大根の煮物、これは日本の家庭料理の定番ですよね。しかし大根を煮てみたら苦かった!そんな経験はありませんか?
家族が美味しく食べてくれる顔を想像してたくさん作ったのに、家族が箸を付けてくれないってすごく悲しいですよね。
苦い大根の煮物をリメイクして美味しく食べる方法はないのでしょうか。
また、次回からはどのようにすれば、最初から苦くない大根の煮物を作ることができるのでしょうか。
この記事では、大根の煮物が苦いと感じたときの手直し方法から、大根の煮物が苦い原因、大根の煮物が苦くならない作り方まで、詳しく解説していきます。
この記事を読んで下さったあなたが「だれも食べてくれない苦い大根の煮物を一人で食べる悲しい思い」を味わうことがありませんように!
大根の煮物が苦いのはなぜ?苦い原因と理由
時折、大根の煮物が苦いと感じることがあります。なぜ苦いと感じてしまうのでしょうか?
苦みの原因となっている物質や、大根の煮物が苦い理由について詳しく見ていきましょう。
大根の煮物が苦い原因はイソチオシアネート
まず、大根が苦い原因の一つは、大根自体に含まれる成分によるものです。大根には、イソチオシアネートという成分が含まれており、これが辛味や苦味を引き起こします。
生で食べる大根おろしが辛いのも、このイソチオシアネートという物質が原因です。
イソチオシアネートはアブラナ科の植物に含まれ、辛味や苦みの原因物質となっています。
大根以外にもキャベツや水菜、ブロッコリー、ケール、ワサビなどにも含まれています。
そういえばキャベツも辛い、苦いということがあるね。
苦いケールや辛いワサビにも含まれている成分というのも納得!
苦い成分が多く含まれる大根
大根おろしにするときは、先端の方ではなく首(葉がついている方)を使いなさいと母から教わりました。
なぜ?大根の部位によっても辛さ、苦さは変わるの?
そうなんです。辛い、苦いと感じる原因物質は、大根の首(葉に近い)部分には少なく、先端に行くほど多くなります。
また輪切りにしたときは、中心に近い部分ほど甘く、皮の下の繊維質の部分ほど辛い、苦いと感じる成分が多く含まれています。
あとは夏に収穫される大根は辛い、苦いと感じることが多いのよ!
大根は季節によっても辛味、苦みが変わります。夏の大根は辛い苦いと感じるものが多く、冬は甘い大根が多くなります。なぜでしょう?
そもそもこの「美味しくない」成分は、大根が虫から自分の体を守るために作り出している成分なのです。
虫が多い夏の大根や、虫が攻めてくる皮に近い部分が辛くなるのも納得ですね!
苦みや辛味は、大根が虫と戦うために必要なものだったんだ。人間の体にも良い成分だから許してやって~。
大根の煮物が苦いのは調理方法にも原因が!
大根が収穫された時期や、大根の部位によって辛い、苦いと感じる成分の含有量が変わることは分かりました。
じゃ、夏におでんはたべられないの?
夏でもおでんの大根、食べたい!
大根の煮物が苦い原因は、苦み成分であるイソチオシアネートですが、煮物が苦い理由は調理方法にもあります。
イソチオシアネートは、加熱により揮発、分解します。辛すぎる大根おろしは電子レンジでチンすると辛味が和らぐというのもこの原理になります。
大根を煮る際に、十分に火が通っていないと、大根の中に含まれるイソチオシアネートが十分に分解されず、結果として苦味が強くなります。
大根のせいだけじゃなくて、私の調理も悪かったのね。
でもどうしよう。苦い大根の煮物がいっぱい!
安心してください。まずは目の前の苦い大根の煮物をなんとかして食べられるようにしていきましょう!
その後で下茹でのコツや、下茹で無しでも美味しく大根の煮物が煮られる情報をお届けしますね!
大根の煮物が苦いときの対処法!酢やレモンで苦みを軽減
「下茹でをしておけばよかったのに」って、苦い大根の煮物が出来上がってしまってから言われても泣きたくなるだけですよね。
煮物のまま、後から対処することも可能なので、安心してください。
酢やレモンなど酸味があるもので苦みを軽減♪
すでに出来上がってしまった大根の煮物が苦いときの対処法として、酢やレモンなど酸味のあるものを少し加えてひと煮たちさせると、苦みが和らいで食べやすくなります。
すだちを搾って入れて対処する人もいるようですね。酸味があるものとして、以下のものがあげられます。
- レモン
- すだち
- 酢
- ポン酢
ちなみに私はヤマサの昆布ポン酢がオススメ。大根が苦くなってしまったときって煮汁も少なくなってしまっていることも多いので、ちょっと水も足して、昆布も追加して…一石二鳥かなと。
ただの酢よりまろやかで使いやすいのと、我が家にはレモンやすだちは常備されていないので重宝しています。
あまり入れすぎると、今度は酸っぱくなりすぎるので、好みに合わせて少しずつ入れてくださいね!
なぜ酢やレモンで苦みが軽減されるのか
大根の煮物が苦い時に、酢やレモンなどの酸味のあるものを入れるとなぜ苦みが消えるのかとても不思議でした。
何かの化学反応でも起きているのかと思って調べましたが、それらしい答えは見つかりません。
結局、酸味で苦みをごまかしているのだなという結論です。人間は苦みより酸味の方を強く感じるらしく、酸味が強くなると苦味を感じにくくなるそうです。
確かに酢やレモン、ポン酢を後から加えると、その味はどうしても表面にとどまるので、酸味が前面に出てくる味の煮物になります。
よ~く味わうと、苦みは残っているかもしれませんが、爽やかな酸味の煮物という別物に生まれ変わっているので、苦みはあまり気にならなくなるのではないでしょうか。
リメイク料理を作る時間の余裕もなかったら、とりあえずこの方法で乗り切っていきましょう!
大根の煮物が苦い!大量に作ってしまった煮物のリメイクレシピ
応急処置として酸味のあるもので苦い味をごまかすことはできましたが、酸味が苦手な人にとっては「酸味の効いた大根の煮物」を大量に食べるのもなかなかの苦行ですね(笑)
もとが苦い大根の煮物だったことを忘れるくらい「変身!」させるリメイクをしてしまいましょう!
大根餅にリメイク!
おつまみにもおやつにもなる大根餅。色々な種類がありますね。ここでは煮物に薬味系のネギ・ショウガを加えて大根餅にしてしまいました!
大根の苦みも、ネギやショウガの刺激的な味でかき消され、簡単なのに完ぺきなリメイクメニュー完成です。
- 材料準備材料
大根の煮物(適量)
片栗粉 大さじ3
小麦粉 大さじ2
ネギ 適量
ショウガ 適量
ごま油 - Step1下準備
大根の煮物をビニール袋に入れてつぶす
ネギとショウガはみじん切り - Step2混ぜる
大根をつぶしたビニール袋に、片栗粉、小麦粉、ネギ、しょうがを入れて混ぜる。
- Step3焼く
フライパンにごま油をひいて、カリッと焼く
- 完成完成!
お醤油をかけて食べるなど、お好みで!
大根フライにリメイク♪
私はタケノコの煮物を良くてんぷらにしますが、苦い大根の煮物はパン粉をつけたフライの方が合うような気がします。
ソースをかけて食べるので、見た目も味わいも苦い大根の煮物の面影が100%無くなってGood!って感じですね。
大根がとても苦い場合は、小麦粉・片栗粉にさらにカレーパウダーを加えると苦みが気にならなくなりますよ!
揚げ物にすると、酢でごまかしたときと違って本当に苦い味が抜けるような気がします。
煮物では実現できない温度で調理できるからですかね?それか油に苦みが移るのかもしれません。
- 材料準備材料
大根の煮物 適量
薄力粉 大さじ2
片栗粉 大さじ2
カレーパウダー 大さじ2
溶き卵 1個
パン粉 適量 - Step1大根を一口大にカット
- Step2粉を混ぜる
薄力粉:片栗粉:カレーパウダーは1:1:1の割合で混ぜる
- Step3衣をつける
大根の煮物に粉→溶き卵→パン粉の順で衣をつける
- Step4揚げる
180℃の油できつね色になるまで揚げる
- 完成完成!
ソースをかけて食べると美味しい!
我が家は高齢の母がいるので何でも一口サイズになってしまいますが、若い方でボリューム感が欲しい人はもっと大きく切ってもOK。
強烈に苦い大根の煮物の場合、小さくカットしたほうが苦みが抜けるかも?
大根の煮物が苦い!とならないためには
大根の煮物が苦い!とならないためには、あらかじめ下処理(下茹で)をしておくと良いでしょう。
下茹でをすることで、アクや苦み、えぐみを取り除くことができるとともに、大根が柔らかくなり、味が染み込みやすくなります。
それは分かるけど、毎回下茹でをするのは大変だわ。もう大根の煮物なんてしたくない。下茹では絶対必要なの?
プロ級の料理を求めているわけでなければ、下茹でをしなくても大丈夫だと個人的には思います。
下茹でが必要か否かは「煮る前に生のままちょっと食べてみると良いでしょう。
辛いが強いようであれば、苦みが残る可能性が高いので下茹でをしておきましょう。
下茹でのコツ
たまに「きちんと下茹でをしたのに大根の煮物が苦い」という人もいらっしゃいますが、加熱が不十分だった可能性がありますね。下茹でにはポイントがありますのでご紹介します。
- 大根は必ず水から茹でること
- 茹で時間の目安は大根の色が透き通り、竹串が「スッ」と入るくらいまで
- コメのとぎ汁(とぎ汁なければ米を一緒に入れる)で茹でると良い
- 茹でた後はぬめりを洗い流す
まず、沸騰したお湯に大根を入れてはいけません!時短のつもりで「大根を切っている間にお湯を沸かそう♪」はダメです。
鍋に水と大根を入れて、水から茹でてください。沸騰したお湯に入れると表面が先に柔らかくなってしまいます。
中心が柔らかくなるまで煮ていると、表面は柔らかくなりすぎて煮崩れしてしまいます。崩れるのを避けると中心まで火が通りません。苦味が残ってしまうのです。
お湯が沸騰したら中火にして、大根の色が透き通り竹串が「スッ」と入るくらいまで煮てください。
コメのとぎ汁で茹でるとなお良し。お米に含まれるでんぷんが、大根から出てきた苦みやアクを吸着して冷めていく過程で大根に吸収されるのを防いでくれます。
茹でた後は表面のぬめりを洗い流してください。
下茹で無しでも美味しく煮るコツ
大根を毎回下茹でするのは忙しい主婦には向いていないのではないかと思いますし、光熱費だってもったいないと正直思ってしまいます。
実は私は下茹でなどしていません。それでも食べれないほど苦い大根の煮物ができてしまったことは過去に1回だけです。
ネットで調べた大根の煮物のコツと、我が家のやり方が少々異なることに今回初めて気が付きました。ご参考までにご紹介いたします。
- Step1最初の水の分量は多めにする
いわゆる「大根が浸るほど」よりは多めに水を入れます。「大根が泳げるほど?」というイメージ。
ダシ(鰹節と切り目を入れた昆布)も一緒に入れます。 - Step2強火で加熱~アク取り
ふたは開けたまま、強火で加熱します。
沸騰するとアクが出てくるので、丁寧に取り除く - Step3調味料を加える
みりん→酒→醤油の順で調味料を加える。
ダシが足りないなと思うときはめんつゆを足してもOK。
最後は煮詰まっていくのでこの時点では「思っているよりは少し薄め」で大丈夫です。 - Step4強火で加熱し続ける
(ここがネット情報と我が家は異なるところでした)
多めの水でスタートしているので、ガンガン加熱しちゃってます。
汁が飛び散るほど火が強い時は少しだけ弱めます。
落し蓋もしませんが、大根がまだ硬いのに、汁の減りの方が早いなぁと思ったら落し蓋するときもあります。 - Step5最後の味調整
大根が浸るくらいまで水が減ってきたころ、最後の味調整をします。
丁度良ければ何もする必要はありません。味が薄ければここで調整します。 - 完成完成
あとは味をしみこませて完成です。
強火でしっかり中心まで火を通すので、下茹でをしなくても辛味と苦い成分がどんどん飛んでいってしまうのかなと感じます。
失敗して苦い大根の煮物になってしまったときは、忙しくて、とにかく時短最優先で作ったような気もします。
水から茹でること、アクはとること、アクをとってから調味料を加えること、火をしっかり通すこと。これだけ守れば大きな失敗をすることは無いでしょう。
まとめ
以上、大根の煮物が苦い原因と苦い理由、苦い時に対処法について説明しました。
大根の成分、調理方法、収穫時期など、様々な要素が絡み合って、大根の煮物の味が左右されます。
これらの点を理解することで、より美味しい大根の煮物を作ることができるでしょう。
- 大根の煮物が苦いのは、イソチオシアネートという辛味・苦み成分が原因
- 辛味・苦み成分は「夏の大根」「皮の近く」「先端部分」に多く含まれる
- 大根の火の通りが足りないと苦みが残ることがある
- 大根の煮物が苦い時は、酸味のあるものを少し足すと苦味を感じにくくなる。ポン酢がおすすめ。すだち、レモン、酢もOK。
- 大根の苦みを取るには下茹でをするとよい
- 大根は下茹で、下茹で無しともに、大根は水から入れて煮ること。またアクは取り除くこと
- コメのとぎ汁で下茹ですると苦味が良くとれる
これらのポイントを押さえて、美味しい大根の煮物を楽しんでくださいね。
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