秋の味覚、栄養満点のかぼちゃ♪だけど皮が硬いかぼちゃは切るのが大変!
そのため、ついつい料理するのを先延ばしにしていたら、なにやら白いものが…もしかしてカビ?ということは誰もが一度は経験されているのではないでしょうか?
ところで「かぼちゃに出現した白いもの」は食べても大丈夫なのでしょうか?
果肉に白い塊があるのよ。切り口にも白い結晶のようなものが…。
私は種とわたの部分に白いふわふわしたのものがあるわ。
僕は皮に白いカビのようなものが生えちゃった!
皮が白いかぼちゃを頂いたけれどどうしよう!?
かぼちゃが白い原因は色々あり、食べられるのか食べられないのかも変わってきます。
かぼちゃが白い原因別に食べられるか否かを詳しく見ていきましょう!
かぼちゃが白い原因は?食べても大丈夫?
かぼちゃが白い主な症状とその原因を、下の表にまとめました。
症状 | 原因 | 食べられるか否か |
かぼちゃの果肉と皮の間に白い塊 切り口の表面に白い結晶のようなもの | でんぷんの析出 | 食べられる ※苦い、臭いときは食べない |
かぼちゃの種やわたの部分に白い綿状(糸状)のもの 緑や黒の場合もある | カビ | 食べられない |
かぼちゃの種やわたが白い かぼちゃの果肉自体が白っぽい | 未熟 | 食べられる |
かぼちゃの皮の外側やヘタの周囲に 白い綿状、粉状の塊 | カビ | 食べられない |
かぼちゃの皮の一部が白いor黄色い | 白いのは日焼け 黄色は地面についていたため色がつかなかったもの | 食べられる |
かぼちゃの皮全体が白い | 品種によるもの | 食べられる品種と食べられない品種がある |
かぼちゃが白い症状と原因について、さらにくわしく見て判断していきましょう。
かぼちゃの果肉部分の白い塊や白い結晶はでんぷん
かぼちゃの皮に近い部分に白い塊や白い結晶のようなものを見たことはありますか?また切り口が白くなってしまったこともあるでしょう。
腐っているような感じではないのですが、これは何なのでしょう?
食べても大丈夫なのでしょうか?
白い塊や白い結晶の正体
これは主に、種や種のまわりの「わた」の部分ではなく、果肉(実)の部分に発生します。
写真にあるような白い塊の正体はでんぷんや糖分が析出したものです。
かぼちゃをカットしたときには無かったのに、時間がたつとカット断面に白い結晶(細かい粉のようなもの)が現れることもあり、これも同様にでんぷんや糖分です。
白い塊や白い結晶ができてしまう原因
白い塊は果肉が脱水状態になることで発生し、栽培期間中の天候が影響しています。
玉が最も肥大する交配後3~5週間目に雨が降らず、十分に水分が得られないと発生しやすいといわれています。
かぼちゃをカットした断面に発生する白い結晶も同様で、断面の乾燥がすすむにつれ析出し、目に見えるようになります。
白い塊や白い結晶があるかぼちゃは食べられる?
基本的には「程度の問題」という事になりますが、切り取ってしまって食べられます。
ただし、味に苦味を感じたり、加熱すると青臭いような薬臭いにおいがするときは、食べないようにしましょう。
脱水状態になることにより白い塊が発生することをクリスタル現象とよびますが、必ずしも外皮まで症状が出るとは限りません。また白い塊は層状に発生するわけでもありません。
そのためカット断面に目に見える形で現れるとは限らず、見逃したまま調理してしまうこともあります。
著しい場合は外側の皮にも症状が出ていますので、皮の色がおかしいと思ったら、あらかじめその部分は割って内部を確認しましょう。
引用:石川県ホームページ
クリスタル現象が原因で苦いかぼちゃには、特に食中毒を発生するの恐れはありません。苦い、青臭いのがデメリット。せっかく作ったのに不味いという悲しい結果に。
しかし、苦いかぼちゃの中にはククルビタシンによる中毒が発生することがあります。ククルビタシンが含まれるかぼちゃは苦味を感じます。
スーパーで買ったかぼちゃは基本的に大丈夫ですが、家庭菜園などでかぼちゃを作り、種も自家採取を続けていると、いつの間にか野生種と交配して食用に適さないかぼちゃになることがあります。
「食用かぼちゃは甘いもの。外見に異常がなくても、苦味を感じるかぼちゃは食べない」ことを徹底しましょう。原因は何であれ危険は回避できます。
ちなみにカット断面に析出してくる白い結晶状のものはほとんど問題ありません。気になるようなら表面を薄く削れば大丈夫です。
かぼちゃの白いふわふわは白いカビ
かぼちゃの果肉の部分ではなく、種やその周辺のわたの部分に糸状の白いふわふわしたものが発生することがあります。
緑や黒ならカビだと思えるけど。白いのは何なのでしょう?食べても大丈夫なのかしら?
白いふわふわの正体
上記の写真のような状態であれば、白いふわふわの正体は白カビです。このようなカボチャは種も変色・変質が始まっているのではないかと思います。
また、種やわたに絡みつくように(覆うように)繁殖することが多いです。さらに時間がたつと、白いカビは緑色に変色していくこともあります。
白くて綿のように見えるからといって、かぼちゃの「わた」ではないので、間違えないようにしましょう!
わたの部分に白いカビが生えやすい理由
かぼちゃは種とわたの部分は水分が多く、そのためこの部分に白いふわふわとしたカビが生えやすいのです。
でんぷんの析出によりかぼちゃが白くなる場合は果肉に発生しますが、白いカビは主に中心の種とわたの部分から発生しやすいのはこのためです。
すぐに調理できないときは、たねとわたの部分を取り除いて保存すると日持ちしますよ。
白いカビが発生しているかぼちゃは食べられる?
私は種に少し白いふわふわが生えたくらいなら、さっさとスプーンで取り除いて、すぐに料理していました。
私はこれでおなかが痛くなったことも気分が悪くなったこともありません。
ただし、目に見えるカビを取り除いても、実の深くまでカビの菌糸が入り込んでいることもあるようです。
過熱してもカビ自体は死滅しても、カビ毒は残り発がん性があるようなので、敏感な人は食べない方が良いでしょう。特に小さなこどもやお年寄り、病人などです。
我が家にも高齢者はいますので、今後は白いふわふわしたカビが発生したときは食べないようにします。
もちろん、全体にカビが広がってしまっている場合は、食べないようにしましょう。
未熟なかぼちゃというケースもある
いつもはわたと種の部分までしっかりとオレンジ色なんだけど、今回のかぼちゃはわたが白っぽいの。でもカビが生えているような気はしないわ。
確かに。いや、むしろ新鮮そうに見えるんだけど?ってこともありますね。まだ未熟なかぼちゃはこのようなこともあります。
品種により色味が違うこともありますが、まだ熟していないかぼちゃは種のまわりにあるわたの部分が白いです。
未熟なかぼちゃの判断ポイントは、主に以下の3つがあげられます。
- 種がまだ薄く、膨らみが足りない
- 果肉自体がまだ白っぽい(色が薄い)
- 水分が比較的多い
早生物が出回る時期は、スーパーで買っても熟し切れていないかぼちゃが混ざることがあります。
趣味で家庭菜園をやっていて、適切な収穫時期が分からなくて早く採取してしまうこともあるかもしれません。
未熟なかぼちゃは追熟もできないので早く食べた方が良いのですが、かぼちゃは切ってみないと分からないのが困ったところですね。
水分が比較的多いのでホクホクしたかぼちゃが好きな人には合わないかもしれませんが、一応甘みはあるので食べやすいです。
熟したかぼちゃと同じように料理しても大丈夫ですが、かぼちゃの煮物はぜったいホクホクしているのが良いという人は煮物は避けて、てんぷらとかデザートにしてしまいましょう。
でんぷんかカビか?見分けがつかない?!
でんぷんや糖質の析出であるクリスタル症状か、白いふわふわしたカビなのか。大まかな見分け方は分かりました。
でも、実際に私の目の前にあるこのかぼちゃの白いものはどちらなのか、白黒はっきり分かりにくいケースもありますよね。
そんな場合は、もう少し見た目や感触の情報も加味して判断しましょう。腐っていると判断するポイントは、下記3点です。
- 断面のオレンジ色が、通常より濃いと感じる場合
- 実の部分を指で押したとき、弾力や硬さを感じられず、柔らかい、あるいはべたつきやぬめりを感じる場合
- 納豆のような糸を引く場合
- 酸っぱい匂いがする場合
このような場合は、白いふわふわなカビが無くても、食べるのはやめましょう。カビ(糸状菌)ではなく腐っている場合もあります。
実が柔らかい場合は腐っている可能性が高いですが、わたのみが柔らかいのは熟したかぼちゃの証ですので食べても問題ないでしょう。
かぼちゃの皮が白い?!黄色い?!何かの病気?
カビでもでんぷんでもなくて。かぼちゃの皮が白いのだけど何かの病気かしら?
かぼちゃの皮全体が緑になっていなくて、黄色い部分があるんだけどこれも大丈夫?
かぼちゃの皮が白いのは日焼けが原因
この写真のようにかぼちゃの皮が白い時は、日焼けが原因です。
引用:宝種苗株式会社
一説によると、日焼けした部分から腐りやすいというので、早めに食べた方がよさそうですね。
かぼちゃの皮が黄色いのは地面側で色がつかなかったもの
この写真のようにかぼちゃの皮が黄色い時は、地面についていて、色がつかなかったものです。
かぼちゃの成分と同じものなので心配ありません。プロの農家さんはマットを敷いたり玉返しをして黄色くならないようにしています。
見栄えが少し悪くなる分、安く購入できるのではないかと思います。食べても問題はありません。
引用:宝種苗株式会社
皮やヘタに白いふわふわした糸状のものや粉がついていたらカビ
「皮自体が白い、黄色い」というのではなく、上記の写真のように、後からついているという状態はカビだと思った方が良いでしょう。
収穫時や洗ったときにかぼちゃの皮に傷がついてしまい、そこからカビが侵入したり、ヘタを通じて侵入、あるいは洗ったときにヘタの付け根を良く乾かしていない場合に生えやすいです。
収穫後、バケツの水にドボンとつけてかぼちゃを洗うのはご法度で、汚れは拭き取ってかぼちゃとかぼちゃが重ならないように保存する(傷つき防止)のが原則です。
小さな傷でもカビなどの菌は侵入できます。かぼちゃは皮が硬いので、桃やイチゴみたいに丁寧に扱わない傾向がありますが、大切に扱ってあげましょうね。
当然ですが、皮にこのようにカビが生えたカボチャは食べるのはやめましょうね
かぼちゃには白い皮の品種もある!観賞用のかぼちゃには毒がある
かぼちゃには白い皮の品種もあります。日本で栽培されている代表的なものは「九重栗」「夢味」「雪化粧」などがあげられます。どれもホクホクとして甘くておいしいですよ。
最近、我が家の近くにできた道の駅でも雪化粧と思われる白いかぼちゃが販売されていました。
かぼちゃは緑、白いかぼちゃなんて食べられるの?と思っていましたが、変わった品種も見慣れてくると「白いかぼちゃも食べられる」と意識が変わってきますよね。
注意しなければならないのは、観賞用品種の白いかぼちゃです。特にハロウィンのためにおもちゃかぼちゃや観賞用のかぼちゃを購入して「食べちゃお!」となると危険です。毒があります!
日本ではあまり報告はありませんが、フランスでは食用に適さないかぼちゃによる食中毒による注意喚起がなされています。
苦味のあるかぼちゃには食中毒を起こすものもあり、時に重症化することもある。
有毒なかぼちゃには強い刺激性の苦味物質ククルビタシン類が含まれ、摂取直後に、消化器系の痛み、吐き気、嘔吐、時には血の混じった下痢、さらには入院が必要な重度の脱水症状を起こすことがある。
当該物質は加熱調理しても持続する。野生種のかぼちゃに天然に含有され、捕食性昆虫(の幼生等)を撃退する。
引用:内閣府食品安全委員会
分からないときは、生のまま一切れ食べて苦味を感じたら食べないという方法で、ある程度判別は可能です。もちろんすぐに吐き出してくださいね。
フランスでは、観賞用のかぼちゃが青果売り場で売られることがあるようで、このような事故が発生するようです。
日本でもハロウィンを楽しむ人が増えましたが、間違えて毒のある観賞用のかぼちゃを食べないよう気を付けてください。
まとめ
- かぼちゃの果肉部分の白い塊や結晶は成長期に水不足だったためにできたでんぷん
- でんぷんの塊ができたかぼちゃは、味は落ちるものの食べても問題はない。苦い時は食べないほうが良い
- かぼちゃの種やわたの部分に生えたしろいふわふわはカビ。加熱してカビは死んでもカビ毒は残るので食べないこと
- かぼちゃが未熟なために白い(白っぽい)こともある
- かぼちゃの皮が白いのは日焼けが原因
- かぼちゃの皮が黄色いには地面側で色がつかなかったもの
- 食用の白い品種のかぼちゃもあるが、観賞用のかぼちゃは毒性があり食べられないので注意
食品は新鮮なうちに食べて、傷んだものは食べないのが、健康のためには良いことは分かります。
しかし、食べられるものを捨ててしまうのはもったいないですし、作ってくれた農家さんにも申し訳ないですよね。
一方食用ではないかぼちゃもあり、食中毒を起こすこともあるので注意が必要ですよ。
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