パスポート、初めて作った時はワクワクしました。必要書類をそろえ、こわばる顔で写真に写り、長時間窓口の前で待ちました。
それから幾年月。そんなに使う機会のない私の家ではいつのまにか忘れられた存在に。
でも、それってまずいですよね。うっかり期限が切れてしまうと、あの申請の手続きをもう一度しないといけない!
初めての時はワクワクがあったから平気でしたけど、今は面倒でしかありません。
確認したらセーフでしたが、期限切れしてたらどうしたらいいんでしょう。調べてみたらとってもシンプルでした。
実はパスポートは国の公文書でありその所有権は国にあるので、期限が切れたら国に返納する義務があるんです。
パスポートセンターに持って行って処分してもらうのが基本です。詳しく解説していきますね。
パスポートが期限切れになった時の処分の方法
パスポートは有効期限が切れたり切替申請したりする場合、国に返納することが旅券法で定められています。
私たちはパスポートの名義人でしかなく、法律の範囲内で使用が認められているという立場なんですね。
期限切れとわかったら、更新しなくてもパスポートセンターへ持って行って処分してもらうのが安心です。
でもパスポートは旅の思い出でもあります。手元に置いておきたいという人もいますよね。
窓口で伝えると、処理した上で持ち帰らせてもらえます。
パスポートを失効処理し、画像のように穴を開けた状態で渡されるので、持って帰って大事に保管しておきましょう。
外務省HPの「旅券の変遷と最近の動向」に読み物的にまとめられているので、興味のある人はのぞいてみてくださいね。
失効処理してもらわないと?
すでに失効処理してもらわずに捨ててしまったという人もいますよね。旅券法違反ですが、罰せられることはありません。
パスポートセンターまで行くのは面倒だから、失効処理してもらわないまま保管しておきたいって思う人もいますよね。
そのまま確実に保管されるのであれば、問題になることはありません。何度も言いますが、旅券法違反ですけどね。
問題は確実では無いことです。空き巣に入られる、引っ越しのどさくさで紛失するなどして悪意のある誰かの手に渡った場合は心配です。
偽変造の技術は進歩しています。不正な出入国に使用されたり、あなたになりすまして借金されたりする恐れはあります。
振り込め詐欺などの犯罪に使用するための携帯の契約や銀行口座開設などに悪用される可能性だってあるんです。
だからこそ、しっかり穴まで開けて失効処理するんですよね。
それならやっぱり自分で処分してしまおうかな。罰せられないんだし。
今はパスポートは必要なくても、いつか必要になるかもしれません。
その時、前のパスポートがある方が手続きはスムーズなので、保管しておくことのメリットはあるとは思います。
保管に自信があればそのままでも問題はおきないでしょう。
自信が無いなら何かの機会にパスポートセンターに行って、失効処理してもらうことをオススメします。
処分方法
自分で処分しておこうと思った場合や、失効処理して持って帰ったけどやっぱり捨てようと思った場合はどうしたらいいんでしょう。
そのまま可燃ゴミとして捨てる、は絶対ダメです。個人情報がつまったものなので、シュレッダーにかけたりはさみで細かく切ったりしてから捨てましょう。
一番重要なのは写真のページとICチップです。特に注意して細かくしてから捨ててくださいね。
パスポートは期限切れだけど紛失したら?
たぶん期限切れしてるけど、どこに置いたかわからないんです。
できる限り探して、それでも見つからない場合は、パスポートセンターの申請窓口でその旨申し出てください。
前のパスポートの失効を確認し、新たに申請することができるようになります。
申請時にはどのような理由で紛失したか、正直に答えて大丈夫です。
悪用される恐れがあるかないかだけが問題なので、過度に心配する必要はないんですよ。
有効期間内だった場合は、パスポートセンターで紛失一般旅券等届出書を提出します。パスポートをいったん無効にしてから、新たにパスポートを申請します。(外務省HPより)
ただ、前のパスポートは無効になっているので、後で見つかった!となっても使うことはできません。
新規の申請の時と同じ料金がかかるので、できるだけ探しましょうね。届出書が必要な方は、こちらのボタンからどうぞ。
パスポートの有効期間
パスポートの有効期間について確認しておきましょう。日本のパスポートの有効期間は5年間または10年間になっていて、選べるようになっています。
2022年に民法が改正されて成年年齢が引き下げられることになったので、10年間有効のパスポートは18歳以上になりました。
18歳未満の子どもは5年間用しか選べないので不便に感じる親御さんもいるとは思いますが、子どもの10年間の変化は大きいですものね。
もう1つ、確認しておくと良いのが、パスポートの残存有効期間。有効期間が終了するまでの残りの期間のことです。
この期間が3~6ヶ月以上なければ入国できない国も多いのですが、ややこしいのがこの期間の基準が国によって違うし、変更されることもあるということ。(外務省HPより)
滞在予定の国の基準はセーフだけど、トランジットの国の基準はアウトということもあります。
パスポートの更新は残存有効期間が1年未満になると手続き可能なので、旅行の予定のある人は早めに更新してしまう方が安心です。
パスポートの期限切れが海外だったら?
そうなんだけどやっちゃった!
海外滞在中にアクシデントが起きて帰国できなくなっている間にパスポートの有効期限が切れる、あると思います。
そういう場合は、滞在先の日本大使館や総領事館で発給手続きを行います。
必要な書類は通常の申請時と同じなので、日本国内にいる家族あるいは役所に連絡をして、戸籍謄本を郵送してもらいましょう。
発行されるまで時間がかかりますね。その前に帰国することになったら「帰国のための渡航書」の発給を申請しましょう。
これはパスポートの代わりとなるものなので、すぐに発行してもらえます。有効期間が短いので、帰国する日から日数を逆算して申請しましょう。
とは言え海外での手続きは大変です。こうした事態にならないように、有効期限と残存有効期間をきちんと確認しておきましょうね。
パスポートが期限切れ!処分してもう一度申請しよう
パスポートが期限切れしてからもう一度申請する場合は、最初の時と同じ手続きになります。
必要書類
必須なもの
- 一般旅券発給申請書(1通)
2023年3月に改正されている申請書であることを確認しましょう。
全国共通で、パスポートセンター、市区役所、町村役場、県庁などに置いてあります。
外務省ホームページの「申請書ダウンロード」が便利です(よろしければ上のボタンからどうぞ)。- 10年用‥‥A4サイズ、申請書上縁部が朱色
- 5年用‥‥ A4サイズ、申請書上縁部が水色
18歳未満(申請日現在)の人は5年用のみです。
- 戸籍謄本(提出の日の6か月以内に発行されたもの)(1通)
以前は戸籍抄本でも可だったんですが、抄本は不可になりました。
本籍地の市区町村の戸籍担当係で発行してもらいます。本籍が遠方の場合は、郵送で請求することもできるので、各市区町村に問い合わせてください。 - パスポート用の写真(1枚)
6ヶ月以内に撮ったパスポート写真のサイズ(縦45mm×横35mm(ふちなし))を、切ったり貼ったりせずに持って行きます。
カラーコンタクトレンズ不可、正面、無帽、無背景で、カラーでも白黒でも可です。
本人だとわかりにくい写真は不可になるので、窓口でOKかどうか確認してもらいましょう。
- 本人確認のための書類(1点又は2点)
必ず有効な原本を提示しましょう(コピー不可)。
記載内容(氏名・ヨミカタ・性別・生年月日・住所等)は、申請書と一致していることが必要です。- 1点でよい書類
マイナンバーカード(通知カードは不可)、運転免許証、船員手帳など - 2点必要な書類
AとBの各1点、あるいはAから2点。
- 1点でよい書類
場合によっては必要なもの
- 住民票の写し(提出の日前6か月以内に発行されたもの) 1通
住民基本台帳ネットワークシステムの利用を希望しない場合と、住民登録をしていない都道府県で申請する場合には必要になります。
申請先のパスポートセンターに確認しておきましょう
- 期限切れのパスポート
過去の旅券発給について聞かれることがあります。あると申請がスムーズです。 - 帰国のための渡航書
引用:外務省HP
申請する
必要書類を持って、住民登録をしている都道府県のパスポート申請窓口で申請しましょう。申請から受領までだいたい1週間程かかるようです。
住民登録をしていない都道府県で申請することもできますが、住民票の写しが必要になります。窓口に確認しておきましょう。
申請は代理人に頼むこともできます。申請者本人が記入しなければならない事項は必ず本人が記入して、必要書類とともに代理申請してもらいましょう。
代理人も本人確認書類が必要となるので注意しましょう。
代理人では認められない場合や本人に確認しないといけないことがある場合もあるので、その場合はやはり本人が行くことになります。
受け取る
受け取りは申請者本人しかできませんし、受け取る窓口は申請書を提出した窓口だけです。
赤ちゃんのパスポートなら、赤ちゃん本人を連れて行かないと受け取れません。
申請時にもらったパスポート受領証、手数料を用意して、発行から6ヶ月以内に行きましょう。6ヶ月を超えると失効します。
未交付で失効後、5年以内に再度パスポートを申請した場合は、通常よりも高い手数料となるので注意しましょう。
パスポートは期限切れの前に更新しよう
期限切れする前に更新すると今のパスポートが身分証明書になるので便利です。
あとは一般旅券発給申請書と写真(と場合によっては住民票の写し)を用意するだけで申請できます。簡単ですね。(外務省HPより)
この時、残存有効期間は切り捨てになって引き継がれないので注意しましょう。
運転免許証の更新とはちょっと違うんですね。
2023年3月27日からマイナンバーカードを利用したオンライン申請が始まっています。今のところ一部を除き、できるのは更新のみです。
どうしても申請に行く時間が取れない人は、検討してみても良いかもしれません。
まとめ
パスポートの有効期間が過ぎた後の処分の方法と、状況別の対処方法を解説しました。
- パスポートは有効期限が切れたり切替申請したりする場合、国に返納することが旅券法で定められている。
- 期限切れとわかったら、更新しなくてもパスポートセンターへ持って行って処分してもらうのが安心。
- 期限切れのパスポートは失効処理し穴を開けた状態で持って帰ることができるので、思い出として大事に保管しておこう。
- 個人情報がつまったものなので、シュレッダーにかけたりはさみで細かく切ったりしてから捨てる。
- 紛失した場合はパスポートセンターでその旨伝えて、前のパスポートの失効を確認し、新たに申請する。
- 海外滞在中に期限切れした場合は、滞在先の日本大使館や総領事館で発給手続きを行う。必要な書類は通常の申請時と同じ。発行が間に合わずに帰国することになったら「帰国のための渡航書」の発給を申請する。
- 期限切れしてからもう一度申請すると、新規に申請する時の必要書類と同じになる。
有効期間を過ぎてしまうといろいろ考えないといけないことが多くなり、対処に手間と時間がかかります。
きちんと確認して、期限切れする前に更新するようにしましょう。私も気をつけます♪
コメント