なぜか白菜の味噌汁だけ「まずい、うまく作れない」と思ったことはありませんか?
白菜は嫌いじゃないのに、味噌汁にするとどうしても「まずい」と感じてしまうという方は多いようです。
白菜はビタミンCや食物繊維が豊富で健康に良いですし、たくさん野菜を食べるためにも特売日にはぜひ買いたいですよね。
私はサラダより味噌汁の具から毎日の野菜をとることが多いので、白菜の味噌汁がまずいのは結構な痛手なのです。
なぜ白菜の味噌汁だけまずいと感じてしまうのか?その理由を知れば美味しい味噌汁を作ることができるはず。
この記事では、白菜の味噌汁がまずい原因と、美味しくするためのレシピをご紹介します。
ぜひ最後までご覧くださいね!
白菜の味噌汁がまずい原因は3つ
白菜の味噌汁がまずい原因は、大きく以下の3つに分けられます。
- 「味噌汁の基本的な作り方」に問題がある
- 白菜そのものに問題がある
- 味噌に問題がある
味噌汁の基本的な作り方に問題があると、白菜に限らず美味しい味噌汁は作れませんよね。詳しく見ていきましょう!
白菜の味噌汁がまずい原因①作り方の基本編
「白菜の味噌汁」に限らず、美味しい味噌汁を作るには、おさえておくべきポイントがあります。
そのポイントを外してしまうと、「同じ材料」を「同じ分量」使って味噌汁を作っても、まずい味噌汁になってしまいます。
出汁の取り方
出汁の取り方を間違えている、または出汁の好みが違う場合、まずいと感じてしまうケースがあります。
顆粒出汁に慣れた人は、本格的にとった出汁では物足りないと感じる人もいるようですね。
出汁はみそ汁の土台となるため、その取り方がとっても大切です。
出汁のうまみを出し、えぐみや臭みをださないためにはコツが必要です。
えぐみや臭みが出てしまうと、白菜に限らずまずい味噌汁になってしまいます。
上手に出汁を取るための簡単なポイントをご紹介しますね!
- 昆布やかつお節の量を適切に。少なすぎor多すぎはダメ
- 昆布、かつお節、いりこは、水orお湯に投入するタイミングがそれぞれ違う
出汁を正しくとり、入れるタイミングを守ること - 沸騰した湯で煮込みすぎないこと
しっかり出汁を取ろうと沸騰したお湯で煮込むのは間違い。出汁の香りが飛び、えぐみや苦みが出る - あくをとっていない
タイミングや加減が重要で、細かい手順は以下の通りです。参考にしてみてくださいね!
昆布出汁 | 火にかける前に30分ほど水につけておく 中火より少し弱めの火にかけ、ゆっくりと沸騰させ、湧いてきたら取り出す 沸騰させないよう、じわじわ温度をあげながら、うまみを引き出すのがコツ |
かつお出汁 | お湯が沸騰したら火を止め、かつお節を入れる 火をつけ、再沸騰が始まったら火力を絞る 鍋の底からポツポツ気泡が立ち上がる程度の弱火で煮出すのがコツ |
いりこ出汁 | いりこの頭と内臓を取り、身を半分に裂く 火にかける前に30分ほど水につけておく 中火より少し弱めの火にかけ、5分以上時間をかけ、ゆっくりと沸騰させる 沸騰したら火を弱め、アクをすくいとる 5分ほど煮だして火を止める 昆布とかつお節の、両方の出汁の取り方を合わせたような感じですね |
味噌の入れ方
味噌は一番最後に入れるのが、味噌汁づくりにおいて絶対曲げてはいけないルールです。
味噌を煮てしまう失敗を「味噌がたつ」と呼び、味噌の風味が飛んでしまい、間の抜けた味になってしまいます。
なので、根菜類など火を通す必要にある具材は、味噌を入れる前にだし汁でしっかり煮ます。
白菜は葉物野菜ですが、白い部分は他の葉物野菜と比べ火が通るまで時間がかかるので、注意が必要です。
白菜にしっかり火が通ってから、味噌を入れるようにしましょう。
また、味噌は鍋で直接溶かさず、熱いだし汁を器やおたまにとって、その中で味噌を溶かし入れるようにします。
こうすると、味噌が溶け残って味にムラが出るのを防ぎます。
白菜の味噌汁がまずい原因②白菜編
味噌汁の作り方の基本は分かっているけれど、「白菜の味噌汁だけどうしてもまずい」ということもありますね。
白菜は水分が非常に多い野菜なので「いつもの感じ」で作っていると、出汁や味噌の味が薄くなる傾向があります。
味噌汁からちょっと話が逸れますが、すき焼きには白菜は欠かせない食材と思っていませんか?
実は「水っぽくなってまずいから嫌」という人も結構多く、入れない人もいるのだそうです。
白菜から水分が出て味が薄くなってしまう分、少しだけ出汁や味噌の味を濃くすると、味が落ち着くと思いますよ。
う~ん、それだけではしっくりこないわ。なんか…まずいのよ。
そういう場合は、もしかしたら白菜そのものの「苦み」が気になるということではないでしょうか。次で詳しく見ていきましょう。
白菜の持つ苦み成分がまずい
白菜は「アブラナ科」の野菜ですが、アブラナ科の植物には、イソチオシアネートという苦みや辛味の成分が含まれています。
大根やキャベツ、ブロッコリーなども辛味や苦みを感じますが、同じ成分によるものです。
このイソチオシアネートという物質は、もともと虫に食べられないように、白菜が自分の身を守るために作り出した物質です。
僕を食べると苦いくてまずいぞ!食べない方がいいぞ!
苦い葉っぱはまずいよ!甘い葉っぱが美味しいよ!
虫も人間も同じですね。人間は「苦み」を楽しむことがありますが、基本的には苦いものは「まずい」と感じるようにできています。
苦くてまずい成分を避けるには
夏の白菜は苦みが強い
「苦み成分」は「虫よけ成分」ですから、虫の多い夏の白菜は苦みが強くなります。
冬であっても温度が高いと苦み成分が多く残ることがあります。
白菜は、春物、夏物、秋冬物がありますが、秋冬(10~3月)が旬で、出荷量もピークになり、味も甘くなります。
冬の寒さで凍らないために、白菜は体の中に糖分を蓄えるため、冬越えした白菜は甘くなるのです。
旬の時期が一番おいしいという事ですね!
白菜の外側ほど苦みが強い
「苦み成分」は「虫よけ成分」と考えれば当然の結果でしょう。白菜は鎧を着るように、外側ほど苦み成分が多く含まれます。
この部分は味噌汁や鍋物、煮物に使うよりは、炒め物に使う方が向いていますよ!
油をからませ、強火で一気に炒めます。白い軸の部分がどうしても硬い時は、少量の水を加え火を弱めてお好みの硬さまで蒸し焼きにするよ良いでしょう。
白菜で美味しい味噌汁を作りたかったら、やはり苦みの少ない部位を使った方が良さそうですね。
え~残念だわ。苦くてまずい部分をお味噌汁で消費してしまいたかったのに。
苦くてまずい白菜を味噌汁に使うなら
「美味しい白菜の味噌汁を作りたい」というよりは、「苦くてまずい白菜を毎日のお味噌汁で消費したかったのに」という人の方が、もしかしたら多いのかもしれません。
であれば、可能な限りの対処をしていきましょう。
苦み成分のイソチオシアネートは、加熱することで分解・揮発していきます。
したがって、ごま油などで炒めて甘みを出してから味噌汁に入れるというのも一つの方法です。
白菜を炒めることで水分も飛ぶので、何となく水っぽい間の抜けた味の味噌汁になることも避けられます。
この方法であれば、白菜に歯ごたえを残したまま、白菜の味噌汁を味わうこともできます。
トロトロに煮込んだ白菜が嫌いでなければ、炒めなくても、しっかりと煮込み、苦み成分を飛ばしてから味噌を入れるのも良いでしょう。
あらかじめ下茹でをしておくのも一つの方法です。どれがお好みかは、人それぞれなのでお好きな方を試してみてくださいね!
白菜の味噌汁がまずい原因③味噌編
白菜の味噌汁がまずい原因が味噌であるケースもあります。どの味噌が合うかは好みの問題でしょ?といえばその通りです。
色々な種類があるので、好みの味噌をみつけるのも一つの楽しみですよね。
ただし、好みの問題&白菜のせいではなく、味噌が原因となって味噌汁がまずいことがあります。
白菜の味噌汁がまずいのは味噌が古いから?
味噌は冷蔵庫の無い時代から、食材を長持ちさせる発酵食品として、日本人の食生活に欠かせない存在です。
しかし、味噌は長期保存すると風味が落ちてしまうことをご存じでしょうか?
毎日味噌汁を作る家庭であれば、味噌が劣化して風味が落ちるという経験はないかもしれません。
ところが、一人暮らしを始め、毎日炊事をするわけではなく、超久しぶりに味噌汁を作った、なんて場合は味噌の風味が落ちているのかもしれません。
味噌が風味を失ってまずくなるのは、発酵が進み過ぎているからです。
発酵が進むと、味噌の風味が変わり苦みが出てきてしまいます。保存状態によってはカビが生えることも。
美味しい白菜の味噌汁を作るには、新鮮な味噌を使用することが大切です。
賞味期限を確認し、適切な保存方法を守ることで、美味しい味噌汁を楽しみましょう!
白菜の味噌汁がまずい!具沢山にすれば解決!
ここまで、おいしい味噌汁の作り方の基本から、白菜がまずい(苦い)原因、味噌の問題をご紹介してきました。
これらの点を踏まえるだけでも「白菜の味噌汁がまずい」という問題は改善されるのではないかと思います。
白菜の味噌汁がまずい問題は具沢山で解決♪
白菜の味噌汁をまずいと感じる理由として「味が淡白で物足りない」という人もいるかもしれません。
そのような場合は、他の具材を加えることで、出汁の相乗効果も加わり、風味豊かで美味しい味噌汁になります。
とにかく具沢山にして、食べる味噌汁のような状態にすると、栄養も取れて一石二鳥ですね。
出汁の相乗効果
出汁のうま味成分は、①グルタミン酸、②グアニル酸、③イノシン酸があります。
- グルタミン酸(野菜や海草)
- グアニル酸(干しシイタケなどのキノコ類)
- イノシン酸(魚や肉)
それぞれ単体でもうま味を感じますが、組み合わせることにより数倍のうま味を感じる効果があるのです。
相乗効果が発揮されるためには、異なるうまみ成分を組み合わせなければ効果はありません。
現在、相乗効果があると分かっているうま味成分の組み合わせは以下の2通りです。
- グルタミン酸×イノシン酸
- グルタミン酸×グアニル酸
白菜にはうまみ成分としてグルタミン酸が含まれていますが、イノシン酸を多く含む肉類と組み合わせると美味しくなります。
白菜と豚肉のミルフィーユなどは白菜の代表的な料理かもしれませんが、良い組み合わせになっているのですね。
また、我が家では白菜とマイタケ、白菜としめじなどを組み合わせることが多いですが、これはグルタミン酸とグアニル酸の組み合わせですね。
具沢山が理想といっても、せいぜい2~3種類の組み合わせで日々を乗り切る人も多いかと思います。
かつお節や昆布などの出汁で風味を出すのは基本ですが、具材の組み合わせでもうま味が増しますよ。
相乗効果のある組み合わせを知っていると、色々応用できそうですね!
まとめ
白菜の味噌汁がまずいと感じてしまう原因と、その対処法についてご紹介しました。
- 味噌汁の出汁の取り方、味噌を入れるタイミングなど、味噌汁を作る基本を外すと美味しくできない
- 白菜には苦み成分が含まれているので、これが原因でまずいと感じることがある
- 夏の白菜は苦み成分が多くなりやすく、冬の白菜は甘い傾向がある
- 白菜は外側の葉ほど苦みが強く、炒め物にする方が向いている
- 苦味の多い白菜を味噌汁に使うには火を良く通すこと
- 白菜の味が淡白で美味しさを感じられない場合は、具沢山の味噌汁にするとよい
- 出汁には組み合わせにより相乗効果があるので、相性の良い具材を選ぶと良い
鍋に使う以外は、なかなかメイン料理になりにくい白菜ですが、食物繊維も多く健康にも良いですね。
白菜使って美味しいお味噌汁を作れれば、食べる機会も増えるでしょう。皆さんの食事のお役に立てれば幸いです♪
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