枕カバーは洗っているけれど、枕本体の洗い方がよく分からないという人は多いのではないでしょうか。
枕は毎日使うものなので、あまり考えたくはないですが、目には見えなくても汗や皮脂が染みこんで汚れている可能性があります。
放置すると雑菌やダニの温床となり、ニオイやお肌のトラブルの元になることも。
枕本体は、年に2回程度の定期的な洗濯が推奨されています。
とはいっても、今使っている枕は洗えるのか、洗い方や洗濯表示など、わからないことがあると不安…。
そこで本記事では、枕の中身が洗える素材か確認し、洗濯表示の見方や洗い方についてわかりやすく解説していきます!
枕の洗い方を知る前に確かめること
枕の洗い方の説明の前に、枕には洗える素材と洗えない素材があります。まずは今使っている枕の中身と、タグに書かれた洗濯表示を確認してみましょう!
※同じ素材でも、洗える場合と洗えない場合があるので、この後の洗濯表示もしっかりと確認してから洗濯しましょう。
自宅で洗える素材
- ポリエステルのわた
ポリエステルをわた状にした人工繊維で、衣類にもよく用いられる素材です。 - コルマビーズ・ミニボール
プラスチックのボール(直径1cm程度)に穴があいた形状の素材です。 - ポリエチレンパイプ・ストロー
ストローを短く切ったような形状の素材です。
- 高反発ファイバー
ポリエチレンを繊維状にしたものが複雑に絡み合ってできている素材です。
- ビーズ
小さく細かい発泡ビーズです。
自宅で洗えない素材
- 高反発・低反発ウレタン
水で濡らすと「加水分解」が起こり、ボロボロに破けやすくなってしまいます。
- スノー低反発
スノー低反発素材はウレタンを細かく粉砕した素材のため、同じく水洗い不可です。
- ラテックス
ゴムなら水に濡れても大丈夫そうですが、枕に使われるラテックス素材はゴムとは全く別物です。ウレタンと同じように、水に濡らすと破れやすくなってしまうので注意が必要です。 - そばがら・小豆
水に濡らすと素材が劣化し腐ってしまうこともあります。さらにお手入れを怠ると虫が湧いてしまうこともあるため、しっかりとお手入れをする必要があります。
- ひのき
水洗いすると香りが薄れて劣化にもつながります。
- 羽毛(ダウン)・羽根(フェザー)
羽毛や羽根はデリケートな素材で、水に浸けすぎると弾力が劣化してしまいます。
洗濯表示を確認する
平成28年(2016年)12月から、洗濯表示が新しくなりました。
引用:経済産業省
まずは自宅で水洗いできるかを赤い色の「家庭洗濯」の箇所で確認しましょう!
家庭洗濯NGのマークが付いていなければ、自宅で水洗いが可能です。
桶の中に書かれた数字は使える水温の限度で、30~90℃までの表示があります。桶に手を入れたマークの洗い方は手洗いのみなので注意しましょう。
桶の下に下線があるほど水流の弱い洗い方を推奨しています。下線が2本のマークでは、洗濯機でおしゃれ着コース(ドライコース)などを選ぶのがおすすめです。
平成28年(2016年)12月以前のタグが付いた枕の場合は、旧マークの表示で確認します。
枕の洗い方が知りたいけど洗濯機ではどうやるの?
枕が洗える素材で、洗濯表示にも洗濯可能マークがついていれば、自宅の洗濯機でも洗うことができます。洗い方を順番に解説していきますね。
洗濯機での洗い方
【準備】
- 枕カバーを取り外し、洗濯表示のタグを見て、洗濯機で洗えるものか確認します。
- 中身の素材が飛び出さないよう、枕本体のファスナーをしっかり閉じて、洗濯ネットに入れます。
【手順】
- 洗濯機の中に入れます。
- 中性洗剤を入れます。
- 水流が弱めの「おしゃれ着コース(ドライコース)」などで洗濯します。
- 脱水が終わったら、中身が偏らないように手の平でたたくようにしてほぐします。
- 外で天日干しをします。枕の中まで完全に乾燥するまで、数日かかる場合もあります。
中性洗剤は、製品の容器に「液性/中性」と表示があるものを選びましょう。
「おしゃれ着用洗剤」はほとんどが中性洗剤なので、表示を確認してみてくださいね。
手洗いの場合の洗い方
【準備】
- 枕カバーを取り外し、洗濯表示のタグを見て、洗濯機で洗えるものか確認します。
- 洗面所や浴槽など、枕を洗える大きさの場所に水をはります。
【手順】
- 中性洗剤をいれます。
- 枕全体を揉むようにして洗います。
- 水を流しながら、洗剤の泡が出なくなるまでよくすすぎます。
- 押し出すように水を切ります。
- 中身が偏らないようにほぐしたら、直射日光を避けて陰干しをします。
自宅で洗えない素材のお手入れ方法
洗えない素材の場合は、週に1~2回程度、定期的に干して風を通しましょう。
枕を干すときは、形が崩れないように平干しか吊り干しがおすすめです。
平干しは平らな場所に置いて干す方法で、吊り干しは枕干しや枕ハンガーなどを使って干す方法です。
もし無い場合は、枕が入る大きさの洗濯ネットに入れて、洗濯バサミ付きのピンチハンガーで吊るす方法もあります。
紫外線にとても弱い素材もあるため、今使っている枕が天日干しと陰干しどちらに適したものか、もう一度洗濯表示で確認してみましょう。
引用:経済産業省
黄緑色の「自然乾燥」の箇所で干し方を確認します。
新マークでは、旧マークには無かった「濡れ吊り干し」と「濡れ平干し」が追加されています。洗濯機による脱水や、手でねじり絞りをしないで干す方法のことです。
平成28年(2016年)12月以前のタグが付いた枕の場合は、旧マークの表示で確認します。
天日干しをする
日の当たる場所で枕を干し、たまった湿気を乾燥させます。天日干しでは紫外線による殺菌効果も期待できます。
干すのに適した時間帯は、太陽の光が強くて湿度の低い10~15時の間です。早朝や夕方は湿気が多いため、避けた方が良いでしょう。
夏は直射日光を避けて9~11時、冬は11~14時がおすすめです。
【手順】
- 枕の中身の素材が偏らないようにならし、日の当たる場所で干します。
- 1~2時間経ったら、ひっくり返して反対側にも日を当てます。
- 枕を取り込んだら、掃除機をかけて枕の形を整えます。
【天日干しが適している素材】
- ポリエステルのわた
- コルマビーズ・ミニボール
- ポリエチレンパイプ・ストロー
- そばがら・小豆
- ひのき
※同じ素材でも天日干しができない場合がありますので、枕の洗濯表示も必ず確認しましょう。
陰干しをする
直射日光を避けた外に干すか、風通しの良い室内で干します。
扇風機やサーキュレーターで風を当てると湿気を飛ばしやすいです。
湿度の低い日は、窓を開けて空気を循環させましょう。湿度の高い日や雨の日は、除湿器やエアコンの除湿を使うと良いでしょう。
【手順】
- 枕の中身の素材が偏らないようにならし、直射日光の当たらない風通しの良い場所で干します。
- 1~2時間経ったら、ひっくり返して反対側にも日を当てます。
- 枕を取り込んだら、掃除機をかけて枕の形を整えます。
【陰干しが適している素材】
- 高反発ファイバー
- ビーズ
- 高反発・低反発ウレタン
- スノー低反発
- ラテックス※同じ素材でも天日干しができる場合がありますので、枕の洗濯表示を確認しましょう。
洗える素材であっても、きちんと乾かせるかなど不安がある場合は、クリーニング店に依頼すると安心です。
洗えない素材を洗ってしまった場合の対処法
特にウレタン素材は水を含むともろくなって破れやすいため、取り扱いに注意が必要です。
ここでは、洗えない枕をうっかり洗ってしまった場合、どう対処したらいいのかを順番に解説していきます。
手順
- まずは型崩れやちぎれ防止のためにカバーをかけます。
- 枕全体を優しく押して水分を取り除きます。ねじったり強く押したりしないように気をつけましょう。
- 直射日光の当たらない風通しの良い場所で、陰干しをします。完全に乾くまでは1週間ほどかかる場合もあります。
枕の洗い方はバッチリ!乾燥機も使える?
枕の洗い方がわかったので、今度は乾燥機です!
正しい枕の洗い方をしても、水分が残ったままだと菌が増える原因にもなってしまいます。
乾燥機を使うとできるだけ早く乾かすことができるので、菌の増殖の抑制につながります。
また、短時間でダニ退治をするには「50℃以上」の温度が必要なので、乾燥機にかけることでダニ退治効果が期待できるといわれています。
60℃という環境では、15分以内というかなり早い段階で全てのダニが死滅したという結果となりました。
40℃という高温でも全てのダニを退治するのに2〜3週間かかってしまうので、ダニを早く完全に退治するには、50℃以上の環境を作ることが必須と言えるでしょう。
引用:ダニ獲り研究所
乾燥機は一般的に50℃以上ですが、商品によって設定温度が異なりますので、取扱説明書を見て確認しておきましょう。
乾燥機が使えるか確かめる
引用:経済産業省
それでは、黄色の「タンブル乾燥」の箇所で、乾燥機が使えるかを確認していきましょう。
枕のタグにこのマークが付いていれば、乾燥機が使えます。点が1つの場合は60℃まで、2つの場合は80℃までの乾燥機に対応しています。
タンブル乾燥NGのマークがついている場合は、乾燥機が使えないので自然乾燥をしましょう。
洗い方に気をつけても、乾燥機を使いすぎると枕が痛む原因にもなりますので、ライフスタイルに合わせながら適度に使うことをおすすめします。
コインランドリーの乾燥機を使う場合、家庭用よりも温度が高いのでご注意ください。
コインランドリーの乾燥機の温度
- 高温:約70~80℃
- 中温:約60~70℃
- 低温:約50~60℃
平成28年(2016年)12月以前のタグが付いた枕の場合は、下部に「タンブラー乾燥は避けてください」という表示があれば乾燥機はNGです。
まとめ
- 枕本体は、年に2回程度の定期的な洗濯が推奨されている
- 洗える素材と洗えない素材を確認しておこう
- 洗濯表示は水洗い可能か、タンブル乾燥OKか確認する
- 洗えない素材は週に1~2回程度定期的に干して風を通す
確認することが多く大変だったと思いますが、それぞれの枕に合ったお手入れ方法について解説いたしました。
ぜひこの記事を参考にして枕のお手入れをしてみてくださいね!
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