷蔵庫マットを敷いておけば、マットが汚れるだけで床への汚れは少なく済みます。
マットを洗うか、酷い場合は処分して新しいマットを使用することで清潔に保ちやすいメリットがあります。
振動音を軽減する
冷蔵庫は、庫内を冷やすために稼働しているコンプレッサーやファンの稼働によって常に稼働音がなっています。
音の響きやすい木造住宅の場合や、階下の住人が音を気にするタイプの人だった場合は、トラブル防止の為に対策が必要になるかもしれません。
また、1人暮らしで1Rのお部屋に住む場合も、キッチンと寝室が近い間取りになることがあります。
冷蔵庫のすぐ横にベッドがあると、流石に就寝時には稼働音が気になります。
そういった時に、冷蔵庫マットを敷くと稼働音が軽減されるのでおすすめです。
冷蔵庫マットを使用するデメリット
冷蔵庫マットを使用するにはメリットだけではなくデメリットもあります。
知らずに適当なものを選んで使用すると、かえって原状回復の対象になる傷や汚れを産み出す事になりかねませんので、きちんと確認しておきましょう!
掃除がしづらくなることがある
厚さのある冷蔵庫マットを使用する際は、冷蔵庫と床の間の隙間が狭くなってしまうので、掃除用具を使用しにくくなってしまうデメリットがあります。
また、飲み物をこぼしてしまった際に掃除を怠ると、冷蔵庫マットと床の間に染み込んだ飲み物のせいでマットが床にくっついたり汚れが酷く定着するリスクもあります。
床にくっついてしまうことがある
冷蔵庫マットの素材と床の素材の相性によっては、マットがくっついて剥がれなくなったり、剥がす時に床を傷つけてしまうデメリットがあります。
粗悪なゴム製の製品は冷蔵庫が発する熱で溶けてしまうこともあるようです。
私はコルク製の製品が重さで砕けて、砕けたかけらが床のクッションフロアにめり込んで取れなくなってしまった経験があります。
くっつきを防止するには、あまり粗悪な製品を選ばないよう気をつけることと、何年も敷きっぱなしにはせず定期的に冷蔵庫を移動して清掃を行うようにしましょう。
素材によっては害虫の心配がある
冷蔵庫の下は適度に暖かく湿気もあり、ほこりも溜まりやすいことから害虫の住処になりやすい場所です。
そこにもし天然素材の綿や木材を使用したマットがあると、餌になってしまう可能性があります。
冷蔵庫マットを選ぶ際は、防腐・殺菌・防虫効果のあるものを選ぶようにしましょう。
冷蔵庫マットのおすすめ商品
冷蔵庫マットを選ぶ際は、傷を防止したいのか音を防止したいのか目的によって材質が変わります。
また、床材との相性も確認して検討しましょう。相性の悪いもの同士だとかえって床を痛めることになりかねません。
冷蔵庫マットは冷蔵庫の容量に合わせてSサイズ〜LLサイズで展開されている製品が殆どです。
冷蔵庫よりも小さいと役割を果たせないだけではなく冷蔵庫がぐらついたりして危険な可能性があるので、適切なものを選びましょう。
タイプ別にいくつかおすすめの商品をご紹介します!
汎用性の高いシートタイプの冷蔵庫マット
シートタイプのマットは重量が軽く、女性でも簡単に設置や掃除が出来ます。
相性の悪い床材も少ないので汎用性が高く、敷いていてもあまり目立たない見た目がおすすめです。床暖房に対応している製品も多いので安心ですね。
防音性を求めるならゴムタイプのマット
ゴムタイプのマットは4つのマットをそれぞれ脚の下に敷いて使うものが多いです。
結露や害虫の心配が減ってお掃除がしやすいものが多いです!
防振性能のしっかりとしたものもあるので、地震が起きた時の冷蔵庫の移動や転倒に備えることも出来ます。
手軽に利用できるフェルトタイプのマット
冷蔵庫だけではなく色々な家具に利用できるマットです。脚の下に設置して利用します。
フェルトは他の製品に比べて安価なので、汚れたら新しいものに変えるのが気軽に出来ます。
一生懸命清掃するよりも手軽で清潔なのでおすすめです。
まとめ
- 賃貸では「家具や家電を設置しただけによるへこみや跡」の原状回復は原則貸主(大家さん)負担になることが多い。
- 家具等を設置した後の「手入れ等、賃借人の管理が悪く、損耗が発生・拡大したと考えられるもの」に関しては現状回復義務が発生する可能性がある。
- どのようなものが「通常損耗」にあたるのかの区別は、国土交通省が提示する「原状回復のガイドライン」に記載されているので参考にする。
- 冷蔵庫マットを敷くことで床に傷やへこみがつかないように対策することが出来る。
- 階下の住人への配慮や、就寝時に冷蔵庫の稼働音が気になる場合は冷蔵庫マットは対策に使える。
- 飲み物をこぼしてしまった際に掃除を怠るとマットが床にくっついたり汚れが酷く定着するリスクもある。
- 冷蔵庫下は害虫が発生しやすいため冷蔵庫マットを選ぶ際は、防腐・殺菌・防虫効果のあるものを選ぶようにする。
- シートタイプのマットは重量が軽く、女性でも簡単に設置や掃除が出来る。
- 稼働音を抑えたいならゴムタイプのマットがおすすめ。
- フェルトタイプのマットは他の製品に比べて安価なので、汚れたら新しいものに変えるのが気軽に出来る。
今回は冷蔵庫マットは必要ないのかどうかについてメリット・デメリットをそれぞれ分析して考えてみました。
基本的には冷蔵庫を置くだけでできるへこみは問題ないので必要ないという意見もありますが、使用したほうが安心と言えます。
多少のへこみは許されるとしても、清掃や管理不足で冷蔵庫下の床にダメージを与えてしまわないように目的に合った冷蔵庫マットを選びましょう。
冷蔵庫マットはへこみを防ぐだけではなく、稼働音を軽減したり、地震など災害時に冷蔵庫が移動や転倒する事故の対策にもなります。
今まで冷蔵庫マットは必要ないと思っていた人も、ぜひメリットとデメリットを確認して検討してみてはいかがでしょうか?
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