皆さんは、アボカドを食べ終わったあとに残る大きな種をどうしていますか?
私は今まで、「大きい種だけど、もう使い道がないだろう」と迷うことなく捨てていました。
しかしアボカドの種は、正しい植え方をすると自分で育てられることを知ったのです。
育てているうちに新しい実がつき収穫も…なんて淡い夢を抱いてしまいますよね。
でも実際に、アボカドを育てるためにはどうしたらいいのでしょうか。
アボカドって初心者でも簡単に収穫まで育てられる植物なの?
アボカドの植え方なんて知らないよ〜!
この記事では、「アボカドの植え方が知りたい!」という以前の私のような初心者向けに、アボカドの植え方を分かりやすく解説します。
ぜひ、私と一緒にアボカドを育ててみましょう。
アボカドの植え方は2種類!
アボカドの植え方は、土栽培と水耕栽培の2種類があり、どちらも簡単に発芽します。
土栽培は、アボカドの種を地面や鉢植えの土に埋める植え方です。
水耕栽培は、水の入ったコップや容器にアボカドの種を浸けて育てる方法です。
見た目の様子が全く違うので、どちらの植え方にするか迷ってしまう場合は目的別で選びましょう。
「アボカドを簡単に大きく育てたい」という人は土栽培、「アボカドを観賞用やインテリアとして楽しみたい」人は水耕栽培がおすすめです。
アボカドを土栽培で育てるメリット
- 植木鉢やプランターでスペースを確保しやすい
- 水やりの手間が水耕栽培より少ない
- 水耕栽培よりも根が強く育つ
土栽培は、水耕栽培に比べて手間がかからないアボカドの植え方です。
アボカドは発芽してからぐんぐん根が伸びるので、窮屈にならないスペースを確保してあげることが大切です。
土栽培であれば、発芽後も植え替えずそのまま管理できます。
乾燥に弱い性質を持つアボカドは、水やりのタイミングも気を付けなくてはいけません。
水耕栽培で育てる際は毎日水を取り替える必要がありますが、土栽培なら土の表面が乾いたら水をやる頻度で大丈夫です。
さらに、栄養がすぐに摂れる水耕栽培よりも土栽培の方が太い根が生える傾向にあるため、初心者でも失敗しづらいでしょう。
アボカドを水耕栽培で育てるなら部屋のインテリアに!
アボカドを部屋のインテリアとして育てたい人は、水耕栽培がおすすめです。
クリアなコップや容器で育てれば、白い根を観察できるおしゃれなインテリアになります。
ただし、アボカドの成長スピードは早いので、根が伸びることを考慮して十分な深さのコップや容器を用意しておく必要があります。
<水耕栽培のやり方>
- アボカドの種についている果肉やぬめりをきれいに洗い流す
- 種のとがっている部分を上にして、楊枝を3〜4本斜めに指す
- 小さめの容器へ種をセットする
※楊枝を容器のフチへひっかけるように - 種の下から3分の1が浸るように水を入れて完了!
コップや容器に張った水は毎日取りかえて、日の当たる場所においてあげましょう。
コップや容器がアボカドの根でいっぱいになったら、土栽培へ植え方を切り替えることもできます。
食べ終わったアボカドを栽培できるの?収穫までどれくらい?
アボカドは、食べ終わった種から簡単に発芽し、収穫まで自宅で栽培できます。
アボカドが木になって実をつけるまでは5〜15年ほどかかりますので、観葉植物として気長に楽しむといいでしょう。
アボカドを収穫するには、結構時間がかかる!
注意点として、アボカドは雄花と雌花の咲く時期が違うため、1本では実をつけられません。
受粉させるためには、2品種以上を栽培してみてください。
アボカドに適した環境は?
栽培期間 | 通年 |
栽培温度 | 15〜30℃ |
発芽温度 | 20℃前後 |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 普通 |
アボカドの最適な植え方は、日当たりがよく風が強く当たらない環境を作ることです。
熱帯の気候を好む植物のため、寒すぎない時期に植え付けを行うことが必要です。
アボカドの種を植え付けるタイミングは、5〜9月頃が気候としてベストでしょう。
アボカドの品種は1,000種類⁉どれを選べばいいの?
アボカドは1,000種類以上もの品種が存在していますが、日本のスーパーで手に入るのは「ハス種」のほぼ1種類です。
原産国が中南米といわれるアボカドは、日本で流通するほとんどがメキシコから輸入しています。
そのため、すぐに手に入るアボカドはメキシコ産の品種であるハス種なのです。
日本で流通する99%のアボカドが輸入なんだって!
しかし国内でも和歌山県や愛媛県のように、アボカドの生産がさかんな地域があります。
国産アボカドを選べば、ハス種以外のアボカドを楽しめるでしょう。
ここからは、ハス種をはじめとするアボカドのおすすめ品種を紹介します。
ハス種
ハス種はすぐに手に入るアボカドの品種のため、手軽にアボカドを植えたい方へおすすめです。
果皮がゴツゴツしているのが特徴で、未熟なときは緑色ですが熟すと黒っぽくなります。
メキシコ産のアボカドは薄緑色をした果実で、サイズは小さめですが強い香りと濃厚な味が魅力です。
ベーコン種
ベーコン種は、耐寒性があり日本で栽培可能な品種のため、アボカドの植え方に自信がなくても育てやすいです。
ベーコン種は果皮が薄いので熟しても緑色のままですが、濃厚な味をしています。
果実のサイズが大きく、なめらかな舌触りと上品な味わいが美味しいと人気です。
国内の生産量が少ないので、通販などで購入するといいでしょう。
ベーコン種のアボカドを生産している和歌山県の橋爪農園では、アボカドの苗木も販売しています。
苗木の購入は要予約となっているので、気になる方はチェックしてみてくださいね。
フェルテ種
フェルテ種も耐寒性があるアボカドの品種のため、初心者にも育てやすい品種です。
西洋ナシのような形をしていて、果実が約220g前後まで大きくなります。
なめらかな食感とクリーミーな甘みのある味わいをしているため、世界的に最も人気があると言われる品種です。
フェルテ種も国内の生産量が少ないため、通販などでの購入がおすすめです。
アボカドの植え方!ステップ①鉢植えで育てよう
アボカドを土栽培で育てる場合、地植えするよりも植木鉢で種を発芽させる植え方がおすすめです。
アボカドは地植えすると、なんと最大25mまで成長する植物です。
鉢植えであれば2mほどの高さなので、観葉植物として楽しめます。
さらに、アボカドの株が小さいうちは気温10℃以下の寒さに弱いため、室内に移動できる鉢植えの方が便利な植え方です。
アボカドの植え方!ステップ②土を選ぼう
アボカドの植え方では、元気に発芽・栽培するために最適な土を選ぶことが重要です。
アボカドは弱酸性で、水はけと水持ちのバランスのよい土を好みます。
市販の園芸用培養土や果物用培養土で十分ですが、自分で配合する場合は小粒の赤玉土と腐葉土を7:3で混ぜて使用してください。
鉢植えやプランター用で販売されている土なら、購入してすぐ使えるので手間が少なく、おすすめです。
アボカドの植え方!ステップ③種の向きに気をつけよう
アボカドの植え方では、正しい種の向きを知っておくことが大切です。
アボカドの種をよく見ると、球体ではなく先のとがった卵型をしています。
とがった部分を上に、丸くなった部分を下に向けて土へ埋めるのが、アボカドの種の植え方です。
水耕栽培も同様に、正しい種の向きで育てましょう。
アボカドの種の植え方
【用意するもの】
- よく洗ったアボカドの種
- 植木鉢又はプランター
- 培養土
- 鉢底石
- 植木鉢の底に鉢底石を敷く
- 鉢底石の上から培養土を入れる
- アボカドの種のとがった部分を上向きにして植え付ける
- アボカドの種は下半分が埋まるくらいに土をかけ、頭は少し出ている状態にする
- 水をたっぷりやって完了!
植えたあとは土が乾かないように水やりを忘れずに行ない、日当たりのいい場所で管理しましょう。
順調にいくと、アボカドの種は2週間から1カ月ほどで発芽します。
アボカドのお手入れはどうするの?
アボカドを長く楽しみたいなら植え方だけでなく、季節に応じたお手入れや成長スピードの管理が重要です。
ここからは、アボカドのお手入れ方法についてみていきましょう。
アボカドは肥料で元気に育つ
アボカドを元気に育てたいなら、肥料を使って追肥してみましょう。
追肥とは、植物の生育に応じて必要な養分を追加で与えることです。
アボカドが生育期に入る3〜9月や、花を咲かせる5月前後に追肥するといいです。
生育期は3月と9月に1回ずつ、2〜3カ月効果が続く緩効性の化成肥料を規定量を与えます。花を咲かせたら、液体肥料を加えるといいでしょう。
肥料が多すぎると、アボカドが成長しすぎるので要注意!
アボカドは植え替えが必要?時期や注意点は?
アボカドは急激に成長するため、定期的な植え替えが必要な植物です。
アボカドの根が、窮屈な植え方になっていないよう2年に1度を目安に行います。
植え替えの時期は、5〜6月がベストなタイミングです。
今よりさらに大きく育てたいなら、一回り大きな植木鉢やプランターを用意してあげましょう。
コンパクトなまま育てたいなら、同じサイズの植木鉢やプランターにまた植え付けてかまいません。
しかし、根詰まりがないかチェックしてください。
植木鉢の底から根が出ていたり、葉が黄色くなっていたりしたら根詰まりの可能性があります。
アボカドの植え替え方法
- 植え替え用の新しい土を用意する
- 根についた土は崩さずそのまま植える
- 水をたっぷり与える
アボカドは水が足りていないと葉が下向きの状態になるので、よく観察してあげてください。
暑い時期は、水切れを起こしやすいため気を付けましょう。
逆に、寒い時期は根腐れを起こしやすくなるため、水やりを頻繁にやる必要はなく土の表面が乾いているときだけ行ってください。
アボカドが大きくなったら剪定も!
アボカドが大きくなってきたら、剪定(せんてい)作業も合わせて行いましょう。
アボカドは、植え方によってはどんどん木が伸びて20m近くなることもあります。
剪定は、成長の早いアボカドの大きさをコントロールする意味でも必要な作業です。
斜めや水平方向に伸びる枝を残し、垂直に伸びる枝をカットしていきます。
アボカドの枝や葉を剪定をするコツは、横方向に広がるようイメージしてかたちを整えるといいでしょう。
剪定は、4〜6月に行ってくださいね!
アボカドの夏の過ごし方は?水やりの頻度は?
夏のアボカドは、葉が全て下を向きしおれたような状態になったら水やりをしてあげましょう。
ポイントは、アボカドが水切れしないように、しっかりと水を与えることです。
アボカドの地植え栽培や、アボカドの植木鉢を室外に出している場合は、自然の雨だけで十分に成長します。
しかし、雨の降らない時期が続いて乾燥していたときは、涼しい時間帯にしっかり水やりをするようにしてください。
アボカドは寒さに弱い?冬の越し方
アボカドは、寒さに弱い植物なので、冬は20〜25℃の適温を保てる環境を用意してください。
特に、アボカドの土へ霜がおりるような植え方や状態は避けたいところです。
冬の間は暖房の効いた室内で育てたり、風よけにビニールなどで覆ってあげたり、一定の温度を保つ配慮が必要です。
アボカドを室内で育てる場合、冬の間は加湿しすぎないように注意!
水やりの量や頻度によって、根腐れする可能性があります。
アボカドも病気になったり害虫がついたりするの?
アボカドを育てる上で注意しなくてはならないのが、「炭そ病」という病気や、「ハダニ」「カイガラムシ」といった害虫です。
炭そ病
- カビが原因の病気で、アボカドの葉に黒褐色をした病斑があらわれる
- 炭そ病にかかると治療ができないといわれているため、症状が出た葉は全て切り取って捨てなくてはならない
ハダニ
- 葉裏に寄生する害虫で、白くて小さな斑点があらわれるため葉色が悪くなる
- アボカドは、落葉し枯れてしまうことがあるので注意が必要
カイガラムシ
- カイガラムシに寄生されると、栄養素が吸われて生育が悪くなる
- カイガラムシが原因ですす病を引き起こすこともある
- すす病にかかると、茎や葉・果実の表面に付いた黒いすすが徐々に広がっていく
炭そ病もハダニ・カイガラムシも、枝が密集して風通しが悪いことが発生原因です。
アボカドが育って葉が茂ってきたら剪定を行い、風通しのいい状態を保つようにしましょう。
まとめ
- アボカドの植え方は、土栽培と水耕栽培の2種類!土栽培は「アボカドを簡単に大きく育てたい人におすすめ!水耕栽培より手間も少ない!
- 水耕栽培は、アボカドを観賞用やインテリアとして楽しみたい人におすすめ!
- 食べ終わったアボカドの種をそのまま栽培できるが、実をつけて収穫するまでは5〜15年ほどかかる
- アボカドのおすすめ品種は「ハス種」「ベーコン種」「フェルテ種」の3種類!
- アボカドを土栽培なら、地植えするよりも鉢植えで育てる方が管理しやすい
- アボカドを育てる土は、市販の培養土で十分だが自分で配合することもできる
- アボカドを植えるときのポイントは、種の向きをとがった方が上になるように向けること!
- アボカドが発芽したあとは、剪定や水やり、寒さ対策などお手入れもしっかり行うこと
アボカドは、食べ終わった種から発芽させて育てられます。
アボカドの正しい植え方を覚えて、アボカドの成長を自宅で楽しみましょう!
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