小さい頃、祖母が毎年、大きな瓶いっぱいに梅干しを作っていました。昔のしょっぱくて酸っぱい味、好きでしたね。
でも、子供心に梅干し作りって大変だなあと思ってました。
土用干ししているときに雨が降ってきて、あわてて家の中に入れるのを手伝ったこともあったなあって思い出します。
だから「梅仕事」という言葉にあこがれつつも、梅干しは買うもの、自分でつけるのはとても無理!と思っていました。
ところが、ジップロックで漬けるという簡単な方法を見つけました!
しかも梅は干しても干さなくても、どちらでもいいんです!
ぐっとハードルが下がりましたね。失敗しない作り方、ご紹介します。
一緒に梅仕事を楽しみましょ♪
梅干しをジップロックで漬けよう!失敗しない方法
なかなかハードルが高いと思われがちな梅干し作りですが、実はジップロックを使えば簡単に作ることができるんです。失敗しない梅干し作りのポイントは以下の3つ。
- 塩分量を梅の18~20%にすること
- 梅の水分をよくふき取って消毒してから入れること
- ジップロックの中の空気をできるだけ抜いて、梅が梅酢につかるようにすること
ではここからは、具体的な手順をご紹介していきますね。
梅干しの漬け方
用意する物は次のようになります。とってもシンプルです。
黄梅はしっかり熟していると柔らかい梅干しになりますが、まだ青いと硬い梅干しになります。
青梅だった場合はざるなどに入れて常温で置いて、追熟させます。1~2日で良い色になりますよ。
塩分を減らすとカビが発生する可能性が高まるので、塩分量は18~20%にしましょう。
ジップロックは新しいものを使うようにしてくださいね。
- STEP1梅を2回洗う
- STEP2なり口(へたのこと)を爪楊枝などで取り除く
傷つけないように注意する
- STEP3キッチンペーパーでしっかりと水分をふき取る
- STEP4消毒用のホワイトリカーにくぐらせてからジップロックに入れる
- STEP5粗塩を入れて全体になじませる
- STEP6できるだけ空気を抜いてジップロックの口を閉じ、もう1枚のジップロックに入れる
梅酢がもれないようにするため
- STEP7重しをのせて、暗くて涼しい場所に置く
重しは1~2kgくらい
- STEP8毎日上下をひっくり返して、梅酢がまんべんなく行き渡るようにする
すぐに梅酢(梅から出てくる水分)が出てきます。梅酢につかっていればカビが発生することはありません。
そして、暗くて涼しい場所に置いておきます(梅酢が出てくるので、時々ゆすったりしながら様子を確認)。
これでできる梅干しは白梅干し。これもおいしいですが、赤い梅干しにしたい場合は赤しそを入れます。
赤しその入れ方
梅干しを漬け込んで5日くらい経ち、梅が隠れるくらい梅酢が出たら赤しそを入れるタイミングです。
あまり早いうちに入れると、梅酢が出にくくなるので注意しましょう。
- STEP1赤しそは軸を取り、葉っぱだけにする
軸は梅干しを傷つけてしまう恐れがあるので外す
きれいな紫色の葉を選ぶと、色がきれいに出る - STEP23回くらい水を替えて、もむように洗う
- STEP3ぎゅっと絞って水気をなるべく落としてから、ざるに広げて乾かす
- STEP4塩半量を入れてもむ
色素が手に付くので使い捨てビニール手袋をすると良い
- STEP5絞るとあくが出てくるので捨てる
洗いたくなるが洗わない
- STEP6残りの塩を入れてもみ、あくが出てきたら捨てる
- STEP7もみシソを梅干しの袋に入れる
- STEP8梅酢につかるようにほぐし、一日目はもみシソが下になるようにして置いておく
もみシソを入れる際、梅干しの袋から梅酢を適量取り出して、もみシソになじませてから入れると入れやすいですが、そのまま入れても大丈夫です。
赤しそが空気に触れているとカビの原因になりやすいので、なるべく梅酢につかるように空気を抜いておきましょう。
梅干しの干し方
梅雨が明けて晴れの日が続く頃に、3日間天日干しをします。
くっつかないように間隔を開けてざるに梅を並べ、1日1~2回上下を返して干します。
3日間干して好みの乾燥具合になれば完成です。梅干しはそのままでも、梅酢に戻してもOK。冷暗所にジップロックのまま保管できます。
雨がかかるとカビが発生する恐れがあるので、雨が降りそうになったらすぐにとりこみましょう。
風通しが良く、日当たりの良い部屋があれば、家の中で乾かしても大丈夫です。
梅干しをジップロックで漬けてみた!干さない方法も
ジップロックで梅干しを漬けてみた!
まずは黄梅を購入。スーパーでも売っていますが、私は産直所で買いました。1㎏500円でした。
ちょっと青かったので、2日ほど常温で置いておきました。色は良くなったけど、ちょっと傷んでしまったかも。傷んだ黄梅の活用法もばっちり考えてあります。
洗った後になり口を取りました。結構簡単に取れます。すでに取れているものもちらほら。
なり口を取ってから洗う方が効率的な気もしますね。
でも実の中に水分が入りやすくなるという意見もあって、今回は「失敗しない」を重視しているので、洗ってから取りました。
すでに取れている実も多かったので、どちらでも良いかなと思います。
器にホワイトリカーを入れ、実をくぐらせて消毒してからジップロックに入れていきます。傷んだ実を除くので、キッチンスケールも下にセットしてあります。
全部で600gにしました。本当は梅干しにしても大丈夫なんですが、少し傷んだ実を梅ジャムと梅しょうゆにしようと思っています。
粗塩を入れます。600gの18%にして、108gでした。
黄梅になじませます。梅の量が少なくなったので、作業が楽です。
ジップロックを二重にして、なるべく空気を抜いて完成。重しを乗せます。重しは何でも可。私はお茶のペットボトルを使いました。
5日後、赤しそを用意してもみシソを作りました。ぎゅっと絞っていくと、おもしろいように赤紫の汁とあくが出てきます。
2回絞って小さくなったもみシソを梅干しの袋に入れます。
すぐに梅酢が赤く染まります。何だかうれしい♪
干さないという選択もあり
梅干しを漬けるのは簡単でした。問題は干す手間ですよね。
雨に濡らさないために天気予報はチェックするとしても、予報が外れたら大変です。
日中外出が多い人や仕事をしている人は、3日間も天日干しの作業に集中するのは難しいですよね。
でも実は、「干さない」という選択もできるんです。これは梅漬けと言われます。確かに干さないのだから、梅干しではないですよね。
天日干し作業の手間と時間が要らなくなるので、忙しい人や私みたいなズボラさんにオススメです。
梅漬けの場合は、漬けてから一ヶ月くらいで完成です。
傷のある梅は梅ジャムや梅しょうゆに
梅を追熟させている間に梅が傷んできた場合は、選別する必要があります。
でもほとんどの傷は大丈夫。黒い斑点や表面がぷよぷよしているのも、問題なく漬けられます。
NGなのはカビているものと腐敗臭のするもの。これらは梅干しにするのは諦めた方が良いですね。
でもそんな傷ありの梅も、捨てる必要はありません。有効活用していきましょう。それにとっても美味しいですよ。
梅ジャム
今回舌触りの良い梅干しにしたいので、NGじゃないけど表面に傷多めの梅を、梅ジャムにしました。
ジャムっていろんな作り方がありますが、ご紹介するのは多分一番簡単な方法です。
- STEP1洗って、なり口を取った実を、酸に強いお鍋に入れる
- STEP2ひたひたになるくらいまで水を入れてフタをし、強めの中火で沸騰させる
- STEP3トロトロの弱火にして5分ゆでる
- STEP4火を止めて10分そのままにする
- STEP5ざるにあけて粗熱が取れるまで待つ
- STEP6梅を握って種を取り、果肉だけ鍋に戻す
- STEP7弱火で加熱し、砂糖を適量入れて混ぜながらとろみが少しつくまで加熱する
冷えるととろみが増すので、さらさらで大丈夫
- STEP8煮沸消毒した瓶に入れて完成
美味しい!!酸っぱさが絶妙です。
砂糖の量はお好みで。すぐに食べきるなら少なめの砂糖で良いですし、長期保存なら梅の重量の80%~100%くらいが目安です。
砂糖は何でもOKです。グラニュー糖ならすっきりした上品な甘さに、ハチミツなら健康的ですね。私はてん菜糖でつくりました。美味しかったですよ。
梅しょうゆ
傷みがひどい梅は、梅しょうゆにするのはどうでしょう。
- STEP1瓶をアルコールで消毒する
煮沸消毒でもよい
- STEP2傷んだ部分を切り取る
- STEP3ル実がつかるまで醤油を注げば完成
ちょっと醤油を入れすぎたかな。これも梅が醤油につかっていれば、カビは発生しないので、つかるように時々揺すってあげましょう。
1日常温に置き、あとは冷蔵庫で保管すれば安心ですね。
白身のお刺身につけて食べたいです。納豆のたれにしても美味しそう♪
梅干しをジップロックで失敗しないで漬けたい!減塩はできるの?
消毒をし、塩分を18~20%にして衛生面に気をつけて作ればまず失敗することはないのですが、この方法だと塩気が強すぎて食べにくいという人もいますよね。
冷蔵庫(野菜室)に入れる
塩を減らすとカビのリスクが高まります。どうしても減塩したい場合は、常温保存をあきらめて冷蔵庫の野菜室に入れておくという方法もあります。
早めに食べきるようにしましょう。
昼間は人がいなくて家の中がすごく暑いという人も、真夏の間だけは野菜室に保管するようにした方が良いかもしれませんね。
完成してから塩分を抜く
塩分強めで作ってから、塩分を抜くという方法もあります。
- 梅干しを水で洗う
- 水やぬるま湯に漬ける
- ハチミツに漬ける
梅干しを水で洗う
容器に水を入れて、梅干しを洗います。水につける時間で塩分の抜け方が違うので、好みの塩分になるまで入れましょう。お湯にすると早く抜けます。
さっと洗うだけでも舌に感じる塩気が減って、食べやすくなります。すぐに食べられるので時間がない時にオススメですね。
水やぬるま湯に漬ける
本格的に水につけるやり方です。梅干しがかぶるくらいの水やお湯を入れ、7~8時間程度おきます。
あとはざるにあけて水を切り、軽く乾かしておきます。
皮が破れやすくなっているので、やさしく取り扱ってくださいね。
数日で食べられる分だけにして、冷蔵庫で保管するようにしましょう。
ハチミツに漬ける
水につけて塩抜きした梅干しを保存容器に入れ、ハチミツを入れます。どのくらい塩気を抜くか、甘くするかは好みがあると思います。
またこれは、赤しそを入れない白梅干しが向いています。お好みの塩梅を見つけてくださいね。
まとめ
梅干しをジップロックで漬ける方法をご紹介しました。
- 失敗しないコツは、塩を18~20%にすること、水分をよくふき取って消毒してから入れること
- ジップロックの中の空気をできるだけ抜いて梅が梅酢につかるようにする
- 天日干しは3日間で、雨に濡らさないよう気をつける必要があるが、難しいなら干さない梅漬けにするという方法もある
- 傷んだ梅は梅ジャムや梅しょうゆにして美味しくいただく
- 減塩したい場合は冷蔵庫保存にするか、完成してから塩分を抜く
梅仕事、美味しくて楽しい、しかも実はとっても簡単でした。
梅に塩、砂糖、醤油を加えるだけで、美味しい保存食ができあがり。
良いことづくめですが、もう一つ良いのは梅は良い香りがすること。この時期だけの贅沢な時間を過ごせたなと思いました。
やってみたいと思っていたけど手を出せなかった人がいたら、ぜひこの記事を参考にして楽しく梅仕事をしてみてくださいね♪
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