甘酒には豊富な栄養が含まれているので、健康的な効果を期待して飲む方が増えています。
ところが、そんな方の中には「【酒】と付くからにはアルコールが含まれているのでは…?」と心配する方も多いようです。
実は甘酒には麹甘酒と酒粕甘酒があり、アルコールが含まれているのは酒粕甘酒です。
アルコールが入っていると聞くと、麹甘酒の方が飲みやすそうに感じますよね。
私はそんなことを知らずにアルコール入りという理由だけで、酒粕甘酒を避けていたので後悔しました…。
この記事では、それぞれの甘酒の特徴・栄養効果や、酒粕甘酒を飲む際の注意点、飲みやすくする方法をまとめてみましたので、参考にしてみてくださいね。
甘酒にはアルコールが入っているのか?原料による甘酒の違い
なんと江戸時代から夏バテ防止のために飲まれていたという甘酒。
ただ、酒粕甘酒ならではの健康的なメリットもたくさんあるのです!
古くから身体に良い飲み物として親しまれていて、今でも健康のために取り入れる方が増えていますよね。
そんな甘酒ですが、一口に甘酒と言っても実は原料により2種類の甘酒があります。
米麹が原料の「麹甘酒」と酒粕が原料の「酒粕甘酒」です。
この2種類の甘酒は、原料だけではなく期待できる効果も異なると言われています。
では、麹甘酒と酒粕甘酒にはどのような違いがあるのでしょうか?
2種類の甘酒の特徴、期待できる効果について詳しく見ていきましょう。
甘酒でアルコールが入っているのは酒粕甘酒!甘酒2種類の特徴とは
麹甘酒と酒粕甘酒にはそれぞれ以下のような特徴があります。
米麹とは、蒸したお米に麹菌を繁殖させたもので、日本の伝統的な発酵食品です。
この米麹に酵母菌を加えてアルコール発酵させると日本酒になるのですが、その過程で出てくる搾りカスが酒粕なのです。
つまり、麹甘酒はアルコール発酵前の米麹を使用していて、酒粕甘酒はアルコール発酵後の酒粕を使用しているということ。
だから酒粕甘酒にはアルコールが含まれるというわけですね。
また、麹甘酒と酒粕甘酒は、同じ「甘酒」と言っても味、香りまで異なります。
麹甘酒はお米の優しい甘さがあり、物によってはお米や麹の粒々とした食感を感じるのも特徴です。
一方で酒粕甘酒は日本酒のような味と香りがあり、酒粕だけでは甘味がないため砂糖が加えられます。
私は初めて2つの甘酒を飲んだとき、全く別の飲み物のように感じました!
それぞれ好き嫌いが分かれるようですので、どちらが好みなのか飲み比べてみると良いかもしれません。
麹甘酒と酒粕甘酒の効果の違いとは
2種類の甘酒には原料や味に違いがあることが分かりましたね。
では次に、麹甘酒と酒粕甘酒では期待できる効果はどのように異なるのか、詳しく見ていきましょう。
麹甘酒
まず、麹甘酒にはこのような効果が期待できます。
- 疲労回復
- 腸内環境改善
- 免疫力アップ
- 抗酸化作用
麹甘酒の一番の健康メリットは、疲労回復効果が期待できることでしょう。
麹甘酒には、疲れ解消効果があるブドウ糖や、そのブドウ糖を代謝するときに必要となるアミノ酸が豊富に含まれています。
くわえて、疲れに効果的な様々な種類のビタミンB群が含まれています。
点滴のように栄養素が豊富に含まれているため「飲む点滴」と言われるのです。
また、オリゴ糖により腸内環境を改善してくれる効果も見込めます。
オリゴ糖は善玉菌のエサとなることで善玉菌を増やし、腸内環境を整える効果があると分かっています。
腸には全身の約7割の免疫細胞が集まるため、腸内環境を整えると免疫力アップにもつながりますよ。
そして最後にお伝えする効果が、エルゴチオネインによる抗酸化作用です。
エルゴチオネインとはアミノ酸の一種で、キノコなどの菌類や細菌のみ合成できる成分です。
抗酸化作用が強いことから、DNAの損傷や脂質の酸性化、神経細胞へのダメージを防いでくれる効果があることが分かっています。
また、美肌効果にも注目されていて、シワやシミの予防、肌のハリを維持する効果、光による肌の老化抑制などの効能が期待できるのです。
このように、麹甘酒は疲れを感じている方や便秘持ちの方、肌をキレイにしたいという方にもオススメですよ。
ちなみに麹甘酒はその栄養価の高さから朝ご飯にもピッタリです。
朝ご飯にオススメの甘酒レシピも紹介していますので、詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ!
酒粕甘酒
一方で、酒粕には麹菌や酵母菌、菌の代謝物などが含まれているので、酒粕甘酒も栄養的なメリットが大きいのです。酒粕甘酒にはこのような効果が期待できます。
- 高血圧予防
- 肝障害抑制効果
- 健忘症による記憶障害予防
- 抗アレルギー作用
- 骨粗鬆症予防
- コレステロール上昇抑制効果
- 肥満予防
酒粕甘酒には高血圧予防や肝障害抑制効果などの多く病気予防の効果が期待できます。
なぜなら、酒粕甘酒には多種多様なペプチドが含まれているためです。
ペプチドとは、アミノ酸がいくつか繋がった集合体のこと。アミノ酸の並び方によって膨大な種類があり、健康機能があるものもあります。
酒粕甘酒にはこのペプチドが豊富に含まれていて、様々な病気予防につながることが発見されています。
さらに、酒粕甘酒には肥満予防の効果が期待できると考えられています。
酒粕の中にブドウ糖を分解させないように働く成分があり、この成分が血糖値の急上昇を抑えて脂肪の蓄積を少なくするのです。
このように酒粕甘酒は、病気を予防したい方やダイエット中の方にオススメですよ。
アルコール度数が低いから運転しても良い?甘酒を飲む際の注意点とは
麹甘酒と酒粕甘酒には様々な違いがあることをお伝えしてきました。
味やアルコール有無の他にも、得られる効果から甘酒を選択するのもオススメです。
ところが、中にはこんな方もいるのではないでしょうか?
よく車を運転するけど、酒粕甘酒を飲みたいなぁ。少しくらい大丈夫かな?
残念ながら、ドライバーは運転前には酒粕甘酒を控えるのが賢明でしょう。
ここからはその理由と、ドライバーが酒粕甘酒を飲むときの注意点をお伝えしていきますね。
甘酒のアルコール度数は1%未満だけど油断大敵!
市販の酒粕甘酒に含まれているアルコール量は1%未満。
1%未満と聞くとアルコール量が少ないと感じるかもしれませんが、甘酒を飲んで酒気帯び運転や酒酔い運転と判断された例もあるのです。
道路交通法によると、飲酒運転は以下の基準で判断されます。
酒酔い運転 :アルコールの影響で正常な運転ができない恐れがある状態
酒気帯び運転:呼気1L中のアルコール濃度が0.15mg以上ある状態
つまり酒粕甘酒を大量に飲んだ場合に呼気のアルコール濃度が高くなり、酒気帯び運転と判断されることも考えられます。
また、呼吸のアルコール濃度が低かったとしても、お酒に弱い方であれば酒酔い運転と見なされてしまうかもしれません。
ですので、運転前は酒粕甘酒を飲むのはできるだけ控えましょう。
酒粕甘酒をドライバーが飲む際の注意点
よく運転する方は、安心して酒粕甘酒を飲む為にこのような点に注意しましょう。
- 手作りの酒粕甘酒をなるべく避ける
- アルコールが体内から消えるまで運転しない
一つ目は、手作りの酒粕甘酒を避けるという点です。
手作りの酒粕甘酒は市販のものよりも度数が高くなる傾向があります。
酒粕そのものには約8~10%のアルコールが含まれていて、その大部分が残ることが考えられるのです。
手作りだと実際に含まれているアルコール量を測ることも難しいので、避けた方が良いでしょう。
そして二つ目は、アルコールが体内から消えるまで運転しないということ。
厚生労働省の研究によると4gのアルコールを分解するためには1時間かかるため、飲酒後に「飲酒量(g)÷4」時間以上は運転しないことが推奨されています。
この計算によると、5%のビールだと100mlの小さなグラス1杯分で1時間。500mlのロング缶1本では5時間は飲酒後に運転してはいけない計算となるのです。
ただ市販の甘酒の度数は1%未満とビールよりも少ない値ですが、アルコールは含まれていますのでしっかりと休憩時間をとるようにしたほうが良いでしょう。
体質や年齢によってもアルコールの分解スピードは異なるので、あくまで目安となりますが酒粕甘酒を飲む際にも注意してくださいね。
酒粕甘酒のアルコールの飛ばし方とは?これでお酒に弱くても安心!
酒粕甘酒にもたくさんの魅力がありますが、アルコールの香りが苦手で飲めないという方もいるのではないでしょうか。
私の友人も「栄養的に酒粕甘酒を飲みたいけれど、日本酒の香りが苦手で飲めない…」と泣く泣く麹甘酒を選んでいました。
そんな方は、手作り甘酒でアルコールを沸騰によりしっかり飛ばして飲んでみましょう!
アルコールを飛ばす方法は、下記のようにいくつかの方法があります。
- 沸騰させる
- 酒粕を細かくちぎって蒸す
- 弱火で長時間煮る
- 日本酒を入れて沸騰後にライターで火をつけてフランベにする
これらの方法の中でも、一番簡単で短時間に作ることができるのは沸騰させる方法です。
ここからはその沸騰させる方法による酒粕甘酒の作り方をお伝えします。
手作りをすると、アルコールの強さの他にも砂糖の量を調整することができるのでオススメですよ。
アルコールの好みによって調整するポイントもお伝えしますので、参考にしてみてくださいね。
- STEP1酒粕を一口大にちぎる
- STEP2鍋に水を入れて沸騰させ、沸騰したら酒粕を入れて弱火にする
- STEP3酒粕が柔らかくなったら、溶かすように混ぜる
- STEP4酒粕が溶けたら強火にする
※アルコールの好みにより加熱時間を調整する
- STEP5砂糖を入れて混ぜたら完成
アルコールが強い方が好きな方は短めに、アルコールが苦手な方は長めに加熱してアルコールを飛ばすようにしましょう。
ただ、酒粕甘酒に含まれるビタミンB1や酵素などは熱に弱い性質を持っているので、加熱しすぎも要注意です。
アルコールの沸点は78℃程ですので、栄養素がなるべく壊れないように78℃程度でゆっくりと加熱するのがオススメですよ。
また、加熱によりアルコールを飛ばすことはできますが、完全に0になるわけではありません。
やはりお子さんや妊婦さん、授乳中の方は酒粕甘酒を飲むことは控えたほうがいいでしょう。
ちなみに麹甘酒の作り方もこちらの記事でご紹介しています。気になる方は読んでみてくださいね。
まとめ
- 甘酒には2種類あり、アルコールなしは麹甘酒、アルコール入りは酒粕甘酒
- 麹甘酒、酒粕甘酒のそれぞれに栄養的なメリットがたくさんある
- 麹甘酒は疲れを感じている方や便秘持ちの方、肌をキレイにしたい方にオススメ。
- 酒粕甘酒は病気を予防したい方やダイエット中の方にオススメ。
- 酒粕甘酒の度数は1%未満だけどドライバーは運転前は控えるべき
- 酒粕甘酒はよく加熱すればアルコールを飛ばすことができる
今回は、甘酒についてまとめてみました。飲みやすい麹甘酒が注目されがちですが、酒粕甘酒と麹甘酒のどちらにも身体に良い効果が期待できます。
調べてみて、アルコールが入っているという理由だけで酒粕甘酒を避けるのはもったいないなぁと感じました!
酒粕甘酒も工夫すれば飲みやすくできることが分かったので、私もチャレンジしてみようと思います。
この機会に酒粕甘酒を試して、甘酒を美味しく楽しみながら健康的な身体を手に入れましょう!
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