懐かしい香りを嗅ぐと、その時の思い出がふと蘇ることがあります。
嗅覚は五感の中で脳にダイレクトに刺激が与えられる、原始的な感覚。香りが脳に到達するまでわずか0.2秒で記憶に繋がるそう。
人間は古くから香の文化があり、祈りをはじめ癒しや自己表現の一つとして愛用されてきました。
あなたもお気に入りの香水を「ここぞ!」というシーンで使いたくて、大事に持っておいたりしませんか?
でも待って!その香水、実は保管環境によって肌に使うのはリスクがある状態かも。一度あなたの香水の状態を確認してみませんか?
今回「香水が古いならどう使える?生活がうるおいをもたらす活用法5選」をテーマに、古くなった香水の活用法をご紹介します。
思い出の香りを使って、ちょっとあなたの生活の質を向上させちゃいませんか?
香水の古いものはこう判断する!意外と使用期限が短いワケ
香水って、どのくらい経ったモノが古いものになるの?
化粧品は医薬品医療機器等法(旧薬事法)に準じて作られています。
その法律の中で、適切な保存条件の下、製造後3年以内で変質する可能性がある化粧品を除き、使用期限や製造日を表示する義務はないとされています。
一般的な化粧品は未開封であれば3年以上は品質が保たれるように製造されているため、使用期限や製造日が記載されていない製品が多いのです。
香水は、化粧品と同じ医薬品医療機器等法に準じています。だから、香水の使用期限は製造日から3年は大丈夫。
でも、あなたの手元にある香水は、さっき出荷したばかりの商品ではないですよね?
買ってからしばらく経っているものなら、まず3年以上は経過していると考えましょう。
「3年以上品質が保てる香水なのだから、まだ大丈夫」と油断していると、あなたは香水の劣化を見落としてしまうかもしれませんよ。
今すぐチェック!香水が劣化しやすい4つの条件
香水は3年以上品質が保たれるものは「適切な保存条件で管理された商品」です。品質を保つのに適していない環境なら、香水の品質は劣化しているかもしれません。
あなたは香水を、下記のような環境に置きっぱなしにしていませんか?
上記の劣化しやすい環境に一つでも当てはまっていたら、3年以上持つはずの香水も変質している可能性が…。
こうなると肌に直接使用することはおすすめできません!
どうしても使いたいのなら、必ず使用する前に腕にパッチテストをするか、ティッシュなどに吹き付けて、香りに違和感がないかを確認するようにしましょう。
最適な環境下で保管すれば、3年どころかワインのように数十年前の香りを楽しむことも可能と言われている香水ですが、万全な管理は難易度の高いもの。
まずは一般的な香水の使用基準を理解して、シンプルに香りを楽しむことから始めてみましょう。
開封した香水の使用期限は1年以内が望ましい
香水を使用する際、意外と見落としがちなポイントが1つあります。
香水は開けたら、使用期限が1年以内に短くなるということ。
先ほど、化粧品は「未開封であれば3年以上は品質が保たれるように製造されている」から製造年月日や使用期限を記載しなくても良いとお伝えしました。
しかし、開封した香水には劣化のリスクがあることをご存知でしょうか。
香水はエタノールと香料、蒸留水で作られています。その中のエタノールと香料は揮発性が高く、ボトルの密閉度が低いと香水の中身が減りやすいのです。
また、使用していれば香水が紫外線に当たったり、スプレー口に直接触れたりすることもあるでしょう。このような日常で起こるシーンから酸化や雑菌が増えてしまうのです。
香水の原料のバランスが崩れると、色や香りが変わっていきます。
透明色や染料で色の付いた香水でも黄ばみだし、さらには飴色のように濃くにごるように。香りは雑菌により埃っぽくなったり、酸化した精油(香料)の香りが強くなったりします。
一度でも開封したのであれば、香水は他のコスメと同様1年以内に使い切るのがベスト。
香水が古いなら使い道を変えよう!香りを楽しむ5選
香水は化粧品と同じく、開封後1年以内に使い切ることがベストということが分かりました。
でも、1本消費しきるなんて無理!
古い香水は、もう捨てるしかないの?
いえいえ、そんなことはありません!古い香水だって、1年経っていきなり腐るわけではありません。思い出の香りはまだあのころのまま、現役でつかえそうなものがあるでしょう。
まずはティッシュに1プッシュ香水をかけてみてください。このときの香りに違和感がなければ、まだその香水は使えます。
それでも肌に触れることが気になるなら、香水を肌につけるのではなく、別の形で香りを活用してみませんか?今は香りを楽しむアイテムが豊富なのです。
あなたの大切な香りをムダにすることなく、大切に使ってみましょう!
活用法1アロマストーン
アロマストーンって知っていますか?専用の石にアロマ精油を垂らして香りを楽しむアイテムなのです。
- 陶器や珪藻土の石:石に液体を吸わせてゆっくりと香る
- 天然石:手入れがしやすく、香りが長持ちしやすい
電気も水も使わず香りを楽しめるので、初めての人にもトライしやすいアロマアイテム。置き型や、つり下げ型などライフスタイルに合わせて、香りを堪能できます。
実はアロマストーンはアロマ精油の代わりに古くなった香水を活用できるのです。使い方はカンタン、アロマストーンの上に香水を1~2プッシュかけるだけ。
アロマストーンは100円ショップでも取り扱っているので、気軽にトライできますよ。一日の終わりに、大好きな香りでリラックスタイムを過ごすのはいかがでしょうか。
活用法2ルームフレグランス
ルームフレグランスは、もはや定番の香りのインテリア!すでに使っている方もいるでしょう。
せっかくなら、古くなったけどお気に入りの香水を、ルームフレグランスとしてディフューザーにしてみるのはどうでしょうか?
必要な材料は、小瓶とウッドスティック2つだけ。こちらも100円ショップで手に入れられますよ!
お部屋の香りをやわらかく控えめにしたい人は、ウッドスティックを2~3本と少なめに。しっかり香りたい人はさらに1~2本スティックを増やしてみてください。
お部屋の入口付近に置いたら、ドアを開けるたびにふわり。香りがあなたをお出迎えしてくれますよ。
活用法3身の回りのモノに香りづけ
素敵な香りがほのかに香る人、憧れますよね。
香水は、不慣れな人だと1回で2プッシュ以上押してしまうそう。ガッツリ匂う香水は、本人は満足していても周りにとっては迷惑だったりするのです。
古くなった香水でも、香りが劣化していないのなら、自分の持っているアイテムにシュッとひと吹きしてみるのはいかがでしょうか。
自分の肌ではなく、小物に香りをまとわせることでさりげない香りを楽しむことが出来るのです。
ハンカチにひと吹き!バッグを開くたびにふわりと香る
例えば、必需品のハンカチ。タオル地でも布地でも構いません、たたんだ折り目の内側に1プッシュ香水をかけてみましょう。
香りが繊維にしみ込み、ゆっくりと揮発していくので肌につけるよりも長時間香りを満喫することができます。
バッグを開けた時やモノを取り出すときにもフワッと香りで癒される瞬間が♪
ただ、変色した香水を使用するとハンカチの繊維に色がついてしまうことがあるので、色味の濃いハンカチを使うことをおすすめします。
ヘアブラシにシュッ!で髪が動くたびに香り立つ
香水は、空気中に1プッシュしてその下をくぐる位がちょうどよい香りの分量と言われています。あくまで控えめに香るのが香水の上手な付け方なのです。
とはいっても、古くなった香水でそれをするのは気が引ける…。
それならば、ヘアブラシに1プッシュして、髪の毛をブラッシングするのはいかがでしょうか。
香水を吹き付けたブラシは、軽く振って香りを広げた後にブラッシングする方が良いでしょう。
香りの付いたブラシでブラッシングすれば、ヘアコロンのように髪が動くたびにほんのり香りが広がりますよ。
金運UP!?お財布に良い香りを忍ばせてお金を浄化!
日本ではその昔、仏教と一緒に香が伝来し、香りの文化が根付いていったそう。
その香は不浄を払い、心を整えるときや魔除け、厄除けなどにも使われていました。今でも風水で香りは重要な運気を変える役割として使われています。
風水ではお金は色々な人の手に渡ることから「邪念が入りやすい」と言われています。お金に香りをまとわせることでお金についた邪念を浄化でき、金運アップにつながるそう。
たしかに好きな香りは、ネガティブな気持ちを取り払ってくれますよね。
風水ではそれと同じように、お財布にあなたのお気に入りの香りを入れると「お金を浄化する」ことになります。
金運上昇のお守りとして、大好きな香りを振りかけてお財布に忍ばせてみるのはいかがでしょうか。
お札やお財布に直接香水をかけるのは、傷むのでNG。名刺大のカードにあなたのお気に入りの香水をつけてお財布に入れるようにしましょうね。
活用法4トイレットペーパーの芯がひと吹きで芳香剤に
トイレの芳香剤って自分の好きな香りがない…。そんな人にオススメな方法です♪
あなたの古い香水を、1プッシュ今お使いのトイレットペーパーの芯にかけてみましょう。そうすると香水入りのトイレットペーパーを使わなくても良い香りがトイレに広がります。
ペーパー本体でなく、芯に香りを振りかけるので肌に触れる心配がないのもポイント。トイレに入るたび、あなたのお気に入りの香りでリラックスできるはず!
1円もお金をかけずに今すぐ古い香水を使える、とっておきの活用法なのです。
活用法5さりげなく香るクローゼットのサシェ
あなたは「サシェ」をご存知でしょうか。フランス語で香り袋という意味です。
このサシェはクローゼットやタンスの中に衣類と一緒に収納して、香りをまとわせるもの。車の芳香剤として使われている人もいますよね。
一般的にサシェはドライフラワーやハーブを小さな袋に入れたものなのですが、最近ではアロマキャンドルやアロマストーンをポーチに入れた変わり種もあります。
あなたの香水を活用するなら、香りを付けたミニタオルを小さな巾着や布製ポーチに入れて、簡単なサシェとして使ってみるのはいかがでしょうか。
服に直接香水を吹きかけていないので、布地が変色することもありません。香りもさりげなく付くので、強い香りが苦手な人にもおすすめできる方法です。
香水が古いと臭い?そんな時は正しく分別して再利用
私の香水、完全に香りも色もアウトだ…。
残念ながらもう使えない。
長年大切にしていたからこそ、もったいなくて使えなかった。
そのまま時は流れて、完全に使う機会を失ってしまった香水は決して少なくありません。
例えば今ではもう販売していない香水や、プレゼントの香水。あなたの大切な思い出が詰まっているものがあるはず。
香水は香りはもちろん、香水瓶は見た目も洗練されていて素敵なものが多くあります。
ペンチを使えば香水瓶を分解して、ゴミとして分別することもできるのです。
しかし、大切な思い出のものであれば、その香水瓶をインテリアとして飾るのはいかがでしょうか。
中身を出し切って思い出の香水瓶をインテリアとして使う
あなたの思い出を作り出した素敵な香水瓶。せっかくなら中身だけ出して、瓶を飾ってみてはいかが?
スプレーの所を回して開封して、ジッパーバッグにティッシュや新聞紙をつめたものに香水を出し切ってしまいましょう。
劣化した香りが強くなっているので、換気扇のあるところで作業するのがおすすめです。
もし、スプレーを回せない形状の香水瓶なら、先端が鋭いニッパーを使ってゆっくりこじ開ける必要があります。
力が入る作業になるので、瓶を割ったりけがをしたりしないように十分気を付けましょう。
香水の中身は、ジッパーバッグの封をしっかり閉めたら、燃えるゴミに出せますよ。
ボトルの金具は金属ゴミです。自治体により金属ゴミの分別方法が異なるので、必ず確認の上捨てるようにしましょう。
最後に、キッチン洗剤などで、香水瓶のパーツはしっかり洗浄・乾燥してからインテリアとして楽しみましょう。
特に香水瓶のスプレー口やフタは香水が付着しているので、仕上げはアルコールスプレーなどで念入りに拭いておくのがおすすめ。
液体がなくなっても、瓶をディフューザーや一輪挿しにするなど、香水を楽しむ新しい方法の一つとしてまだまだ活用の幅は広がります。
まとめ
今回は、「香水が古いならどう使える?生活がうるおいをもたらす活用法5選」をご紹介していきました。
本記事のポイントをおさらいしていきましょう。
- 香水の古いものはこう判断する!意外と使用期限が短いワケ
香水が劣化しやすい4つの条件
開封した香水の使用期限は1年以内が望ましい - 香水が古いなら使い道を変えよう!香りを楽しむ5選
①アロマストーン
②ルームフレグランス
③身の回りのモノに香りづけ
④1プッシュでトイレットぺーパーの芯が芳香剤
⑤クローゼットのサシェ - 香水が古いと臭い?そんな時は正しく分別して再利用
好きな香りの香水は自分のアイデンティティのひとつ。あなたを表現する香りを楽しむ方法は、何も肌につけるだけではありません。
まもなくやってくる10月1日は香水の日。各ブランドから新作香水が登場するシーズンです。
新しい香水も良いですが、大切な思い出の香りをムダにせず、サスティナブルに活用するのも素敵な楽しみ方だと思いませんか。
ぜひあなたの大切な香りを有効活用してみてください。
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