あなたは、ご自身の料理のレベルを上げて、プロのシェフのように美味しい料理を作りたいですか?
今回は、焼く・蒸す・煮るに次ぐ第4の調理法として注目されている「低温調理」について徹底解説します。
低温調理は美味しい料理を作れる画期的な調理法であり、以前はプロの料理人だけが使っていた調理法ですが、今は家庭にも普及し始めています。
「低温調理」と聞いて、このように思われた方もいるでしょう。
料理上手ではない私が、新しい調理法に挑戦することは、メリットがあるのかしら?
高価な低温調理器を購入しても、使う出番が少なくて、無駄にならないかしら?
この記事では、ご家庭で低温調理を行うメリットだけではなく、低温調理器の出番が増えるオススメレシピなどもお伝えします。
低温調理のメリットを徹底解説します!
低温調理とは、食材を焼く・蒸す・煮るという調理法と比較すると、低温を維持しながら長時間加熱するという特徴がある調理法です。
空気よりも熱伝導率が高い水の力&食材を入れる袋の真空の力を利用する低温調理器を使って、調理します。
低温調理のメリットは、主に以下の4つが考えられます。
①柔らかくジューシーな料理が作れる
②ヘルシーで栄養価が高い料理が作れる
③料理や片付けの手間が減らせる
④食費が減らせる
ここから、低温調理のメリットについて、1つずつ解説していきますね。
柔らかくジューシーな料理が作れる
低温調理器を使った調理法の最大のメリットは、食材を柔らかくジューシーに仕上げられることです。
厚切り肉の調理について、フライパンと低温調理器で比べてみました。
フライパン | 低温調理器 | |
加熱方法 | 表面温度が170~180度の金属のプレートで加熱 | 50~70度の低温に保たれた水の力で加熱 |
柔らかさ | 肉の外側は高温のプレートに触れているため、硬くなる。 また、焼き過ぎると、タンパク質の構造に変化が起こり、内側も硬くなりやすい | お肉全体を適温に保った状態で調理するので、内側だけではなく、外側も柔らかい |
ジューシーさ | 火加減を誤ると、タンパク質の構造が破壊されて、肉汁が外に流れるため、パサつきやすく、肉の旨みも減少する | タンパク質の構造が壊れにくい。 肉汁と肉の旨みが保たれやすく、ジューシーに仕上がる |
再現性 | フライパンの特性や火加減により、焼きあがりの状態は変わりやすい | 水温を適温に維持するだけなので、誰でも同じ状態に仕上げられる |
すなわち低温調理器を使えば、経験豊富なベテランシェフが作るレベルのステーキやローストビーフを自宅で簡単に再現したという、夢のような料理が実現します!
ご自身の料理に自信が無い人ほど、低温調理器の力を借りた方が良いですね。
低温調理器を使えば料理を柔らかくジューシーに仕上げられるので、赤ちゃんの離乳食や噛むことに悩みがあるシニアの方にむけの調理が必要な方にも、おすすめの調理法です。
ヘルシーで栄養価が高い料理が作れる
AGE(終末糖化産物)という物質をご存じでしょうか?
AGEという言葉を聞いたことがない方は多いと思われますが、「黒く焦げているところは、食べない方がいい」という話をどこかで聞いており、焦げを食べないように意識されていませんか?
実は、気をつけるべきなのは食品の焦げだけではなく、食品の焼き目も注意が必要なのです。
AGE測定推進協会のホームページでは、下記のように紹介されています。
AGEとは終末糖化産物(Advanced Glycation End Products)、すなわち「タンパク質と糖が加熱されてできた物質」のことです。
強い毒性を持ち、老化を進める原因物質とされています。
小麦粉(糖)と卵や牛乳(タンパク質)をミックスして加熱すると、ホットケーキが焼けます。そして、ホットケーキ表面のこんがりキツネ色になっている部分こそが糖化した部分。ここにAGEが発生しているのです。
つまり食材を焼くとできるキツネ色の焼き目は、食欲をそそられますが、実は身体のためには避けたいもの。
低温調理器を使えば焼き目がつかないので、調理中のAGEの発生を抑えられます。
栄養価に目を向けると、ビタミンなどの熱に弱い栄養素についても、低温調理だから壊れにくいというメリットもありますね。
また、ダイエットの視点でみても、低温調理器にはメリットがあります。
フライパンで焼く場合、調理用の油が必要ですが、低温調理では不要になります。高カロリーな油を使わない分、カロリーが抑えられて嬉しいですよね。
料理や片付けの手間が減らせる
低温調理器の調理は、フリーザーバックや真空袋に食材を入れて水につけるだけなので、フライパンなどの調理道具を使わず、洗い物が減らせます。
調理中の油の飛び散りも無いので、めんどくさいガスコンロの掃除も不要。
調理後は、袋に入った状態のまま冷蔵庫に入れられるから、タッパーなどの容器の用意も必要ありません。
さらに洗い物や片付けが減らせるだけではなく、低温調理器のボタンを押して設定した後は放置しておけるから、のんびり休憩できる時間を作れるという嬉しいメリットも見逃せないですね。
食費が減らせる
低温調理器を使い始めて、外食に行く回数やスーパーで惣菜を買ってくる機会が減った方は多いようです。
高価な食材を使わなくても、自宅で美味しいものが食べられるのなら、お得に済ませられる方がいいですもんね。
また、低温調理は真空パック状態の調理なので、煮汁が少なくても食材に味がしみ込みます。
例えば、お鍋で作る煮物は食材がかぶる量の煮汁を作るために醤油や酒などの調味料をたっぷり使うのに、食べるのは具材がメインで、煮汁のほとんどは捨てますよね。
低温調理の場合は煮汁が少なく、すなわち調味料を使う量も少ないので、食費を抑えられます。食費が抑えられるだけではなく、重たい調味料を買う回数も減らせるのも嬉しいですよね。
低温調理はメリット充実ですがデメリットもあります
低温調理器のメリットをたくさん紹介してきましたが、実はデメリットもあります。ここでは、低温調理器のデメリットと対応方法をお伝えします。
加熱温度と加熱時間を守らないと菌が繁殖するリスクがあります
低温調理器の「低温で加熱する」というメリットは、その過程で菌が繁殖するリスクが大きいというデメリットでもあります。
厚生労働省「食肉の加熱条件に関するQ&A」には下記のように記載されています。
1 63℃で 30 分間以上加熱するかこれと同等以上の殺菌効果を有する方法とは、加熱温度が高く なれば加熱時間が短くなることから、例えば、75℃1分間以上の加熱でも差し支えありません。
2 中心部の温度が 75℃に達してから1分間以上の加熱の目安は、豚の食肉等の中心部の色が白っ ぽく変化することです。
低温調理器は、食材の種類やサイズによって、加熱時間と加熱温度が設定されています。
低温調理された料理の出来上がりは見た目では判断できませんので、自己流で加熱時間を短くしたり、加熱温度を変更したりする行為は、絶対にやめましょう。
また、袋の内部に菌が入れないための衛生管理も重要です。清潔な状態で低温調理が行うために、下記の項目に特に気をつけましょう。
低温調理に限らず、調理家電の正しい使用や清潔を意識した調理は、家族の健康を守るために大事ですよね。
調理に時間がかかるというデメリットもあります
もう1つ、低温調理に考えられるデメリットは、調理時間の長さです。
低温でじっくり加熱するので、フライパンや鍋を使った調理と比べると、調理時間は長くなります。
時間がかかるメニューの場合は、低温調理器に設定されている加熱時間を確認して、出来上がり目標時間から逆算して、調理を開始する時間を調整しましよう。
「夕食の用意の1番始めに設定する」「昼ご飯を食べたら夕食のメニューを設定する」など、定期的に作るメニューにご自身のルーティンを組み合わせれば、スムーズに調整できますよ。
低温調理のメリットを活かしたオススメレシピ
低温調理のメリットを活かした代表的なレシピにはローストビーフがありますが、私が低温調理器で最も作っているレシピは「温泉卵」です。
ローストビーフを毎日食べる方は珍しいと思いますが、卵を毎日食べる方は多いと思います。
低温調理のメリットを使えば、毎日食べる卵を、温泉卵にグレードアップできます。
私は、温泉卵を数日置きに10個ずつ作っています。自宅の冷蔵庫に温泉卵が常時あるのは、本当にメリットしか感じません!
そんな万能な温泉卵のレシピをご紹介します。
私は温泉卵を頻繁に作るので、「低温調理器を購入しても、出番が多くないかも」という、購入前に思っていた心配は消滅しました。
私はこの麺つゆを温泉卵にかけていますが、とても美味しくておすすめです!
まとめ
- 低温調理のメリット4点を徹底解説
①柔らかくジューシーな料理が作れる
②ヘルシーで栄養価が高い料理が作れる
③料理や片付けの手間が減らせる
④食費が減らせる - 低温調理にはデメリットもある
- 低温調理のメリットを活かした温泉卵のレシピ
この記事では、新しい調理法である「低温調理」に挑戦してみたくなるようなメリットと、低温調理器を買った時に定期的に使いたくなるおすすめレシピをご紹介しました。
低温調理器で美味しい料理を作って、家族から感謝される存在になれたら嬉しいですね。
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